こんな人にセンチュリーに乗って欲しい

「どんな人に乗ってほしいと思いますか?」と、訊かれました。”どんな人にも乗ってほしい”というのが結論です。それで話が終わってしまうのですが、若干理由を付け加えたいと思います。

文/写真・大田中 秀一

Chapter
圧倒的なニッポンのいいもの感を味わって欲しい
クルマ代に250万円払える人ならぜひ
高齢者にというか…セダンは実は万人にいいんじゃないか
ぜったいノーマルで乗って欲しいけど…

圧倒的なニッポンのいいもの感を味わって欲しい

トヨタ センチュリー

究極的にはこの一言です。やはり一言で終わりですが。そこから何をどう感じるのか感じないのかは人それぞれでしょうけれど、きっと感じることはあると思います。

クルマ代に250万円払える人ならぜひ

トヨタ センチュリー

このサイズなので駐車場の制約はありますが、そこがクリアできて、クルマ購入代として250万円かそれ以上を払える人は一度、検討して欲しい。

250万円としたのは、この金額であれば法人ワンオーナーの素性のいい個体が買える可能性があるギリギリのラインだからです。これならこれだけの金額を払った一家に一台のクルマとしても不満が出ない状態のものが手に入れられると思います。

高齢者にというか…セダンは実は万人にいいんじゃないか

トヨタ センチュリー

両親を乗せてみて思ったことです。乗り降りがしやすいと中編に書きましたが、セダンはドアを開けてそのままちょんと座れるし、椅子から立ち上がるようにすっと降りられます。これは日常生活と変わらない動きです。

いくらまだまだ元気なように見える両親でも、こちらの想像以上に体力が落ちてきているらしく、ミニバンやSUVだと乗るときにグリップをつかんで自分を引っ張り上げること、降りるときにシートから車外までの水平距離があることと、高いところから降りるときに足で体重を支えるのがしんどいらしいのです。

トヨタ センチュリー

乗り降りに補助が必要な場合でも介助者が楽なんじゃないかと想像します。この点において親孝行なセダンとしてもいい。今はミニバンやSUVが好まれていますが、このまま高齢化が進んだらセダンの方が使いやすいと気づく人が増えてくるんじゃないでしょうか。いや、もしかしたら今でも実はそうなんじゃないかなと。

トヨタ センチュリー

センチュリーは特に、車内はたっぷり広く後席からフロントウインドウまでの距離が長いこと、グラスエリアが広いこともあり、助手席ヘッドレストを倒せばかなり見晴らしはいいし、広々感は実はミニバンよりあると思います。だから、小型でもセンチュリーのような後席を再現したようなセダンを作れば売れるんじゃないかと思います。余談ですが。

ぜったいノーマルで乗って欲しいけど…

トヨタ センチュリー

センチュリーの良さを味わうには、私が言っていることを少しでも理解してもらうためにも、素性のいい個体をノーマルで乗ってもらうのに限ります。少しでもいじると崩れてしまうので。大径ホイールやシャコタン、濃いスモークフイルムなど…場合によっては全塗装してあるような個体に出会って「あーあ」と眉をひそめることが希にあります。

好きではありませんが、どうするかは買った人の自由なので私がどうこう言う筋合いのものではありません。でもそんな人にもまずはノーマルにしばらく乗っていて欲しい。シャコタンにするにもまず良さを味わってから。そうすれば良さも違いもよくわかるでしょうし。

それと、車体は常にきれいにして運転スタイルもセンチュリーっぽくお願いします(シャコタンにして乗っている人の運転が荒いと決めつけているのではありません、念のため)。そうすれば、大人の趣味人に見えていいと思います。

トヨタ センチュリー

私がそうであったように、ここのところセンチュリーの引き合いが増え、ネットで見ただけで買う人もいるそうです。私が買った販売店でもそんな話を聞きました。

トヨタ センチュリー

「せっかくのこういうクルマなので、できればいろいろお話をしながら対面で買っていただいて、その後もずっとお付き合いしたいです。顔の見えない人にネットで買われてそれっきりというのはさびしいです」と、言っていましたので、購入を考えている方は個体の程度を見たり、販売店の様子を窺ったりするためにもぜひ足を運んでください。

大田中 秀一|おおたなか しゅういち

乗りもの、特にクルマ好きで、見ること、乗ること、しゃべることすべてが好き。5年間のレース参戦経験を活かし、レーシングスクールインストラクターも時々務める。大型二種免許も所有していることもあり、運転技術に関しての研究も行なう。モビリティに関わることすべてを興味のままに取材、自動車専門誌並びにweb、経済ニュースサイトなどに寄稿している。世界のマイナーモーターショーウォッチャー、アセアン・ジャパニーズ・モータージャーナリスト・アソシエーション会長、インドネシアにも拠点がある無意識アセアンウォッチャー。

大田中 秀一|おおたなか しゅういち