トヨタ GRヤリスのシートアレンジを詳しく紹介!スポーツカーらしからぬ使い勝手!(4BA-GXPA16/5BA-MXPA12型)

トヨタ GRヤリス

2020年にトヨタ自動車から販売開始された3ドアハッチバッククーペのスポーツカー、トヨタ GRヤリス(4BA-GXPA16/5BA-MXPA12型)。

トヨタとしても数十年ぶりの1.5L 前後の3ドアハッチバッククーペという存在で、人気は発売前から高く、発売開始後の現在でも高い人気を誇っています。

スポーツカーゆえに走行性能中心でほかの機能には期待されていない面もあるかもしれませんが、GRヤリスにはシートアレンジが素晴らしいという特徴があるのです。

そこで今回は、GRヤリスのシートアレンジの詳細と、昨今人気の車中泊が可能なのかについて詳しく解説します。

Chapter
トヨタ GRヤリスとはどんなクルマ?
トヨタ GRヤリスのシートアレンジは実用性抜群!
トヨタ GRヤリスのシートアレンジ後にはどんな荷物を載せることができるのか?
トヨタ GRヤリスがシートアレンジをしたほうがいい理由は?
トヨタ GRヤリスのシートアレンジで車中泊はできる?

トヨタ GRヤリスとはどんなクルマ?

GRヤリスは、2020年9月に「FIA世界ラリー選手権」で勝つために生み出されたトヨタ製のスポーツカーです。

よくハッチバックのヤリスの最上位グレードと紹介されますが、メカニズムに大きく手が加えられており、まったくの別物に仕上がっています。

トヨタ側もメカニズムやコンセプトの違いから別車種としてラインアップに加えており、共通点はそれなりにあるものの異なるクルマと考えた方が良いでしょう。

グレードは3種類存在し、エントリーモデルの「RS」と中間・上位グレードの「RZ」「RC」では一部の仕様が異なっています。

まず「RS」は排気量1,490ccの直列3気筒エンジンで、駆動方式はFF(前輪駆動)。乗り味としてはノーマルのヤリスに近く、出力とトルクはそれぞれ120PS/145Nmと控えめになっています。

一方の「RZ」「RC」は排気量が1,618ccにアップしており、エンジンにはインタークーラーターボが搭載されました。

駆動方式も4WD(4輪駆動)であり、出力とトルクは「RS」の2倍以上となる272PS/370Nmと脅威のパワーを誇っています。

「RZ」と「RC」での違いは主に装備面での話であり、走行性能に差はありません。

開発にはプロドライバーがメインで参加するなど、モータースポーツで勝つための努力を惜しむことなく生まれた1台です。

また、スポーツカーにしては珍しく、排出ガス基準にも高い水準でクリアしていることから、日本だけではなく海外からも注目を浴びました。

モータースポーツ「ST-2クラス」では2021年まで活躍しましたが、残念ながら2021年8月現在は勇退しています。

トヨタ GRヤリスのシートアレンジは実用性抜群!

GRヤリスは3ドアなので、リアシート(後席)に人が乗るのにはあまり適していません。

フロントシート(前席)をスライドさせることで乗ることはできますが、決して乗りやすいわけではなく、リアシートに座ってみても窮屈さを感じる方もいるでしょう。

足回りに狭さを感じることはほとんどないでしょうが、空力の関係でノーマルのヤリスよりも全高が低くなったことで天井も低くなり、圧迫感があるのは間違いありません。


しかし、シートアレンジをしてしまえばその実用性は格段に良くなります。

GRヤリスのリアシートは6:4の独立可倒式で、必要に応じてシートアレンジの空間を作り変えることができるのです。

奥行きがあるとはいえもともとの荷室(ラゲッジルーム)容量が174L と狭く、使い勝手が悪いと感じている方もいるかもしれませんが、シートアレンジを使いこなせば、最大737L の巨大容量を獲得することが可能。

700L を超える容量はSUVの標準的な荷室よりも広く、使い勝手が抜群に良くなることは言うまでもないでしょう。

車高の関係であまり背の高い荷物は積めないものの、横倒しにできるものであれば大体の荷物は載せることができます。

また、シートアレンジをすると床面がフラットになるため積み下ろしがしやすいのも大きなメリット。実は、ノーマルのヤリスはシートアレンジをしても床面がフラットにはなりません。

ヤリスの最上位グレードである「Z」では「アジャスタブルデッキボード」がついているためフルフラットにはできますが、エントリーモデルから手間なくフルフラットにできるのはGRヤリスの魅力といえるでしょう。

積載量ではノーマルのヤリスに軍配が上がりますが、スポーツカーにしては高い積載能力を持っていることは間違いありません。

トヨタ GRヤリスのシートアレンジ後にはどんな荷物を載せることができるのか?

