タクシーの燃料はガソリンじゃないって知ってた?「LPG」って一体なに?

タクシー

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街を走るタクシーの多くは、ガソリンや軽油ではなく、LPガス(LPG)を燃料としています。

一般的な車ではまず採用されることのないLPGですが、なぜタクシーには採用されているのでしょうか?

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道
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コスパも良くエコなLPG!弱点はある?

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国土交通省の調査によると、2020年時点で全国には18万1900台の法人タクシーと、3万1150台の個人タクシーが存在しているようです。法人タクシーのベースとなることが多いトヨタ クラウン・コンフォートやJPN TAXIは、一般的な車と異なりLPGを燃料としています。

LPGとは「液化石油ガス」を指し、気体燃料であるプロパンやブタンなどを液化したものです。家庭用としても用いられることが多く、混合比率などに多少の差はあるものの、いわゆる「プロパンガス」と基本的には同じものです。

このように、LPG自体は身近な燃料と言えますが、車の燃料として使用されることは、タクシーを除いてほとんどありません。では、なぜタクシーはLPGを採用しているのでしょうか?
最も大きな理由は、ガソリンやディーゼルに比べてコストが安い点です。上述のように、LPGは家庭用燃料としても利用されていることから、より生活必需度が高い品であるとして、ガソリンよりも税率が安く設定されています。そのため、レギュラーガソリンに比べておおよそ60%程度の価格となっています。

また、ガソリンやディーゼルに比べてCO2の排出量も少ないとされており、環境性能が高いという点でもメリットがあります。

一方、LPGタンクはかなりの大きさとなり、タクシーの場合もトランクスペースのかなりの部分を使用しています。また、LPGを充填可能なスタンド自体の数も少なく、そういった意味では、一般的な車がLPGを燃料とすることのメリットはあまり多くありません。

ただ、タクシーは走行エリアや走行距離が限られていることや、大量の荷物をトランクに積む機会もそれほど多くないことから、LPGのデメリットよりも、メリットのほうが大きいため、現在でも多くのタクシーがLPGを採用しているようです。
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