トヨタ 2代目センチュリーのインパネ周辺の使い勝手はいかに!?実用性にこだわった運転席とは?

2019 センチュリー

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トヨタ 2代目センチュリー(DBA-GZG50/TA-GZG50(改)/TA-GZG50/E-GZG50型)のインパネとその周辺の機能について紹介します。

トヨタ センチュリーは言わずと知れた国産最高級サルーンです。皇室や政府高官の送迎に使われるなど、そのコンセプトにたがわぬ活躍をするクルマであり、高級車の代名詞でもあります。

リアシート(後席)や新車価格のことがよく話題になるセンチュリーですが、インパネ周辺はリアシートなどとはまた違った意味でこだわりぬかれているのです。

今回は、センチュリーのインパネとその周辺の使い勝手を詳しく解説します。

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道
Chapter
トヨタ 2代目センチュリーとはどんなクルマ?
トヨタ 2代目センチュリーの運転席は質感より実用性重視
トヨタ 2代目センチュリー インパネのメーター周辺の機能
トヨタ 2代目センチュリーのインパネ・センターコンソール周辺の機能
トヨタ 2代目センチュリー助手席周辺の機能

トヨタ 2代目センチュリーとはどんなクルマ?

トヨタ センチュリーは1967年に初代が発売されてから54年間、変わることなく高級車の地位に君臨するクルマです。「ショーファー・ドリブン」と呼ばれるクルマで、オーナー自らがハンドルを握るというよりは、お抱え運転手による運転を目的としています。

「ショーファー」はフランス語で「お抱え運転手」を意味しており、前提として専属運転手がいるような上流階級向けに作られた車なのです。

本記事で紹介するのは1997~2017年に製造・販売されていた2代目で、2017年から3代目にバトンを受け継いでいます。コンセプトは変わらず「ショーファー・ドリブン」であり、最高級乗用車です。

センチュリーは発売開始から一貫して受注後の完全手組みの生産方式を採用しているため、完成度も質感もほかのクルマとは比べものにならないほどのクオリティを誇っています。

以前製造したセンチュリーの記録は、すべて「ヒストリーブック」と呼ばれる1冊の記録帳にまとめられており、品質保持に役立てられています。この手組みの生産方式はレクサスにも受け継がれました。

5.0L V型12気筒エンジンを搭載しており、見かけ以上にパワフルなクルマです。国産車唯一のV型12気筒搭載の乗用車ですが、万が一の事態に備えて、半分の6気筒でもクルマが動くようにプログラムが施されています。

大事なゲストを、予定の狂いなく目的地まで運ぶためには必要な配慮と言えるでしょう。質感も機能も徹底的にこだわりぬかれているのが、センチュリーを不動の人気・地位にとどめている理由なのです。

トヨタ 2代目センチュリーの運転席は質感より実用性重視

トヨタ センチュリーの運転席はお抱え運転手が安全かつ快適に要人やゲストを目的地に運ぶための工夫が凝らされています。

オーナー自らがハンドルを握る想定で作られているクルマでないのは、テレビや新聞のいち場面を切り抜いたり、少し調べたりすればすぐわかります。ところが意外なほど運転席に関する情報は出てくることがないのが特徴です。

最近は少しずつ自動車雑誌などで取り上げられるようにもなりましたが、その評価は「マークX以上 クラウン以下」と評されることこあります。

ただしこれは悪い意味で表現されているわけではありません。

センチュリーは「ショーファー・ドリブン」とはいえ、ゲストが快適に過ごせる空間を作り出すことに腐心して生まれたクルマです。リアシートに労力と時間がかけられるのは当然の話ですが、運転席周りをなおざりにしているわけでもありません。むしろ運転席を含むフロントシート(前席)とリアシートではコンセプトが違うと考えるべきでしょう。

運転席および助手席のあるフロントシート周辺は、機能性よりも実用性重視です。これは運転手や秘書が、要人やゲストの希望で次の動作に移りやすくするためにされた配慮です。

快適さももちろん一般大衆向けのクルマより格段に高いものの、それ以上に使い勝手の面で考慮されています。要人やゲストには快適な空間を、運転手や秘書には実用性の高い空間をそれぞれ1台のクルマで提供できているのが、センチュリーというクルマなのです。

トヨタ 2代目センチュリー インパネのメーター周辺の機能

トヨタ センチュリーのメーター周辺の機能について紹介しましょう。ステアリングホイールをはじめとして、1997年のフルモデルチェンジから何度か仕様変更はあったものの大きな変更点はなく、当時から高い性能を誇っていたことがわかります。