GRヤリスのシートアレンジは、抜群に機能性が高いことがわかりました。

しかし気になるのは、一体どんなものが載せられるのかでしょう。

まず、GRヤリスにスーツケースを載せる場合、92L 以下のものであればシートアレンジは必要ありません。

奥行きがそれなりにあり、かつ横幅もあるので横向きにすれば十分載せられるだけのスペースを有しているからです。

92L 以上の大きなスーツケースであればシートアレンジは必須ですが、小さいとはいえ十分な収納性能が荷室だけであることを覚えておくと良いでしょう。

シートアレンジ後に載せられるものとしてよく引き合いに出されるゴルフバックの場合、運転席側のリアシートをアレンジしただけで2本載せることができます。

助手席側を倒すことで3本目も載せられますが、少し窮屈なので2本で載せるのが妥当です。

ゴルフバッグを2本まで載せてもスペースに余裕はあるので、シューズボックスやスポーツバックも一緒に載せることができるのも嬉しいポイント。

フロントシートが2人掛けなので、2人で待ち合わせてゴルフに行くときなどには十分活躍してくれるでしょう。

非常に広いスペースのGRヤリスのシートアレンジ後の空間ですが、ロードバイクやスキー板の積載は少し難しいかもしれません。

奥行きが1,350mmしかなくスキー板には不向きなことに加え、高さも最大で570mmしかないので、ロードバイクも載せることはできないと考えた方が良いでしょう。

大きな収納スペースを確保できるといっても、GRヤリスはあくまでもスポーツカーがコンセプトのクルマであることを忘れてはいけません。

トヨタ GRヤリスがシートアレンジをしたほうがいい理由は?

もしGRヤリスのリアシートに人を乗せる予定がないのであれば、最初からシートアレンジを行っておいた方が良いでしょう。

なぜなら、使用するたびにわざわざシートアレンジをするよりも、最初から使い勝手のいい状態にしておくことで手間取ることなくクルマの準備ができるからです。

もちろん人によりますが、リアシートを使う頻度が低ければ低いほど、シートアレンジをしておいた方がいいといえます。

GRヤリスのコンセプトはスポーツカーなので、家族で乗ることを想定して購入する方はあまりいないかもしれません。

いたとしてもお子さんがいなかったり、大きくなって独立していたりなど、3人以上で頻繁に乗ることがないオーナーがほとんどでしょう。

そのため、リアシートそのものが不必要とするオーナーもいます。

また、GRヤリスのリアシートはリアドアがないため、リアゲート以外で荷物を載せるにはフロントドアから載せる必要があります。

当然積み下ろしは楽ではないため、最初からリアシートをアレンジしておき、リアゲート1ヶ所から荷物を載せるようにした方が効率的といえるのです。

普段の使い方・乗せる人数で変わってはくるでしょうが、特に人を乗せる予定がないのであれば、はじめからシートアレンジをした状態にしておくのがおすすめといえます。

トヨタ GRヤリスのシートアレンジで車中泊はできる?

GRヤリスのシートアレンジが非常に便利なのはわかりましたが、これだけ機能性抜群だと気になるのは、昨今人気の車中泊ができるかどうか。

GRヤリスのコンセプトとしては車中泊などで活躍するクルマとしてはできていないものの、フラットシートなので、「車中泊できるのではないか」と思っている方もいるのではないでしょうか。

しかし、GRヤリスでの車中泊はおすすめできるものではないかもしれません。よほどの緊急時を除いて車中泊はしない方が良いでしょうが、まったくできないわけでもないのです。

GRヤリスのシートアレンジ後の空間は737L と大容量ですが、奥行きが1,350mm程度しかなく、人が横になるにはかなり窮屈。

フロントシートは倒すことができないため、スライドをさせたとしてもせいぜい1,450mmが限界というところであり、小柄な女性であっても身をかがめないと寝られないのは言うまでもないでしょう。

加えて荷室の高さは低く、窮屈な印象は避けられません。ただ、車中泊がまったくできないわけではなく、緊急時などに備えて簡易のマットレスや寝袋を詰んでおき、身をかがめれば寝られないことはないでしょう。

GRヤリスの機能性の高いシートアレンジは非常に魅力的で、ノーマルのヤリスに劣ってしまうとはいえ、十分な積載能力を作り出すことができるのがわかりました。

車中泊には向かないものの、さまざまな使い方ができる魅力的な1台なのです。

広い空間が作り出せるシートアレンジに注目しながら、GRヤリスを購入の検討候補に入れてみると良いのではないでしょうか。

※2021年8月現在

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道