トヨタ GRヤリスの荷室の使い勝手は如何に?スポーツカーらしからぬ秘められた機能を紹介!(4BA-GXPA16/5BA-MXPA12型)

トヨタ GRヤリス

2020年に発売されたばかりのトヨタ GRヤリス(4BA-GXPA16/5BA-MXPA12型)は、ヤリスをベースに作られたスポーツカーです。

ノーマルのヤリスとは名前こそ同じですが、まったく違ったテイストに仕上がっており、また違ったスポーツモデルとしての人気があるクルマでもあります。

それでいて使い勝手の良さはノーマルヤリス譲りの側面を持っており、荷室(ラゲッジルーム)の使い勝手も引き継いでいるのです。

そこで今回は、GRヤリスの荷室の使い勝手や有効な使い方について詳しく見ていきましょう。

Chapter
トヨタ GRヤリスとはどんなクルマなの?
トヨタ GRヤリスの荷室の容量は?
トヨタ GRヤリスの荷室をさらに拡大できるリアシートの機能とは?
トヨタ GRヤリスの荷室拡大後にはどんな荷物を積載できるのか?
トヨタ GRヤリスとノーマルのヤリスの荷室の違いは?

トヨタ GRヤリスとはどんなクルマなの?

2020年9月に発売されたGRヤリスは、トヨタ自動車のGRの名を持つ2台目のクルマです。

GRスープラと並ぶスポーツ仕様にアレンジされたクルマで、製造はトヨタのレーシングカー部門である「GAZOO Racing カンパニー」(以下、GR社)。
BMWとの共同開発で誕生したGRスープラに対して、GR社単独での製造販売に成功したのがGRヤリスでもあります。

GR社単独開発のクルマとしては、2007年で製造を中止したMR-S以来13年ぶりなのです。

車名に「ヤリス」とついてはいるものの、ノーマルヤリスとは異なるクルマとして、トヨタ自動車のホームページにはラインアップされています。

一部共通している部分はあるものの、ハッチバックとスポーツカーという性質の違いから別のクルマとして設計されているため、扱いが異なっているのです。

そもそもGRヤリス誕生の背景には、2017年にトヨタ自動車が「FIA世界ラリー選手権」に復帰した際に出場できる車両がなく、当時3代目であったヤリスをベースに製造をはじめたことがきっかけ。

テストドライブにはスポーツドライバーが採用されたほか、トヨタ自動車社長の豊田章男氏が広告動画に登場するなど、力を入れて販売を後押しました。

結果として発売直後から人気は高く、2021年3月にはイギリスで「カー・オブ・ザ・イヤー2021」と「ベスト・パフォーマンス・カー2021」を受賞し、世界的にも評価される1台になったのです。

トヨタ GRヤリスの荷室の容量は?

GRヤリスの荷室は、通常の状態では決して広いとはいえません。

リアシート(後席)を立てたままの荷室の容量は174L と、スポーツカーとしては普通ですが、それ以外のクルマと比較するとかなり小さい部類に入ります。
奥行きが574mmあるため荷物を載せることができないわけではありませんが、それでも普段使いでは買い物の荷物を乗せるのが限界でしょう。

ベビーカーもバギータイプのものでなければ載せることはできますが、少々乗せづらさを感じる方もいるかもしれません。

床下から天井までの高さは最大でも570mm程度なので、縦向きに荷物を載せる場合やあまり背の高い荷物を載せることに関してはやや不利な面があります。

そもそもGRヤリスの車高が低いため、背の高い荷物を積み込む場合は横倒しにできるものに限定されるでしょう。

また、リアゲート部分で最も背が低い場所は430mmしかないため、ペットボトル6本用ダンボール(270mm×220mm×310mm)も横並びであれば3箱載せられますが、奥から詰めると2箱程度しか載せられません。

普段使いで困ることはないでしょうが、汎用性が高いかと言われると疑問が残る方もいるでしょう。

GRヤリスの荷室にはラゲッジアンダーボックスがついているため、小物収納もできます。
しかしあくまでも小物収納のスペースなので大きな荷物には使うことができないのです。

加えて、バッテリーなどが搭載されているためそれほど多くのものは載せられない点にだけ注意が必要です。

ラゲッジアンダーボックスは車載工具や補助的な道具、スノーチェーンなどなら十分積み込めますが、実用性という面では少し物足りないといえます。

トヨタ GRヤリスの荷室をさらに拡大できるリアシートの機能とは?

