日産 3代目ティアナ(L33型)の乗り心地をレビュー評価!

日産 3代目ティアナ

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今回は、日産 3代目ティアナ(L33型)の乗り心地について紹介します。

ティアナは日産ローレルやセフィーロの後継にあたる4ドアセダンとして、2003年に誕生しました。内外装からあふれ出る高級感が大きな特徴で、「モダンリビング」「OMOTENASHI」などのコンセプトをもち、見た目だけでなく走行性能や乗り心地に対しても高級感を追求していました。

セダン市場全体の売れ行きが大きく落ち込む中、3代目ティアナも2020年にその歴史を閉じています。その3代目ティアナについて、乗り心地を高めるための工夫や機能・さらにはクルマ自体のつくりなどを、具体的に掘り下げていきましょう。

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道
Chapter
日産 3代目ティアナの乗り心地を左右するシートの特徴は?
日産 3代目ティアナの乗り心地をさらに高めるシート機能
日産 3代目ティアナの乗り心地を高めるクルマづくり

日産 3代目ティアナの乗り心地を左右するシートの特徴は?

他の多くの車種と同じく、日産 3代目ティアナの場合も、シートの出来が乗り心地に大きく影響を及ぼす要素となります。乗り心地を高めるためシートにどのような工夫が加えられているかを、具体的に見ていきます。

フロントシート(前席)の背もたれ部分には、より広い範囲で上半身を支えるために中折れ(スパイラルサポート)形状のパッドを使用しています。そのためドライバーが長時間座っていても疲れにくく、ロングドライブも快適に楽しめます。

リヤシート(後席)のつくりにも、快適さへのこだわりが詰まっています。座り心地を追求するのはもちろんのこと、座面やリヤドアトリムの形状を可能な限りフラットにしています。そのため大柄な男性が3人並んでも、お互いの肩がぶつかりにくく、不快感を覚えることが少なくゆったりと座ることができます。

またフロント・リヤのシートに共通するこだわりとしては、シートの3層構造があります。ベース層には振動吸収ウレタンを採用し、不快な振動を効果的に吸収します。中間層に採用されるスラブウレタン(ソフトウレタンフォーム)は、ソフトな感触を実現させています。

その上にグレードごと異なる素材の表皮がシートを覆うわけですが、どの素材も肌触りがよく、3代目ティアナの高級感を存分に味わうことができます。

これらの異なる素材の組み合わせが、つつみこまれるような柔らかさと心地よさを乗員に提供するとともに、乗り心地の高さにもつながっているのです。

日産 3代目ティアナの乗り心地をさらに高めるシート機能

日産 3代目ティアナのシートは、乗り心地にこだわったつくりが大きな特徴ですが、より快適に乗車するための機能や装備も充実しています。

まず快適装備としてあげられるのが、「XV ナビAVMパッケージ」に装備される前席エアコンディショニングシートです。本革製のシートに背面と座面から風を送るという機能で、温風・冷風それぞれ3段階の風量を運転席と助手席それぞれの設定が可能です。

助手席の乗員がくつろげる機能としては、「XL」「XL ナビAVMパッケージ」「XV ナビAVMパッケージ」に採用される助手席パワーオットマンがあります。やわらかなパッドがふくらはぎを優しく支える機能は、くつろいだひとときを提供するとともに、ティアナを代表するおもてなし装備としての一面ももちあわせています。

さらに「XV ナビAVMパッケージ」専用の装備には、インテリジェントキー連動運転席オートドライビングポジションシートもあります。あらかじめドライバー情報を設定しシートやドアミラーの位置を登録しておけば、車に乗り込む際自動的に調整してくれるという便利な機能です。

エンジンを停止してドアを開けたときは、自動的にシート位置を後方にずらすため、車の乗り降りがスムーズに行えます。

日産 3代目ティアナの乗り心地を高めるクルマづくり

現代の乗用車は低燃費や高い走行性能を実現させるため、剛性を確保した軽いクルマづくりに力を入れています。

日産 3代目ティアナの場合はエンジンやCVTを中心として車両全体の軽量化を図り、加速やブレーキ性能に加え燃費も向上させています。またボディは操縦安定性も高められており、乗り心地のよさにもつながっています。

乗り心地にこだわる姿勢は、サスペンション方式からも感じることができます。フロントには独立懸架ストラット式、リヤには独立懸架マルチリンク式のサスペンションを採用しており、前後とも左右のサスペンションが独立して動くという独立懸架の特徴が活きています。

特にリヤサスペンションには、世界で初めてコネクトブッシュが追加されました。2種類のブッシュを組み合わせることで、操縦安定性と乗り心地を高い次元で両立させました。
日産 3代目ティアナからは、「モダンリビング」「OMOTENASHI」のコンセプトどおり、乗り心地をはじめ様々な点に高いプレミアム感を感じることができます。

それはシートの形状や機能といった目に見えるところだけでなく、シートの内部構造やサスペンションなど、普目にすることのない部分にこだわる姿勢からも感じられます。

3代目ティアナは新車販売を終了しており、中古車でしかその乗り心地を味わうことができません。3代目の中古車台数は約170台(2021年1月時点、大手中古車情報サイト)と、決して多くはありませんが、年式の新しいものを買える今なら、まだまだその魅力に触れることができます。

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