スバル 初代BRZ(ZC6型)の荷室の使い勝手は?スポーツカーながら優秀な積載力を解説

スバル 初代BRZ

一般的にスポーツカーというと、リアシート(後席)や荷室(ラゲッジルーム)の使い勝手が良くない…と思っている方も多いのではないでしょうか。

そもそも、スポーツカーは「走る」という目的に特化しているため、重量が増えるようなスペースや機能を削っていることが多いのです。

しかし、スバル 初代BRZ(DBA-ZC6/4BA-ZC6型)は例外で、特に荷室の使い勝手は同じ他社のスポーツカーよりも優れています。

そこで今回は、スバルが誇るスポーツカーBRZの荷室の使い勝手を、姉妹車であるトヨタ 86の荷室の使い勝手と比較して徹底紹介していきます。

Chapter
スバル 初代BRZとはどんなクルマなの?
スバル 初代BRZの荷室の使い勝手は?
スバル 初代BRZの荷室に荷物を積載するときの注意点は?
荷室に差がないスバル 初代BRZとトヨタ 初代86の違いは?
スバル 初代BRZの荷室の使い勝手をさらに良くする便利なオプションをご紹介!

スバル 初代BRZとはどんなクルマなの?

BRZは2012年に販売が開始されたスバルのスポーツカーで、水平対向4気筒エンジンを搭載し1,998ccの排気量を誇っているのがポイントです。

「FA20型」と呼ばれるこのエンジンはトヨタと共同開発されたことでも有名で、姉妹車であるトヨタ 86にも搭載されています。

低重心で安定した走行が可能なスバルの水平対向エンジン「FB20型」をベースに、トヨタの「D-4S」と呼ばれる燃料噴射技術を組み合わせた「FA20型」は、トヨタの課題であったエンジンの重心問題と、スバルが抱えていた出力不足の問題を同時に解決しました。

両社から発売されたBRZと86は、名前こそ違うものの基本的な部分は同じという、メーカーの垣根を越えた一風変わった姉妹モデルなのです。

しかし、姉妹モデルといえど乗り味がやや異なっています。

普段使いでも安定した走りが得意なBRZに対して、ドリフト走行などのテクニックを必要とする走りが得意なのが86、と認識すれば良いでしょう。

サスペンションなどの細かい部分に違いがあるので、購入する際は安定走行かテクニックのどちらを求めるかで比較検討してみると良いかもしれません。

駆動方式はFR(後輪駆動)で、トランスミッションは6速MT(マニュアル・トランスミッション)と6速AT(オートマチック・トランスミッション)の2種類が設定されています。出力はMT車の方がわずかに上ですが、大差はありません。

ちなみにAT車にも「マニュアルモード」が搭載されているため、マニュアル操作によるドライブを楽しむことができるのです。

残念ながら2020年8月、2代目モデルの登場とともに生産終了を発表し、同年11月末日をもって販売終了となりました。

スバル 初代BRZの荷室の使い勝手は?

BRZの魅力のひとつとして挙げられるのが、荷室の使い勝手の良さでしょう。

通常スポーツカーの荷室はそれほど大きくなく、使い勝手は考慮されていないことが多いです。スポーツカーは走ることに特化しているため、走ることに関係ない機能については削減されるのが普通です。

しかし、BRZは荷室の使い勝手が非常に良く、優秀なクルマに仕上がっています。シートアレンジを活用すればサーキット走行用のタイヤ4本を載せることができるだけでなく、ゴルフバックは横向きにすることで2つも荷室に積載することが可能なのです。

ここまでの積載能力を持つ荷室はスポーツカーには珍しく、驚いた方も多いのではないでしょうか。実際、セダンではできないシートアレンジによる荷室の拡張ですが、BRZではそれを可能としています。

スポーツカーというジャンルの中でも高い荷室の性能は、スポーツカーの中でも特出しています。

しかし、横幅や奥行きは申し分ないBRZですが、荷室の高さはそれほどなく、あまり背の高いものは載せられない点は注意が必要でしょう。

スバル 初代BRZの荷室に荷物を積載するときの注意点は?

