昔はなぜハンドルを替えたのか?今、替えなくなった理由とは?

純正装着のステアリングホイールを社外品に交換する…。以前は手軽に行なえるカスタマイズでしたがここ最近あまり見かけなくなりました。その理由とはどこにあって、それでも交換する目的とはどこにあるのか、このあたりに注目してみます。

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一番の目的は小径化?
じつは、ステアリングホイール自体の重さも重要です
やはりというか、障害はコレ!「エアバッグ」
それでも替える!ならばここにご注意を。

一番の目的は小径化?

特別仕様車 マジェスタ “Fバージョン・J-FRONTIER”

純正装着のステアリングホイールは、誰にとっても操作のしやすいサイズや形状の「平均的」な基準でデザイン、設計されていることが多いです。大量生産が前提の現代の多くの自動車には当然のことと言えるかもしれません。

しかし、ステアリングホイールは運転中、常に手に触れている部分であり、ドライバーにとってそのグリップ感や操作感、また小径化することでクイックなクルマの側の反応が得られるという点において、ステアリングホイール交換というカスタマイズが行われてきました。

何より自分の気に入ったデザインの格好いいものを取り付けたほうが、断然気分は盛り上がりますよね。ステアリングを変えることで運転に対する積極度も高まるかもしれません。また、しっくりと手になじむ本革巻き、あるいは丁寧なニスで仕上げた美しい木目が特徴のウッドステアリング、あるいは中には鎖の形状をしたものまで様々。

概ね純正ステアリングホイールよりも径が小さいものが市販されていることが多いです。

じつは、ステアリングホイール自体の重さも重要です

ちょっと思い出していただきたいのが、「軽量アルミホイール」のこと。動力機構の終端部とも言えるタイヤとホイール、この部品の重量が軽くなることで得られるメリットとは、加速、減速性能や、バネ下荷重軽減による乗り心地やハンドリングの向上など多岐にわたるものです。

ステアリングホイールにもそれと同じ考え方を持っていただくとわかりやすいですね。

ステアリングホイールはステアリング機構の「終端部」に位置しています。そのためじつは、ステアリングホイールそのものの重量、あるいは質量がステアリングの「操作感」、あるいは「フィーリング」において大きな意味を持ってきます。

重たいものがついているとそれだけで操作に要する力が重くなる、ま、それは今はパワーステアリングが補っていてあまり感じられませんが、しかしどうしても「ダルい」、「歯切れの悪い」印象となってしまいがちです。

ある意味重たくすることでステアリングホイールそのものの動きを鈍くして、足廻りからのキックバックを抑制しようという考え方もあるのですが、しかしそれではステアリングに伝わって欲しい「路面情報」を大きく損なうことにもなります。特にスポーティーカーにおいて。

そこで、やはりというべきか、軽量な社外品の出番、というわけですよね。

やはりというか、障害はコレ!「エアバッグ」

エアバッグ

エアバッグの普及により、ステアリングホイールの交換は一般的ではなくなりました。「命には代えられない」と思う方もいらっしゃるでしょうし、「そもそも簡単な作業で交換できなくなった」という面もあるでしょう。

エアバッグが仕込まれているだけに、エアバッグステアリングはかなりの重量物です。場合によっては無しの社外品の二倍以上ということも。

しかし、ここはそれ、メーカーはステアリング系統の剛性を十全に高め、またパワーステアリングのアシスト量でうまく調整することで、エアバッグステアリングの本体の重さをあまり感じさせないチューニングを施せるようになってきました。

また、最近ではエアバッグステアリング自体の軽量化や、軽量素材の積極採用で、以前ほどにハンデを感じることは少なくなったかもしれません。

それゆえに以前ほどステアリングホイールの交換を行わなくなった、という見方が出来てくると思います。

それでも替える!ならばここにご注意を。

個人的には、気に入らなければステアリングホイールを替えます。エアバッグ車用のステアリングボス(交換用のアタッチメント)も販売されており、ほとんどのクルマで社外ステアリングへの変更は可能だと思っていいでしょう。
しかし以下の点に注意が必要です。

・保険会社への連絡
今の自動車保険はエアバッグ装着が前提となっている場合がほとんどです。これは保険会社へ報告しなければなりません。変更届として手数料が数百円程度徴収されるかと思いますが、これは手続きしておいたほうが無難です。

・車検時
注意すべきはホーンボタンのマークの有無です。これがないと車検に通りません。でも、小さな紙にマジックでラッパのマークを描いてテープで貼り付けるのでもオーケー。車検通過します。外径に関しては以前はかなり厳しかったようですが現在は350パイ以下でも通過するようです。このあたり、以前から陸運支局ごとの独自解釈も存在するので、お近くの陸運支局などに確認した方が良いかもしれませんね。

・パワステとの相性
パワーステアリングは、タイヤからのキックバックや、先程も書きましたステアリングホイール本体の重さや外径などを勘案して、細かなチューニングを施してある代物です。故に、じつはステアリングホイールを交換しただけでバランスを大きく崩してしまう、もっというと、むしろ改悪になってしまう可能性もあると認識していただいたほうがいいかもしれません。

・エアバッグステアリング取り外し時の作業
これは単純に、エアバッグステアリングを外す時にエアバッグの暴発を防ぐ注意が必要だということです。ゆえに、個人的にはショップに任せてしまいます。ある程度ノウハウも必要ですし、怪我の元になってしまいます。

以前ほど手軽なカスタマイズではなくなってしまいましたが、それでもやはりスポーツ派、ドレスアップ派、問わずステアリングホイールを好みのものに交換することは楽しみの一つだと思います。

エアバッグの登場でこうした楽しみが奪われたことに対する不満の対処として、メーカー純正で社外ブランドと共同開発したエアバッグステアリングというのも増えてきましたよね。ディーラーオプションでそうしたものを選択し、エアバッグのメリットと社外ステアリングのメリットの両方を享受するというのもひとつの手だと思います。

エアバッグがなくなる、そんなリスクはありますが、常に触れている、視界に入っているステアリングホイールを好きなものにすることで、愛車に対する愛着も深まり、ドライブが一層楽しいものになるのではないでしょうか。