スバル「クロストレック」のライバル!?「カローラクロス」と「CX-30」と比較してみた! 【プロ徹底解説】

クロストレック

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スバルのコンパクトなクロスオーバー/SUVとなる「クロステック」。そのライバルとなるのが、トヨタの「カローラクロス」、そしてマツダの「CX-30」です。3モデルの特徴と、それぞれの違いを解説してゆきます。

文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK

鈴木 ケンイチ

モータージャーナリスト。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)

鈴木 ケンイチ
Chapter
Cセグメントのハッチバックをクロスオーバー/SUV化した3台
「クロストレック」の特徴
「カローラクロス」の特徴
「CX-30」の特徴
パワートレインの違い
ユーティリティの違い

Cセグメントのハッチバックをクロスオーバー/SUV化した3台

スバルの「クロストレック」、トヨタの「カローラクロス」、そしてマツダの「CX-30」は共通点があります。それは、どれもCセグメントのハッチバック車の兄弟車であるというところ。「クロステック」は、「インプレッサ」の派生モデルがルーツになりますし、「カローラクロス」は名前の通りに「カローラ」が兄弟車。そして「CX-30」は「マツダ3」がベースモデルという存在になります。
ちなみに3モデルは、「クロステック」が全長約4.5m、「カローラクロス」が約4.5m、そして「CX-30」が約4.4mと寸法も、ほとんど同じ。ただし、全高は「クロステック」が1575mm、「カローラクロス」が1620mm、「CX-30」が1540mm。最も背が高いのが「カローラクロス」で、次いで「クロステック」、そして最も背が低いのが「CX-30」となります。
価格帯は、「クロステック」が、266万2000円~328万9000円。「カローラクロス」が199万9000円~319万9000円。「CX-30」が245万8500円~378万2880円。価格帯的には「カローラクロス」「クロステック」「CX-30」の順になっています。「カローラクロス」の価格帯の手ごろさは大きな魅力と言えるでしょう。

「クロストレック」の特徴

「クロステック」の特徴は、スバルの他モデルと同様に、水平対向エンジンを使うシンメトリカル4WDレイアウトを採用しているところにあります。エンジンを縦置きした4WDを基本とするレイアウトで、スバルの他モデルと同様に、4WDならではの走行安定性や悪路・雪道の強さが魅力です。また、予防安全技術のアイサイトをはじめ、安全に関する機能や装備、性能に強くこだわっているのもスバル車の特徴。また、今回挙げた3モデルの中で、2022年12月より発売という、最も新しいモデルであることも特徴となります。

「カローラクロス」の特徴

「カローラクロス」は、トヨタの看板モデルのひとつである「カローラ」のクロスオーバー/SUV版として2021年9月に日本で発売となりました。他のトヨタ車と同じように、エンジンを横置きするTNGA「GA-C」プラットフォームを使用。FFモデルを基本としながら、4WDは後輪をモーター駆動するE-FOURという方式を採用しています。

歴代「カローラ」のコンセプトである「常にお客様の期待を超える+αの思想」(いわゆる80点主義)を実践する優等生的なキャラクターが、その特徴です。

「CX-30」の特徴

躍動感と美しさを両立する魂動デザインと、人馬一体の楽しいドライビングフィールが、近年のマツダ車の魅力。それをクロスオーバー/SUVとして実現するのが「CX-30」です。2019年9月より発売されました。

その特徴のひとつが、意欲的なエンジン・ラインナップにあります。電動化が進む昨今の自動車業界の中で、マツダは内燃機関にこだわります。このクラスでは唯一とも言える1.8リッターのディーゼル・エンジンに、世界初の革新技術「SPCCI(火花点火制御圧縮着火)」を採用する2リッターのスカイアクティブX・ガソリン・エンジンを用意しているところでしょう。

パワートレインの違い

「クロストレック」のパワートレインは、2リッターの水平対向エンジンに「リニアトロニック」CVT、そしてモーターを組み合わせる「e-BOXER」と呼ぶハイブリッドです。エンジン最高出力107kW(145馬力)・最大トルク188Nmに、10kW(13.6馬力)・65Nmのモーターが加わります。燃費性能は、FFモデルで16.4km/l(WLTCモード)、4WDで15.8㎞/l(WLTCモード)となります。

「カローラクロス」のパワートレインは2種類。1.8リッターのガソリン・エンジンと、1.8リッターのハイブリッド。ガソリン・エンジンはFFモデルのみで、ハイブリッドはFFモデルと後輪をモーター駆動するE-Fourの4WDモデルが用意されています。ガソリン・エンジンの最高出力は103kW(140馬力)・最大トルク170Nm、燃費はFFモデルで14.4㎞/l(WLTCモード)。ハイブリッドはシステム最高出力がFFモデルも4WDも90kW(122馬力)。燃費性能はFFモデルが26.2㎞/l(WLTCモード)、4WDモデルが24.2km/l(WLTCモード)になります。
「CX-30」のパワートレインは3種類。2リッターのマイルドハイブリッドのガソリン・エンジンと、1.8リッターのディーゼル、そして2リッターのマイルドハイブリッドのスカイアクティブXエンジンです。

2リッターのマイルドハイブリッドのガソリン・エンジンは最高出力115kW(156馬力)・最大トルク199Nmに5.1kW(6.9馬力)・49Nmのモーターが追加されます。燃費性能はFFモデルで最高17.3km/l(WLTCモード)、4WDで16.6km/l(WLTCモード)。

1.8リッターのディーゼル・エンジンの性能は最高出力95kW(130馬力)・最大トルク270Nmで、燃費性能はFFモデルが19.5km/l(WLTCモード)、4WDモデルが18.7km/l(WLTCモード)となります。スカイアクティブXエンジンは、最高出力が140kW(190馬力)・最大トルク240Nmに4.8kW(6.5馬力)・61Nmのモーターアシストがあり、燃費はFFモデルで18.5㎞/l(WLTCモード)、4WDモデルで17.8km/l(WLTCモード)を実現します。

また、ディーゼル以外の2つのパワートレインには、6速ATだけでなく、6速MTが用意されているのも他にない特徴となります。

ユーティリティの違い

3モデルで、最も背が高いのが「カローラクロス」です。室内寸法は1800×1505×1260mmで、荷室容量は487リッターでクラストップレベルとなります。

それに対して「クロストレック」の室内寸法は1930×1505×1200mm。荷室容量は315リッター。ラゲッジ床下にハイブリッド用のバッテリーを搭載するため床が浅くなっているのが容量の少ない理由です。

そして、「CX-30」は室内寸法1830×1490×1210mmで、荷室容量は430リッター。ハイブリッド用の大きなバッテリーを搭載しないのが、荷室容量の余裕に繋がっているのでしょう。
「クロストレック」「カローラクロス」「CX-30」の3台を見比べると、それぞれの特徴が見えてきます。「クロストレック」は、4WD性能などの走りが期待できます。「カローラクロス」は、エンジン車モデルの価格の手ごろさ、ハイブリッドの燃費の良さ、荷室の広さが魅力。そして「CX-30」は、パワフルなパワートレインとMTを用意しているのが他にない部分となります。
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