トヨタ 9代目200系ランドクルーザーのシートアレンジを徹底解説|後部座席の倒し方は?

ランドクルーザー

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トヨタ ランドクルーザーに2021年6月、新たなフラッグシップ「300系」が誕生し反響を呼んでいます。

SUVの世界標準と言っても良いランドクルーザーであり、トヨタのグローバルな販売網に支えられ大人気となることが確実なだけに、300系に導入される最新技術や安全性能への関心が高まっているようです。

しかし、最近のランドクルーザーに見られる動きはそれだけではありません。フラッグシップとしての座を300系に譲ることとなったトヨタ 9代目200系ランドクルーザー(3BA-URJ202W-GNTVK/GNTAK/GNTAK-G/GMTNK型)の人気にも衰えが見えないのです。

2007年のデビュー以来、2011年と2015年にマイナーチェンジを経るなど多数の仕様変更を行ってきた9代目200系ランドクルーザーですが、都市やハイウェイだけでなく砂漠・ジャングルまで力強く疾走出来る性能が多くの人を魅了しています。

また広く快適な居住空間や収納性に優れたラゲッジルーム(荷室)が人々のあらゆるライフスタイルに合致することもその理由と言えましょう。

憧れのオフローダー、9代目200系ランドクルーザーの魅力について、今回は多様なシートアレンジから迫ってみることにします。

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道
Chapter
トヨタ 9代目200系ランドクルーザーの特徴とは
トヨタ 9代目200系ランドクルーザーのシートアレンジとラゲッジルーム(荷室)のバリエーション
トヨタ 9代目200系ランドクルーザーの多彩なシートアレンジでも後部座席(リアシート)が快適な理由
トヨタ 9代目200系ランドクルーザーのシートに用意された豊富なオプション

トヨタ 9代目200系ランドクルーザーの特徴とは

トヨタ ランドクルーザーは1951年の初代BJ型トヨタジープから60年とトヨタで最も長い歴史を誇るランドクルーザーの頂点として2007年にデビューして以来、世界中のSUVの代名詞であり続けてきました。

パワーユニットは4.6LのV8エンジンで最高出力は318PS、最大トルクは46.9kgf/mと全ての道を走破出来る性能を持ち、4.6L V8エンジンのパワーは6 Super ECTとシーケンシャルシフトマチックが余すことなく駆動輪に伝え燃費向上が計られています。

マルチテレインセレクトが路面状況に応じて駆動力を4輪に最適分配するため、道を選ぶことなく4WD(4輪駆動)としても最高のパフォーマンスを発揮することが出来るのです。

マルチテレインセレクトのモードセレクタースイッチはROCK/ROCK&DIRT/MOGUL/LOOSE ROCK/MUD&SANDの5つのモードから選択することが出来、凹凸の激しいオフロードや滑りやすい路面での走破性を一段と向上させてくれます。

オフロード走行をサポートするための機能も多数採用されており、マルチテレインモニターは車両周囲の状況確認を4つのカメラがサポートするシステム。

フロント、サイド、左右、リアに搭載したカメラがとらえた映像をカメラスイッチで切り替えることで、ドライバーの死角になりやすい車両周辺の路面状況を確認でき、アンダーフロアビューやフロントビュー回転表示などが用意されています。

オフロード走行時にアクセルやブレーキ操作をすることなくステアリング操作だけで極低速走行を可能にするクロールコントロールや、切り返しが必要なタイトコーナーで回頭性を高め切り返し回数を低減するターンアシスト機能、スリップを検知すると空転した車輪にブレーキをかけ残りの車輪に駆動力を配分し安定走行を可能にするアクティブトラクションコントロールもランドクルーザーのSUVとしての総合力を高めている要素と言えましょう。

もちろんオフロードを走破するための基本性能も一流です。

ねじり剛性や曲げ剛性に優れたラダーフレームを採用しオフロードでの振動伝達やロードノイズ低減を図っている他、優れた接地性を発揮するフロントのコイルスプリング式ハイマウント・ダブルウィッシュボーンとリアのトレーリングリンク式サスペンションを採用。

こうした技術の積み重ねによってランドクルーザーは登坂能力45°、最大渡河性能700mmと卓越した性能を持っています。

パワーユニットから先進技術、操作性と基本性能のみならず現在でも第一線のポテンシャルを持つ類まれなオフローダー、それがランドクルーザーなのです。

トヨタ 9代目200系ランドクルーザーのシートアレンジとラゲッジルーム(荷室)のバリエーション

大型SUVであるトヨタ ランドクルーザーに大容量の収納性を期待する方も多いことでしょう。

ランドクルーザーは多彩なシートアレンジのバリエーションでそれに応えています。

セカンドシートを折りたたみサードシートを跳ね上げた「セカンドシートタンブル+サードシートスペースアップ状態」では荷室幅が990mm、荷室長が1,685mm、荷室高が1,100mmという広大とも言えるスペースが出現。

また乗車人数や荷物の量に合わせてシートアレンジは他にも幅広く用意されています。

サードシートまで乗員が搭乗する「セカンドシート左側スライド+セカンドアームレスト使用状態」、セカンドシートまで乗員が乗り込みサードシートを跳ね上げ荷物スペースにする「サードシートスペースアップ状態」はもちろん、セカンドシートとサードシートの一部だけをラゲッジスペースとして使用することも可能なのです。

