海外では人気のホットハッチ!なぜ国内は下火になったのか?

ホンダ シビック タイプR FN2

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日本でもかつてはホットハッチが幅をきかせていた時代がありました。

運転好きの若者にとって、求め安い価格と実生活にマッチしたユーティリティ、そして楽しい走り。

しかしそれも昨今国内ではやや下火となっているようです。

ヨーロッパなどでは各社それぞれにホットハッチ、スポーツハッチが存在するのに国内ではなぜ?

今回はそのあたりに注目してみたいと思います。

※ 2015年7月時点
Chapter
人の目を気にしすぎ?
大きいほうが快適?
本場ヨーロッパのホットハッチは一味違う?
けっして無いわけではない和製ホットハッチ

人の目を気にしすぎ?

たとえば、「どんなクルマに乗っているとモテるのか?」というアンケートや記事があります。

大抵その結果というのはエコカーやミニバン、あるいは高級外車が上位に来ていて、つまりホットハッチやスポーツモデルのようなクルマじゃないと女の子に好かれない、という心理が今の若い男性にはあるのかもしれないですよね。

今の若い男性は昔に比べると親和的でコミュニケーション力があり、女性ともうまく心を同調させながら人間関係を築いていくという傾向にあるという分析があります。
そこに。

たとえばタイプRのようなストイックに走りを追及するモデルというのは、ちょっと場違いな感じがしなくもない・・・。乗り心地も悪いし音もガンガン入ってくる・・・景色を楽しみながら快適なドライブ、という雰囲気ではなくなってしまいますよね。トバすと「危ないから」とか言われてしまう。

スポーツカーやホットハッチはやっぱりドライバーズカーでドライバー自身が楽しむためのものだから、「空気を読む」のがうまい今の若者には敬遠する傾向があるのかも?

大きいほうが快適?

たしかに大きいクルマの方が相対的に快適です。これ、女性の声としては昔から同じ傾向が強くあります。

たとえばアルファードのようなクルマなら、広くて快適な室内、見晴らしの良い視界、それにミニバンでありながら過剰に所帯じみたところもなくて、むしろハクがつくようなところもあると。

それとやっぱり一台のクルマにたくさん乗れたほうが合理的という考えは誰しも持つものですから、ミニバンという選択肢があるなら積極的にこちらを選んでしまうというのも仕方がない面もあるでしょう。若者に限らず、家族持ちならなおのこと。駐車場に余裕があって、しかもお金にも余裕がある人なら、ミニバンの隣に自分用にホットハッチが一台ある、なんていうのも理想的なカーライフかもしれませんが、それ、実現できる人どれだけいるのか、という話でもあったりして・・・。

となると無条件でミニバン(もしくは快適な乗用車)が選ばれるのもしかたがない面はあります。

本場ヨーロッパのホットハッチは一味違う?

たとえばこのプジョー208GTi。乗ってみるとけっこう「フツウ」です。

たしかにスポーティなエンジン、足廻り、シートなど、揃ってはいるのですが、では何と比べると「ふつう」なのかというと、たとえばホンダのタイプRと比べたらずっと「ふつう」なんですね。

それはでも「楽しくない」という意味では全然ないんです。むしろ十分に楽しい。

タイプRなどは、たしかに各部妥協なしに磨き上げて素晴らしい走りを実現しているけれど、そのかわりに乗り心地がハードすぎたり、音や振動も我慢を強いられたりする面が少なからずあるわけです。常に気が立っているような感じ。

そこへいくと208GTiなどは、ちょっとだけ硬め、ちょっとだけ速い、ちょっとだけ音が太い・・・実用域ではごく普通におとなしく使えるものでありながら、実はトバしても存分に楽しめるという代物になっていて、このあたりの設えの違いははっきり感じるところです。

快適な乗用車でありながら、同時にホットな走りも出来る。この二面性、懐の深さ、あるいは大人っぽさが欧州のホットハッチの魅力だったりします。

考えてみれば当然のことで、街中や、たとえばデート中は快適におとなしく走れたほうがいい。だけど、一人で峠を攻めるときにも十全に応えられるという、走りの「TPO」というものはあるわけですよね。

要は「分別」というものがちゃんとある。昔のシビックで言うなら「SiR」の感覚に近いです。

けっして無いわけではない和製ホットハッチ

で、じつはこのスイスポ。その走りはすごくバランスがいいです。

マニュアルで乗ってもエンジンは柔軟性があるからおとなしく上品に走ることはまったく難しくないし、なんなら音も静かで乗り心地もそんなに硬すぎない。ヨーロッパ製のホットハッチのように「ふつう」に使えます。

それでいてエンジンは、回せばとてもシャープで軽快な反応をしてくれますから、「一人遊び」の時も十分に応えてくれるだけのものがありますよね。TPOというものがちゃんとあるわけです。

そのあたり、スズキは確実にヨーロッパのライバルを視野に入れてこのクルマを作ったことが、乗り比べるとわかるはずです。
今回はスペースの都合で割愛しますが、この他にもノートニスモやマーチニスモ、トヨタならヴィッツRSなどの存在も忘れるわけにはいかないですよね。ニスモが手がけたスポーツモデル、最近走りに目覚めつつあるトヨタの味付け、ともに気になるところです。

こうして見ると、「下火」でこそあるものの、モデル数が激減しているかというとそういうわけでもなく、選択肢はないわけではない、でもみんな選ばない、という状況のようです。

ホットハッチだからといって常に競争するように全開走行しなければいけないわけではない、スポーツモデルというだけで「速く走らなければならない」という脅迫概念があるような気がします。そしてそういう走り方は「空気を読めてない」と、確実に女性から嫌われますよね。

本来なら、マニュアルシフトでもスムーズにまるでオートマのように快適に走らせてみせるのも「ワザ」のうち。こういうクルマは快適じゃないとか色々言ってくるお嬢さん方をあなたの卓越した上品ドライブで唸らせてみるのも一興かもしれませんよ。
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