2代目スズキ ハスラーとライバルをプロが徹底比較! 

スズキ ハスラー Jスタイル ターボ 2020年

近年、軽自動車クラスでは、スーパーハイトワゴン系が新車販売台数上位を占めるなか、初代の発売以来、ベスト10圏内で安定した人気を誇っているのが、軽クロスオーバーのスズキ ハスラー(MR52S/MR92S型)です。いまや軽クロスオーバーSUVとして確固たる地位を築いたハスラーのポジションを脅かす可能性のあるライバル車は、どんなクルマなのでしょうか。

文・写真/萩原 文博

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遅れてきたライバル。ダイハツ タフト
スズキ ハスラーの推しポイントは?
ダイハツ タフトの推しポイントは?

遅れてきたライバル。ダイハツ タフト

ここ数年のクロスオーバー人気は軽自動車でも同様で、スズキ ハスラーの2021年3月の新車販売台数は1万1,147台で、軽自動車の第6位となっています。そのハスラーのライバルとしてピックアップしたのは、同月に7,123台の新車販売を記録したダイハツ タフトです。

販売開始時期は、現行型にあたる2代目ハスラーが2020年1月で、その半年遅れの2020年6月に発売されたタフトには、それぞれどのような長所があるのでしょうか?

まずボディですが、ハスラーはHARTECT(ハーテクト)と呼ばれる新プラットフォームを基礎に、環状骨格構造を形成。スポット溶接部分には、構造用接着材を採用し、ボディ剛性を向上させています。

いっぽうのタフトは、ダイハツの新世代のクルマづくりDNGAを採用したモデルで、スーパハイトワゴンのタントと同じ新プラットフォームに、軽量高剛性ボディ“Dモノコック”を採用し、ボディ剛性を向上させています

搭載するエンジンは両車ともに660ccの直列3気筒自然吸気とターボの2種類。組み合わされるミッションもCVTのみで、駆動方式に、2WD(FF)と4WDを用意しているのも同じです。

ハスラーのポイントは、ISGと呼ばれるモーター機能付き発電機と専用リチウムイオンバッテリーを採用したマイルドハイブリッドを全車に採用していること。結果、燃費はWLTCモードで20.8~25.0km/Lを達成。タフトは19.6~20.5km/Lですから、燃費では大きくハスラーが上回っていることになります。

いまや軽自動車でも必須となった運転支援システムは、どちらもステレオカメラ方式で、ハスラーは衝突被害軽減ブレーキデュアルカメラサポートをはじめ、ターボ車には全車速追従機能付アダプティブクルーズコントロール(ACC)と車線逸脱抑制機能を搭載しています

対するタフトのスマートアシストは、夜間歩行者の検知を可能としたうえ、衝突回避ブレーキの対応速度引き上げを行った進化型。全車速追従機能付きACCはターボ車に標準装備されるとともに、自然吸気のGにもオプション(4万4,000円)で用意しています。これは評価したい部分です。

実際の乗り味は、ボディ剛性アップに注力したハスラーのほうが無駄な動きが少なくスッキリとした印象。エンジンのモーターによるアシストも好印象で、自然吸気エンジンでも発進でもたつくことがありません。

タフトのボディも剛性は向上しているものの、エンジンにモーターアシストがないぶん、スタート時や坂を登るときなどはかなりエンジンが唸るシーンがありました。

スズキ ハスラーの推しポイントは?

ハスラーの良い点は、非常にボディがしっかりと作られていて、走行中無駄な動きが少ないことです。サスペンションセッティングも秀逸で、路面からの衝撃を和らげてくれるので、後席に座る小さいお子さんも快適に移動できるでしょう。

また、リアシートはスライドとリクライニングが可能なことにくわえ、ショルダー部にあるレバーと背面にある紐を引っ張ると左右別々に簡単に倒れます。

ダイハツ タフトの推しポイントは?

タフトは車内に居ながら、開放感を味わえるスカイフィールトップを全グレードで標準装備していること。ボタン操作で、シェードを開けると、太陽の光が車内に届き、タフト独自の開放感を生み出し快適なドライブを楽しむことができます。もちろん紫外線や赤外線を減らすスーパーUV&IRカット機能や開閉できるシェードも付いています。

ただしリアシートは左右一体型で、前に倒すときは金具を外して自分で倒さないとならないなど、ハスラーのほうが細かい造り込みがなされている印象です。

ダイハツは、タフトを投入するまでキャストにアクティバというクロスオーバーモデルを設定していましたが、ハスラーにはおよばす廃止されてしまいました。

このキャスト アクティバに代わって登場したタフトですが、走行性能や燃費性能という面においては、まだまだハスラーに軍配が上がります。ハスラー一強という状況は、まだしばらく続きそうです。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博