実用性も考え抜かれていることから、高いこだわりを感じることができるでしょう。同時に、運転手に必要な機能を十分すぎるほど有していることもわかります。

運転席は運転手が快適に運転できるように、ホールド性の高いシート構造をしています。ドライビングポジションも、シートのスライド機構とリクライニング、上下移動やランバーサポートがすべて電動で調整できます。

要人やゲストを運ぶ大役を担う運転手の負担軽減を考慮した機能で、一般大衆車でも搭載されているものはそうそうありません。

シフト形状は「コラムシフト」と「フロアシフト」の2種類がありますが、どちらも握りやすく操作しやすい形状をしているため、操作しにくいと感じることはないでしょう。

メーターは左右にアナログ式のタコメーターと水温計が付いており、速度は中央のディスプレイに表示されます。ステアリングホイールから見やすい位置に設定されているため、確認しずらさを感じることもないでしょう。

ステアリングホイールは標準仕様で本革巻きという手に馴染みやすいものを採用しています。オプションでステアリングホイールの素材を本木目と呼ばれる木製のものに変更もでき、手の馴染み具合に合わせてどちらかを選択できるようになっているのです。当然、センチュリーらしい高級感も忘れてはいません。

トヨタ 2代目センチュリーのインパネ・センターコンソール周辺の機能

トヨタ センチュリーのインパネとセンターコンソール周辺の機能も、快適さよりも実用性重視で作られています。これは運転席・助手席に共通しており、センチュリーのコンセプトにしっかりと基づいて作られている証拠でもあります。

快適さよりも実用性を重視することで、フロントシートに腰かける人たちの仕事がしやすいようになっているのです。

インパネにはめ込まれたナビは、計器類と水平の位置にあり、視覚の移動が少ないため運転手の負担軽減につながります。同様の仕様は同じ「ショーファー・ドリブン」であるメルセデス・ベンツでも採用されており、運転手のためを思った設計がなされているのです。

搭載されているナビと連動している「G-BOOK」は音声によるナビゲーション操作が可能という、1997年の発売開始当時としては画期的な装備でした。現在でもこの機能を有しているクルマは少ないため、いかに特別な1台として扱われているかがよくわかります。

「G-BOOK」機能はリアシートからも使用可能なので、要人やゲストによる音声操作も可能です。運転手が運転に集中できるようになされた配慮というべきでしょう。

センターコンソールには自動車用電話機が搭載されています。主には助手席の秘書が使うためのアイテムですが、携帯電話が普及する前に発売されていたことを考えると画期的な機能でしょう。

そして最大の特徴は、購入時に照明の光度やオートロック機能などを独自でカスタマイズできることです。2代目センチュリーは新車販売を終了してしまっているため不可能ですが、この仕様は3代目センチュリーにも受け継がれています。

トヨタ 2代目センチュリー助手席周辺の機能

トヨタ センチュリーのフロントシート周辺機能で欠かせないもうひとつの場所が助手席です。主に要人の秘書や通訳が乗車することを目的にしており、設計もそれ相応の使いやすさを重視しています。

センチュリーのフロントシートは運転席と助手席で若干つくりが違います。ドライビングポジションを崩さないようにホールド性の高い形状をしていた運転席のシートに対し、助手席側はすぐにリアシートに振り向けるように肩回りが開放的な形状になっているのです。

リクライニング機能も有しており、リアシートのオーナーに失礼がないような挙動ができるようになっています。構造にやや違いはあるものの、シートそのものの高級感や質感はセンチュリーらしく高いので、助手席だけ座り心地が悪いこともないでしょう。

また、ドアを閉めるときにも音が出ないような工夫がされています。センチュリーは半ドア状態になっても電動でドアを引き込むシステムを採用しているため、閉める際に大きな音を立てる心配もありません。

フロントドアだけではなくリアドア、ラゲッジドアすべてで同じ機構が採用されているため、要人やゲストも不快な思いをしなくて済むでしょう。

センチュリーはクルマ全体にそれぞれ役割を持たせ、それに合わせて形や素材を変えることでどのシートのどの人も快適で満足いく空間を作り出すことに成功しているのです。

20年間愛された2代目センチュリーは、2017年をもって引退しましたが、その思想は3代目センチュリーにもきちんと受け継がれており、今でも各界のリーダーたちに愛され続けるクルマであり続けるのです。
トヨタ センチュリーのインパネ周辺の機能について紹介しました。それぞれにうまく役割を持たせ、それに見合った改良を惜しみなくしているあたりにトヨタのセンチュリーにかける本気度が現れています。

新車価格の関係でなかなか一般に出回っていないクルマではありますが、中古車市場にはそれなりの台数が存在します。

もし興味があれば一度検討してみるといいでしょう。
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