ライバルが多いBMW 3代目1シリーズ(3BA-7K15/7K20型)には欠点はあるのか?

BMW 1シリーズ

2019年にFF(前輪駆動)になったことでも話題になった、BMW 3代目1シリーズ(3BA-7K15/7K20型)。

ドイツ製の高い安全性能や走行性能はもちろん、ネームバリューも手伝って非常に人気の高い1台ではありますが、欠点と呼ぶべき点はあるのでしょうか。

そこで今回は、BMWを代表すると言っても過言ではない3代目1シリーズに欠点はあるのか、詳しく見ていきます。

Chapter
BMW 1シリーズの歴史を振り返る
BMW 3代目1シリーズは駆動方式が変わり乗り味が変わった?
BMW 3代目1シリーズのエクステリアはイマイチ?
BMW 3代目1シリーズのインテリアにはチープさが残る?
BMW 3代目1シリーズ自体は知名度があまり高くない?
BMW 3代目1シリーズの安全装備は充実している?

BMW 1シリーズの歴史を振り返る

BMW 1シリーズの初代は2004年に発売され、エンジンには1.6L 直列4気筒エンジン、2.0L直列4気筒エンジンが用意されており、6速ATが組み合わされていました。

2005年には3.0L 直列6気筒のエンジンを搭載したフラッグシップモデルが追加され、より優れた走行性を味わうことができました。

2010年には日本仕様車のエンジンを新型のものに変更し、燃費効率が大幅に向上しました。

2011年には2代目が発売され、初代よりもホイールベースを30mm延長し、わずかに大型化しました。

2代目からは全車にアイドリングストップを搭載、ブレーキ・エネルギー回生システムを採用することで燃費の消費の低減を実現しました。

2016年にはディーゼルエンジン搭載モデルが追加され、さらなる燃費向上が図られました。

2017年にはマイナーチェンジが行われ、トリムに上質なクロムメッキ加飾の追加、ハイグロスブラックなデザインのセンターコンソールの採用など、よりモダンで洗練されたインテリアデザインになりました。

またその他の素材も高品質なものに変更されており、質感が向上されています。

そして2019年に現行モデルである1シリーズの3代目が発売されました。

BMW 3代目1シリーズは駆動方式が変わり乗り味が変わった?

BMW 1シリーズは、2019年以前のモデルと2019年以降の3代目モデルで駆動方式が変わりました。それまでFR(後輪駆動)であった1シリーズは、現行モデルでFFに変更されたのです。

一見するとただの駆動方式の違いで大きな差はないように感じますが、実は乗り心地にかなりの違いが生じるのです。例えるのであれば「前から引っ張られる」のか「後ろから押されるのか」の違いです。

国産車のほとんどはFFを採用する一方、一部のセダンやスポーツカーはFRが採用されていますが、ここに共通しているのは安定した走りが求められる車種である点でしょう。FRはFFに比べて自然な走りができることに加えて、安定した走行性能を実現しているといえます。

では1シリーズに安定した走行性能がなくなったかと言われれば、決してそうではありません。むしろ日本のような狭い道路事情においては小型のクルマが適しており、ボディサイズ的にも日本の道路事情に適した1シリーズのFF化は大きな変化だといえます。

従来からスポーツカーやBMWを乗り続けている方からすれば違和感を多少感じるかもしれませんが、決してネガティブな変更ではないことを覚えておくと良いかもしれません。

BMW 3代目1シリーズのエクステリアはイマイチ?

BMW 1シリーズは駆動方式を伝統のFRレイアウトをやめて、FFへシフトしました。この駆動方式に変更にともない、エクステリアも大きく変化しています。

FF化することによってBMWの特徴的なロングノーズが無くなり、FF車らしいショートノーズのスタイルに変化しています。

クルマのサイドラインとガラスエリアは後ろになるにつれて尻上がりにデザインされており、今どきのハッチバックらしいスタイルで攻撃的な姿勢を演出しています。

フロントマスクはBMW伝統のフロントグリルが大型化されており、ヘッドライトはシャープなデザインを採用しています。全体的にスタイリッシュなったとはいえ、見る角度によってはボリューム感が強調されたようにも見えます。

従来のクラシックなデザインが好きという方もいるかもしれませんが、新型1シリーズで若返りをはかったと考えられます。

つまり新型1シリーズは今後のBMWの方向性を示しているクルマなのかもしれません。

BMW 3代目1シリーズのインテリアにはチープさが残る?