セカンドシートの左席に乗員が座り、セカンドシート右席とサードシートを荷室として使う「セカンドシート右側タンブル+サードシートスペースアップ状態」ではサードシート部分に荷物を積み込むと同時に、セカンドシートの位置を合わせて用いることで余裕ある使い方が可能となります。

また、セカンドシート左席とサードシート左席をそれぞれ前倒し状態にする「セカンドシートバック左側前倒し+サードシートバック左側前倒し状態」なら長い荷物の積載も可能に。

ランドクルーザーのシートアレンジとラゲッジルームの特徴はそれだけではありません。

様々なバリエーションをラクに切り替えるための機構も盛り込まれているのです。

セカンドシートは90mmのスライド量を確保しているだけでなくワンアクションで簡単に折りたたむことが出来るセカンドシートタンブル機構を装備。

サードシートの跳ね上げも簡単です。特にZXに標準装備されているセミパワーではスイッチを押すだけでシートバックが倒れシートが跳ね上がり、ワンタッチでスペースアップ状態となるためあとはシート上部を押さえロックするだけです。

シートを復帰させる際もロック解除レバーを引くだけでとても便利。

ランドクルーザーのシートアレンジはラゲッジルームとのコンビネーションにおける使い勝手の良さにまで配慮されていると言えます。

トヨタ 9代目200系ランドクルーザーの多彩なシートアレンジでも後部座席(リアシート)が快適な理由

トヨタ ランドクルーザーは多くのシートアレンジが可能であるため、リアシート(後席)の快適さがイマイチなのではないか、と考える人もいるかもしれません。

しかし、その心配は不要と言って良いでしょう。

ランドクルーザーのリアシートはシートアレンジによるラゲッジルームとの連携で使い勝手が良いにも関わらず、快適にドライブ出来るよう設計されているからです。

セカンドシートの左右席にはシートヒーターが搭載されている他、前後左右独立温度コントロールフルエアコンは居住空間を4分割して調整可能でエアコンの吹出し口が天井から足元まで28ヶ所も接地されているなどリアシートの乗員も心地よく過ごすことが出来ます。

またランドクルーザーにはリアシートの安全性にも配慮されており、キャビンに装備された計10個ものエアバッグが衝突時の被害を軽減してくれるのです。

セカンドシート左右席のSRSサイドエアバッグは側方からの衝突で強い衝撃を受けた際に胸部への衝撃を緩和、ルーフサイドレールに格納されているSRSカーテンシールドエアバッグは頭部側面を覆うように広がり頭部への衝撃を緩和してくれます。

さらに衝突時の空間確保にも工夫が施されており、キャビンの変形を抑えフレームのオフセット量を低減することで衝撃を吸収する構造や、サスペンションが吸収しきれないほどの衝撃の場合キャビンより前方が折りたたまれるように潰れるクラッシャブル構造を採用することで乗員の安全への配慮も万全なのです。

ランドクルーザーはシートアレンジによりその姿をフレキシブルに変えながらも、快適性と安全性が十分に確保されており、リアシートの座り心地を心配する必要はありません。

トヨタ 9代目200系ランドクルーザーのシートに用意された豊富なオプション

トヨタ ランドクルーザーのシートアレンジに伴うリアシートへの不安はないことがわかりましたが、オプションを利用することでその快適性はさらに高まります。

インテリア(内装)イルミネーションはセカンドシートの足元を照らしてムードある空間を演出。ドアオープンと連動して点灯する他、夜間にはスモールライトと連動して減光し足元を照らしてくれるため、車内に何か落としても探しものに困りません。

またプラズマクラスター技術が車内を快適にしてくれるプラズマクラスター搭載LEDルームランプや、標準装備されているバルブを高輝度LEDに交換するLEDバルブセットにより室内を明るく照射することも出来ます。

リアシートの乗員にとって使いやすさを増すオプションも用意されています。

シートベルトに装着してハンドルを引くだけでシートベルトをラクに装着可能なシートベルトパッド、腕を高く上げることなく握ることが出来るつり革型グリップ、座面が回転しスムーズな乗り降りをサポートする回転クッション等トヨタの配慮を感じさせるオプションが充実。

シートアレンジとの兼ね合いで言えば、ラゲッジルームに濡れた荷物を気にせずに積み込むことが出来るラゲッジトレイや、荷物の汚れからサードシートを守るサードシート用シートケース、そして積荷を固定し荷崩れを軽減するラゲッジネットなどがオプション設定されており、これらの活用によってリアシートの乗員も安心してドライブを満喫することが出来るでしょう。
今回はトヨタ ランドクルーザーのシートアレンジについてご紹介しました。

シートアレンジのバリエーションでリアシートの快適性が犠牲になっているケースもある中、トヨタの誇るSUVの雄、ランドクルーザーのフラッグシップを長年務めてきたトヨタ ランドクルーザーのリアシートはさすがと言える秀逸さを持っています。

ランドクルーザーのシートアレンジはその収納力がすべての人にとって使い勝手が良いだけでなく、リアシートの居住性にまで細かな気配りがなされており、人気の理由の一つとなっているに違いありません。

300系ランドクルーザーの登場でも高い競争力を持ち続けているランドクルーザーへの注目はまだまだ続いていきそうです。

※ 2021年7月現在

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