スズキ ハスラー(MR52S型)をプロが試乗…良い点、悪い点を徹底解説します!

スズキ ハスラー Jスタイル ターボ 2020年

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車体の基本骨格を初代のワゴンRから、軽スーパーハイトワゴンのスペーシアに変更し、そこに新開発された自然吸気エンジンとパワフルなターボエンジンを搭載した2代目ハスラー。

キープコンセプトのエクステリアの中身は、全車マイルドハイブリッド搭載や、新しい手法を用いたボディ構造など、さまざまな工夫が凝らされています。それぞれの効果をプロが試乗して確認してみました。

文・写真/萩原 文博

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博
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基本骨格の変更で乗り味が大きく進化
ほぼ及第点だからこそ気になる些細なこと

基本骨格の変更で乗り味が大きく進化

2代目となる現行型スズキ ハスラーが一般にお披露目されたのはデビューから約3ヶ月前の2019年東京モーターショーでした。

この年は、日産 デイズ/三菱 eKワゴン、ホンダ N-WGN、ダイハツ タントなど、それまでの軽自動車と比べると、走りや内外装のクオリティ、運転支援システムを含めた安全性の向上など商品力がグンと上がった年でもあり、個人的には新世代の軽自動車元年と思っています。

もちろんハスラーも、期待以上の出来映えで、翌2020年1月に正式発表されました。

今回試乗したのは、2020年11月に設定された特別仕様車J スタイル ターボの4WD車で、車両本体価格は182万3800円です。

早速、走り出してみるとマイルドハイブリッドシステムを搭載したターボエンジンは、加速も非常にスムーズで街なかではまったく不満がありません

また軽自動車の場合、高速での追い越しや合流でもたつくことがありますが、2代目ハスラーはハンドルに設置されたパワーモードボタン(ハイブリッド Xターボとハイブリッド Gターボに装備)を押すと、モーターアシストが働いてスムーズに行えます。

ボディの剛性感も高く、加速や減速時に発生する前後の揺れやカーブを曲がる際の左右の揺れは非常によく抑えられている印象。15インチという軽自動車としては、大きなホイールサイズにもかかわらず、サスペンションの味付けにもこだわり、非常にスッキリとした乗り心地となっています。

これはフロントシートだけでなく、リアシートでも安定感の高い乗り味を実現していて、小さなお子さんも安心して乗せることができるでしょう。
車両の基本骨格は、軽量と高剛性を両立させた新世代プラットフォームHARTECT(ハーテクト)を使った軽スーパーハイトワゴンのスペーシアで、ホイールベースを先代より35mm拡大。環状骨格構造とボディのスポット溶接部にスズキ車として初めて構造用接着剤を採用するなど、ボディ剛性の向上だけでなく、優れた操縦安定性、乗り心地を実現しています。

こもり音や雨音を低減する高減衰マスチックシーラーに、防音材や遮音材の最適配置によって高い静粛性を実現したという室内の騒音は、高速道路を100km/h前後でクルーズしてもそれほど気になりません。

さらに軽自動車でトップレベルの充実度を誇る運転支援システムは、ターボ車に全車速追従機能を備えたアダプティブクルーズコントロール(ACC)と車線逸脱抑制機能を、スズキの軽自動車として初採用。ロングドライブが苦になることもなさそうです。
ちなみに試乗したJ スタイル ターボは、上級グレードのハイブリッドXターボをベースに、エクステリアに専用メッキフロントグリル、アルファベットエンブレム、ルーフレール、スチールシルバーメタリックに塗装されたフロント&リアバンパーガーニッシュなどを採用。

インテリアは、ブラウン&ダークブルーのレザー調&ファブリックシート表皮をはじめ、ブルーイッシュシルバーのインパネ、ドアトリムカラーガーニッシュ、フロアコンソールトレー。そしてフロントドアにはレザー調ドアトリムクロスを装備して質感を向上した仕様となっています。

ほぼ及第点だからこそ気になる些細なこと

非常に良い出来映えの2代目ハスラーですが、パーキングブレーキの作動方法が足踏み式のまま。運転支援システムは充実していますが、うっかりミスを誘発しやすい、足踏みブレーキを採用しているのは減点ポイントです。

また、高速道路での追い越し加速時のエンジンやロードノイズがやや気になりました。
現在販売されている軽自動車のなかでも、軽スーパーハイトワゴン譲りの室内空間とユーティリティの高さを確保しながら、見切りが良く運転しやすいボディに、フラットな乗り心地など、トップレベルの実力を誇っていて、個人的にはもっともオススメな軽自動車の1台です。
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