BMW 1シリーズはBMWのエントリーモデルであり、新車価格も300万円台とほかのBMWのクルマより手に入りやすく感じるものの、抑えるべきコストはしっかり抑えられています。

その結果としてインテリア(内装)などの一部の装備がチープに感じたり、BMWのブランドイメージとは違うと思ってしまう方もいるかもしれません。1シリーズは、あくまでもエントリーモデルであることを意識しておくと良いでしょう。

ブラックを基調としたベーシックなインパネで機能性には問題はありませんが、他のBMWのイメージや輸入車への先入観が強いと、少々がっかりする方もいるのではないでしょうか。価格相応と言えば言い方は悪いでしょうが、あまり期待しすぎない方がいいでしょう。

とはいえ先にも少し述べた通り、使い勝手の面で優れていないわけではありません。

ステアリングホイールでの各種オーディオやナビの操作はもちろん、あらゆる機能が充実しているのは紛れもない事実。

質感だけの問題なので、特に気にならない方には強くおすすめできるクルマであることに変わりはないのです。

BMW 3代目1シリーズ自体は知名度があまり高くない?

BMW 1シリーズはディーラー側もほかのモデルに比べてあまり力を入れて広告を出しておらず、数あるBMWの中でもあまり知名度が高くありません。

ディーラーもあまり力を入れて宣伝しない理由として、1シリーズの分類はコンパクトカーにあたることが理由だと思われます。

日本には国産のコンパクトカーがすでに多数存在しており、1シリーズにとっても手ごわい相手であることは間違いありません。

BMWの熱狂的なファンならいざ知らず、ライバルの多い日本の自動車市場で普通に勝負をしても、勝てる見込みは非常に薄いでしょう。

また、1シリーズはあくまでもBMWのエントリーモデルであることも関係しているでしょう。

中古車市場の拡大で以前ほどではないものの、BMWは高級輸入車の分類に入ります。

1シリーズも正規ラインアップであることは間違いありませんが、エントリーモデルよりも上位モデルに目を向けてもらい、本当のBMWの良さを感じてほしいことはいうまでもないでしょう。

これらの理由から1シリーズの広告が少なく、結果として認知度があまり高くない状況が生まれた可能性はあります。

機能性は十分で国産コンパクトカーよりも優れている点も多くあるので、購入を検討している方は他のクルマと比較すると良いかもしれません。

BMW 3代目1シリーズの安全装備は充実している?

クルマ選びに欠かせないポイントの一つが安全装備です。

BMW 1シリーズの安全装備は充実しているのかを見ていきます。

1シリーズはBMW360°セーフティを採用しています。

BMW360°セーフティは運転に集中するためのドライバーオリエンテッド思想、事故を未然に防ぐためのBMWアクティブ・セーフティ、事故の被害を抑えるためのBMWアクティブ・プロテクション、事故対応を万全にするためのBMWエマージェンシー・サービスから成ります。

主な機能として微細なアクセルコントロールで操作ミスを軽減・低燃費走行を可能にするオルガンペダル式アクセルペダルや側面部分が強化された構造でパンクした際にも安全な場所まで走行可能なランフラット・テクノロジー・タイヤが搭載されています。

他にもレーンディパーチャーウォーニングは70km/h以上で走行している際に、クルマが車線を逸脱しそうになると、ステアリングホイールを振動させドライバーに危険を知らせます。

BMW SOSコールはクルマの横転や衝突を検知した際や、エアバックが使用されるほどの重大な事故が発生した際にクルマに標準装備された専用通信機器から自動的にSOSコールを発信してくれます。

他にもさまざまな他にはない安全装備もあり1シリーズの安全装備は充実していると言えます。

BMW 1シリーズに大きな欠点と呼ばれるほどの点はなく、エントリーモデルではあるものの1シリーズも名門BMWらしいクルマであることに変わりはありません。

ライバルが多い市場であることを考慮し、購入時には他のクルマとしっかり比較すると良いでしょう。

クルマの真の価値は、実際に見てみなければわからない側面があることも忘れてはいけません。

※2021年7月現在

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道