ダッシュボードに並んだぬいぐるみ…実は違法?事故につながる恐れも!

ダッシュボード

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クルマを運転していると、たまにダッシュボードにぬいぐるみやフィギュアをたくさん並べているクルマとすれ違うことがあります。

持ち主がクルマの中を好きなもので飾りたいという気持ちは分かるのですが、ダッシュボードに何かを置くという行為自体は違法にはならないのでしょうか。

今回は、クルマのダッシュボードに物を置く行為が、法律ではどのように定められているのか見ていきましょう。

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道
Chapter
基準となるのは、視界の確保
ダッシュボードに物を置く場合の注意
ダッシュボードに物を設置する方法にも注意!

基準となるのは、視界の確保

結論からいえば、ダッシュボードに物を置く行為は違法であるだけでなく、ドライバーの視界はいかなる理由があっても確実に確保されていなければなりません。

これは、保安基準によって決められており、ドライバーは運転席から高さ1メートルで直径30センチの円柱を鏡などを使わずに直接視認することができなければならないとされています。さらに、クルマの前面から2メートル、左側面から0.9メートル、右側面から0.7メートルの距離を見ることができる視界を確保しておく必要があるのです。

また、新型車においては運転席から見て左右の角度が180度の視界を確保し、上下の視野を妨げる物体の設置を禁止しています。

しかし、逆に言えば全ての基準を満たしていれば、好きなアイテムの設置は許されるということです。わざわざ運転しにくくなるような物をダッシュボードの上に置く人はいないでしょうし、そもそも前が見えないような状態になったまま運転する人はいません。

保安基準の範疇で、安全に運転できるかどうかを判断するのが重要でしょう。

ダッシュボードに物を置く場合の注意

保安基準の範囲内で、視界を遮ることがなければ車内にぬいぐるみ等を設置しても問題はありませんが、設置する場所には細心の注意を払う必要があります。

まずは、安全装置として装備されているエアバッグの邪魔をしない位置かどうかを判断しましょう。

エアバッグは、ステアリングやAピラー、助手席側ダッシュボードなど車内の至る所に配置されていますが、普段は格納されており、一定の衝撃を感知すると作動する仕様になっています。実際に展開する様子を見たことがある人はほとんどいないでしょう。

そのため、エアバッグの展開する範囲に物が置かれていると、エアバッグと同時に設置物が飛び出してくることになります。エアバッグは衝撃を感知してからおよそ0.03秒ほどで爆発的に膨らむため、その衝撃がどれほどのものなのか想像に難くないでしょう。

エアバッグが万が一作動するような状況になった際、付近に置かれている硬いプラスチック素材のフィギュアや後付けされたカーナビのモニターが、音速にも近い速度で飛んでくるのです。重大なケガに繋がるのは間違いありません。

命を守るエアバッグを凶器にしないためにも、物を置く場所はしっかりと吟味する必要があるでしょう。

ダッシュボードに物を設置する方法にも注意!

ダッシュボードだけでなく、車内にフィギュアやぬいぐるみなどを置く時は、設置場所だけでなく設置方法にも注意が必要です。

2016年には、新潟県の上越市でかばんが運転席下に落ち、ブレーキペダルとの間に挟まってブレーキが踏めず、クルマがコンビニに突っ込むという事故が発生しています。

このケースはかばんが引き起こした事故ですが、ぬいぐるみやフィギュアについても同様の危険性を孕んでいることを忘れてはいけません。ペットボトルや車載の空気清浄機、芳香剤に灰皿などについても同じことがいえるでしょう。

なので、車内にぬいぐるみやフィギュアを置くときは確実に「動かない」ようにしなければなりません。

近年では、強力な粘着力を持った接着テープや、貼り付けてもはがせるタイプの両面テープなど、多くのツールが販売されています。量販店で購入できるものも多いので、設置したいものを確実に固定できるツールを購入して使用するようにしましょう。
保安基準をしっかり守り、ドライバーが視界を確実に確保できれば、車内にぬいぐるみやフィギュアなどを置くことができます。

クルマの中はプライベート空間。好きなものをインテリアにすれば、カーライフも楽しいものになるのは間違いありません。

設置場所や設置する方法もしっかり考えて、安全に運転できるようにしましょう。

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