GRヤリスの荷室は通常の状態では決して広いとはいえないと紹介しましたが、GRヤリスのベースになったのは、トヨタでも人気が高く車載性能には定評のあるハッチバックのヤリスです。

ヤリスもスポーツカーではあるものの、ベースとなったヤリスの要素をしっかりと引き継いでいます。

GRヤリスの荷室の真髄は、リアシートを倒してアレンジした時に発揮されます。リアシートはリクライニング機能もスライド機能もなく、リアドアもないので乗りにくさを感じる方もいるかもしれません。

もしリアシートに人を載せることがないのであれば、倒したままにして荷室を拡張しておくのがおすすめです。

リアシートを倒して誕生する容量は737L と非常に大きく、SUVの荷室よりも大きなスペースを生み出すことができるのです。
さらに、作り出した700L 超えのスペースの床面はフラットで、荷物の積み込みが非常に楽というメリットもあります。

フロントシート(前席)を最後端にしていても、ヘッドレストを外すことなく倒すだけでスペースが出来上がり非常に便利なので、GRヤリスの荷室を賢く使うためにはぜひ活用したい機能といえます。

トヨタ GRヤリスの荷室拡大後にはどんな荷物を積載できるのか?

GRヤリスの荷室を拡大した後には737L という大きなスペースを確保できますが、どんなものが載せられるのでしょうか。
具体的にどんなものをいくつ載せられるのか、実際のアイテムを元に説明します。

まず、荷室の大きさを示すのによく使われるゴルフバックは、リアシートをすべて倒し切れば3つ載せることが可能です。
GRヤリスのリアシートは6:4独立可倒式で、必要に応じて倒し分けることができます。

運転席側のリアシートだけを倒してもゴルフバック2つを載せることができるので、搭載する数に合わせてアレンジし分けると良いでしょう。

また、ゴルフバックを3つ載せてもスペースが余るので、シューズケースも載せることができるのです。
よく引き合いに出されるアイテムにはスーツケースもありますが、実は92L サイズのスーツケースならリアシートをアレンジすることなく載せることができるのもポイント。

スーツケースを載せたうえでもまだ横幅に余裕があるため、ビジネスバックを横に載せることができるほどの余裕もあります。
92L 以上のスーツケースでは奥行きの関係でシートアレンジは必須ですが、ゴルフバック2本を載せられるだけの広さなので、積載に困ることはまずないでしょう。

ノーマル状態の荷室とシートアレンジ後の荷室をうまく使い分けて、荷物のサイズに合った荷室を作るのが一番なのです。

トヨタ GRヤリスとノーマルのヤリスの荷室の違いは?

GRヤリスの荷室は、使い方次第で広さを変えられるという利便性を持っていますが、ベースとなったノーマルのヤリスと違いはあるのでしょうか。

実は、ヤリスとGRヤリスには荷室の容量に差があります。リアシートを立てたままの状態ではGRヤリスの荷室容量が174L なのに対して、ノーマルのヤリスは270L あるのです。

理由は、重量配分の関係でGRヤリスの荷室下にバッテリーやインタークーラー用ウォータースプレーがあり、GRヤリスの荷室のほうが少し狭くできているためです。

また、リアシートの位置もノーマルのヤリスよりも後ろについているためGRヤリスの荷室のほうが狭くなってしまいます。
加えて、スライド機構もないためノーマル状態の荷室では大きな差があるといえるでしょう。

さらに、シートアレンジ後の積載量も違います。

ゴルフバックで表すと、ノーマルのヤリスが運転席側リアシートのアレンジだけで3つ載せられるのに対して、GRヤリスは同じ状態でも2本が限界。
その背景には、GRヤリスがスポーツカー仕様であることが関係しているのです。

スポーツカーの場合、空力などの関係で背が低くなることがよくあります。

GRヤリスも例外ではなく、「FIA世界ラリー選手権」で勝つために、ノーマルのヤリスとは異なる工夫が施されました。
結果として全高が低くなり、車載性も落ちてしまったのです。

しかし、ノーマルのヤリスとGRヤリスではそもそも役割が異なるもの。
ハッチバックで実用性を重視するのか、スポーツカーで走りを重視するのか、どちらを重視するのかの違いなので一概に比較はできないでしょう。

ここまで、GRヤリスの荷室の使い勝手を詳しく解説しました。

通常の状態でも使い勝手は悪くないものの、シートアレンジを活用すればさらに機能性が増すことがわかりました。

実用性も走りも求めたい方、ホットハッチが良いという方は、購入を検討してみるのも良いかもしれません。

※2021年8月現在

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道