カタログでは243Lと、トヨタ プリウスの半分ほどの数値しかないBRZの荷室容量ですが、スポーツカーとしては優秀な積載能力を持っていることがわかりました。しかし、実際にゴルフバック2つなどを載せる際には、ちょっとしたコツが必要になることも覚えておくと良いでしょう。

まず、横に長い荷物を荷室に入れる際は真上から入れにくいため、やや斜めから入れる必要があります。BRZのリア部分の灯火類が横長に設計されている関係でラゲッジゲート周辺が狭くなっており、ゴルフバッグなどの横に長い荷物を積載する際は少々不便を感じるかもしれません

また、テールゲートも跳ね上げ式なので、上から荷物を入れようにも入れにくい仕様になっているのです。

上記の点から、上から荷物を載せる際も、少し斜めに向けて入れるとスムーズに積載できるでしょう。もし荷室に収まらない荷物を載せるのであれば、リアシートを前向きに倒してシートアレンジするのがおすすめです。

BRZの荷室に荷物を積載する場合は基本的にはリアシートを倒して使うことが一般的で、タイヤやゴルフバックを積載する際もシートアレンジをするのが前提になります。

カタログ数値が示す通り、ハッチバックであるプリウスの半分以下しかない荷室の容量では、タイヤもゴルフバックも載せるには厳しいでしょう。反面、シートアレンジをすればハッチバックでも載せられないクルマがあるゴルフバックを2つも載せることができるようになるのです。

先述の通り、BRZの荷室を使う場合には、まずはシートアレンジをしておくのがおすすめといえます。

荷室に差がないスバル 初代BRZとトヨタ 初代86の違いは?

BRZと86は、エンジンだけではなくエクステリア(外観)の細かいデザインや、インテリア(内装)を除いてはほぼ同じ仕様のクルマです。車体の大きさもまったく同じで、どちらもカローラレビン、スプリンター トレノを源流とする点も共通しています。

例に漏れず荷室も同じ大きさ・容量の2台ではありますが、その差は走りにあるのです。86はドリフト向きの挙動で、いわゆる走り屋好みのクルマに仕上がっています。

その違いはサスペンションの違いによるもので、フロントは硬め、リアは柔らかめに設定がされており、ドリフトがしやすいようにあえてこのような設計方法が用いられているのです。一方のBRZの場合、フロントが柔らかめでリアが硬めのサスペンションになっており、86よりも安定した走行ができるように工夫されています。

どちらも走行性能は高いものの、サーキットなどで思い切った走りを体感したいなら86が、普段使いでもカッコよさを求めたいのであればBRZがおすすめといえるでしょう。

走行性能に関して、実際乗車して比較しているプロドライバーもいますが、中には「走行性能は変わらない」とする声もあります。実際にはサスペンションのように一部乗り味に関わる部分が違うのですが、体感できるかできないかには個人差もあるようです。

また、走行性能に差を感じる理由としては「トヨタとスバルのそれぞれの広告戦略による違い」とする意見もあります。しかし実際にはサスペンションという、クルマの操作性や乗り心地を支えるセッティングが異なるため、どちらの乗り味が好みか?は自分自身で見極めると良いでしょう。

スバル 初代BRZの荷室の使い勝手をさらに良くする便利なオプションをご紹介!

BRZには、荷室の使い勝手をさらに良くする便利なオプションが3つ用意されています。

汚れから荷室を守るためのトランクマットトランクソフトトレー、そしてバンパーを保護するリアバンパーカバーです。トランクマットとトランクソフトトレーは、どちらも荷室のフロア(床)面を汚れから守ってくれるオプションです。

ただ、耐水性を気にするのであればトランクソフトトレーに軍配が上がるでしょう。質感を重視したいのであればトランクマットでも良いですが、洗濯ができるので多少濡れる程度ならどちらでも問題なく使用できるといえます。

また、荷室手前からバンパー全体を覆い隠してくれるリアバンパーカバーは大きな荷物を積み込む際にバンパーに傷がつくのを防いでくれます。撥水加工が施されており、濡れたものを載せるときにボディが汚れる心配もありません。反面、テールゲートの下側しかカバーできないため、長さのある荷物を積み込む際は慎重に載せるのがポイントです。

リアシートをアレンジしている際、載せている荷物を外から見られたくない時に活躍するのが、プライバシーカバー

このオプションを使用すればリアシートをまるまる覆い隠してくれるので、車上荒らしなどの被害に遭わないように目隠しとして機能します。センターコンソールのドリンクホルダーまでは届かないため、フロントシート(前席)周辺の機能性にはまったく支障が出ないのも嬉しいポイントです。

スポーツカーとしては優れているBRZの荷室は、オプションと組み合わせればどんな天候でも荷物を安心して載せることができるなど、さらに使い勝手が良くなります。

しかし、大きな荷物を積載する際はリアシートのシートアレンジが必須なので、その点だけ注意しましょう

BRZは、走りも乗り心地も安定した優秀なクルマです。

機能性の高い荷室とリアシートの機能を活かしながら、スポーツカーとしての走りを楽しみたい方にはぴったりの1台なのではないでしょうか。

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道