テストカーはなぜシマシマ模様でカモフラージュされているのか

トヨタ スープラ

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街中を走っていて、通常のボディカラーとは思えない模様の車を見かけたことはないでしょうか。

ボディ全体を覆い隠しているあの模様には、メーカー側の思惑が隠されているのです。

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道
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テストカーの模様は新型車のボディデザインを隠している

テストカーの模様は新型車のボディデザインを隠している

ボディ全体に渦巻や縞模様が描かれているのは、デジタルカモフラージュモザイク唐草模様と呼ばれるものです。

これは、模様によって車のボディラインやデザインといったプロポーションを誤魔化すために用いられます。

新型車は販売前にテストコースを走らせたり、実際に路上を走ってみるなど、走行試験を行う場合があります。

その際、ボディデザインが分かる状態では撮影された写真がSNSなどで拡散され、車の売れ行きを左右してしまう可能性が出てきてしまいます。

同時に、他のメーカーに対して自社のデザインの方向性やトレンドを隠すために用いられる場合もあります。

メーカーは、それらの対策としてボディのカモフラージュを行い、ボディの造形が捉えられないようにしてテストを行っているのです。

また、既に大きな注目を浴びているような新型車は、あえて目立つカモフラージュを施すこともあります。
このような手法をとったのは、トヨタ スープラが記憶に新しいでしょう。

スープラは、2018年に開催されたグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードのサーキット会場を、カモフラージュに「A90」という新型の型式番号まで入れて走行しました。

様々なカモフラージュの中には、カメラのオートフォーカスを無効にし、ピンボケした写真しか撮影できなくしてしまうような柄もあるようです。

街中でカモフラージュを纏った車を見かけたときは、その車がどんな車なのか、カモフラージュにはどんな意味があるのか考えながら見てみると、違った発見があるかもしれません。

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