10年以上に及ぶアバルト595の歴史を徹底解説

アバルト500

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アバルト595の歴史を振り返ると、アバルトが現代への復活を果たした直後である2008年にまで遡ります。

10年以上という長いモデルライフを持つモデルですが、どのような進化を遂げてきたのでしょうか?

文・写真/西川 昇吾

西川 昇吾|にしかわ しょうご

1997年生まれ。富士スピードウェイ近隣で生まれ育ち、大学で自動車に関する学習をする傍ら、自動車ライターとしての活動を始める。過去にはコミュニティFMのモータースポーツコーナーにてレギュラー出演経験あり。「書くこと、喋ることで自動車やモータースポーツの面白さを伝える」を目標とし、様々なジャンルのライティングや企画に挑戦中。

西川 昇吾
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2008年にアバルト500の名でデビュー
595は上級グレードとして2013年に登場
2017年のマイナーチェンジで全グレードアバルト595に

2008年にアバルト500の名でデビュー

今でこそアバルト595というモデルネームが与えられていますが、登場当初はベースとなるフィアット500と同様の数字である500が用いられたネーミングであるアバルト500で呼ばれていました。

アバルト500が初登場を果たしたのは2008年のジュネーブモーターショーです。フィアット500をベースにアバルトがチューンアップしたスポーツモデルのホットハッチとして発表されました。

搭載エンジンは1.4L直列4気筒16バルブターボエンジンで、排気量やエンジン形式など基本的な点は現在の595と変わりありませんが、最高出力は99kW(135PS)、最大トルク206Nmというスペックでした。
2007年に登場したフィアット500は、1960年代にイタリアの国民車として大ヒットしたNUOVA 500をモチーフに現代に蘇らせたかのようなモデルでした。このNUOVA 500も当時アバルトによるチューンアップが盛んに行われており、その関係性を現代に体現したアバルト500の登場は、アバルトブランドの完全なる復活を意味していました。

日本市場では2009年4月から販売を開始。当時は右ハンドルの5速マニュアルのワングレードのみの展開でした。同年10月には左ハンドルがラインアップに追加されました。

595は上級グレードとして2013年に登場

2013年1月、現代のアバルトブランドとしては初めて「595」の数字を冠したモデルが日本市場で発売されました。

それまでのアバルト500の上級モデルとして発表され、エンジンは最高出力118㎾(160PS)と当時のアバルト500よりも25PSパワーアップされ、足回りにはアバルト500をベースにしたチューンアップグレードであるエッセエッセに準じたものが採用されていました。

アバルト595発売開始当時のラインアップは5速シーケンシャルトランスミッションのみの設定で、インテリアの質感を高めたツーリズモとツーリズモのカブリオレバージョンである595Cツーリズモ、スポーツグレードのコンペティツィオーネというグレード展開でした。

2014年3月には販売バリエーションを拡大。アバルト595コンペティツィオーネのラインアップに5速マニュアル車が加わりました。それと同時に、アバルト500にも5速シーケンシャルトランスミッションが設定されました。
2014年10月には、アバルトブランド初のTFTメーター採用という仕様変更を受けます。TFT液晶パネルを中心とするメーターレイアウトは現行モデルとほぼ同じレイアウトとなりました。

2017年のマイナーチェンジで全グレードアバルト595に

2017年2月にマイナーチェンジを受け、基本的に現在と同じ仕様となりました。このマイナーチェンジでアバルト500という名称をやめ、現在のようにアバルト595へと名称が変更。

これによりそれまでのアバルト500がベースグレードのアバルト595へとスイッチし、ツーリズモとコンペティツィオーネがその上にラインアップされるようなグレード構成となりました。マイナーチェンジということもあり、各種変更を受けています。

変更内容の具体的な内容として、まずエクステリアはフロントライトにLEDデイライト機能が追加され、リアコンビランプのデザイン小変更が行われ、ベースグレードでレッド、ツーリズモでパールホワイト、コンペティツィオーネでイエローと各グレードで新色が追加されました。

インテリアではステアリングのデザイン変更を受けたほか、グローブボックスとカップホルダーが追加され使い勝手が向上しました。そして、5インチタッチパネルのインフォメーションシステムUconnectが採用され、オーディオ操作や車両情報へのアクセスと表示が現代的になりました。
グレードごとの違いで言えば、従来のアバルト500にあたるベースグレードはMT車99kW(135PS)、AT車103kW(140PS)から106kW(145PS)へと最高出力を向上させました。

ツーリズモではタービンをギャレット製のより大型なものへと変更し、最高出力を118㎾(160PS)から121㎾(165PS)へと性能向上が行われたほか、新デザインの17インチホイールやブレーキキャリパーを高級感あるブラック仕上げにするなど見た目の部分も変更が加えられています。

コンペティツィオーネはアルカンターラを使用したステアリングホイールやカーボンシェルタイプのシートなど、他グレードと比べるとよりレーシーなインテリアとなる変更を受けています。
アバルト500時代から数えると10年以上のモデルライフを誇るアバルト595。それだけに細かなデザインはもちろん、メカニズムやインフォメーションシステムなども進化してきています。

そのような変更があるからこそ未だに新車として販売され続けているのは間違いありませんが、これだけ息の長いモデルライフを送ることができるのは、このモデル自体に魅力があるからというのは間違いないでしょう。

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