スズキ キザシはほぼ覆面パトカー?

スズキ キザシ

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キザシは、スズキが過去に製造・販売を手がけていたモデルです。

現在では非常に珍しい車となっているだけでなく、そのほとんどが覆面パトカーになったといわれています。

スズキが初めて造ったセダンであるキザシとは、一体どのような車なのでしょうか。

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道
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キザシはスズキがセダンに踏み込んだ意欲作

キザシはスズキがセダンに踏み込んだ意欲作

キザシの名前が初めて登場したのは、2007年9月に開催されたフランクフルトモーターショーでした。

このモーターショーにスズキはコンセプト・キザシを出展し、続く同年10月には東京モーターショーにコンセプト・キザシ2を出展します。

さらにその翌年、2008年に開催されたニューヨークモーターショーにて、コンセプト・キザシ3を出展し、スズキの世界市場を見据えた戦略を世に知らしめることとなりました。

そして、2009年の10月開催となった東京モーターショーにて、市販車となったキザシを発表し、同日より販売が開始されます。
車名となっているキザシとは、スズキが新しい車作りに挑戦する兆し(きざし)に由来します。小型車の開発を得意としているスズキが、初めて上級セダンカテゴリーとなるDセグメント市場に切り込んだ証でもあったのです。

スズキラインナップのフラッグシップとして、エスクード譲りの2.4Lエンジンに加え、さまざまな快適装備を搭載し、キザシは日本国内のみならず北米や欧州、中国といった巨大市場へ投入されていきました。
しかし、販売台数に伸び悩み、結果としてデビューから6年後の2015年末には製造・販売を終了することになります。

さらに、販売された車両の多くが警察へ導入されたといわれており、今となってはキザシは高確率で覆面パトカーであると言われているのです。

スズキの世界戦略のため、新しいフラッグシップとして生まれたキザシですが、現在希少車と呼べるほど姿を見なくなっているのが現状でしょう。
モデルチェンジもされず1代限りで姿を消したキザシは、新しいものを造るという姿勢が功を奏さなかった結果ともいえるかもしれません。

いずれにせよ、キザシのようなモデルで培ったノウハウや挑戦の姿勢が、ジムニーやスペーシア、スイフトといった人気モデルを生み出し続けている今のスズキの原動力となっているのではないでしょうか。

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