【プロ解説】マツダ CX-8を徹底評価…良い点や悪い点などを試乗レビュー!

2017年12月にデビューしたマツダのCX-8は市場に高く評価されており、デビュー直後の2018年と2019年の2年連続で、国内の「3列シートSUV」の販売台数ナンバー1を獲得しています。そんな人気の高いCX-8、実際に走り使ってみて出てきた良い点や悪い点を紹介していきます。

文・鈴木ケンイチ

Chapter
マツダ CX-8を試乗した第一印象
マツダ CX-8はディーゼルなのに優れた静寂性
マツダ CX-8は上質な室内空間と高い安全性を持つ
マツダ CX-8の改善点とは?

マツダ CX-8を試乗した第一印象

まず、個人的に良いなと思ったところは、フラットで落ち着いた乗り味です。マツダ車といえば、「人馬一体」という、クルマをドライバーの思うように操れるのが特徴。しかし、CX-8は、確かに「人馬一体」感はあるのですが、神経質になることなく、どこか鷹揚ともいえる、ゆったりとした動きを見せます。

もちろん、コーナーで「思ったよりも曲がらないなあ」ということはありません。ちゃんと思うように曲がれるのですが、全体として落ち着いていて、乗る人をむやみに揺さぶるようなことがないのです。大きなクルマで、しかもたくさんの人を乗せるのですから、こうした乗り味は、CX-8の最大の美点ではないでしょうか。

マツダ CX-8はディーゼルなのに優れた静寂性

試乗したのは2.2Lのクリーン・ディーゼル・エンジン搭載車。ディーゼル・エンジンですけれど、カリカリというディーゼル特有の音のボリュームは非常に小さいものでした。

ある程度速度があがったときは、エンジン回転数が比較的に低いこともあり、ほとんどエンジン音が気になりません。そして低回転から力強く、クルマの大柄さを感じさせません。必要十分といったパワー感です。また、クリーン・ディーゼルなので、燃費性能が良く、しかも税制で優遇されているので、お財布に優しいというのも良いところです。

マツダ CX-8は上質な室内空間と高い安全性を持つ

室内空間のしつらえの良さも、気に入ったところです。室内のあちこちにあるメッキの加飾は、中身はプラスチックなのですが、まるで本物のようなリアル感があります。上級グレードのレザーシートのしなやかさと、本物の木材を使った杢目パネルの質感も素晴らしいものでした。

室内空間は上下には、それほど広くありませんが、前後に十分なスペースがあるので、たとえ3列目に座っていても窮屈ではありません。タイトな室内の雰囲気は、個人的にはそんなに悪いモノではないと思います。

最期に良いというのは、安全性能の高さ。JNCAPの試験でも、非常に高評価を得ています。また、ほとんどの安全系の運転支援システムが標準装備となっているのも、マツダの安全に対する真摯さの表れ。これも良いところだと思います。

マツダ CX-8の改善点とは?

非常にできの良いクルマだという印象の強いCX-8です。でも、苦手なところもあります。それは本格的なオフロード走行でしょう。2019年の商品改良にて「オフロード・トラクション・アシスト」という機能が追加されました。これは、悪路などでスタックしそうなときに効果を発揮する機能です。

つまり、商品改良にて、悪路での走破性能を向上させる機能が追加されたというわけです。実際のところ、マツダの4WDシステムは電子制御式であり、本格クロスカントリーモデルのような強力なものではありません。街中や高速道路など装路中心の使い方であれば不満はありませんが、オフロードにも足を踏み入れるという人には、もう少しオフロード性能が欲しい良いはずです。

また、CX-8は今となっては、珍しいハイブリッドのラインアップがないモデルです。ガソリンエンジン車のWLTCモード11.6~12.4km/Lという燃費性能は、サイズ感を考えれば相当にがんばったものですが、それでもハイブリッド全盛の昨今の流れから見ると、もう一つ上が欲しいもの。ストロングハイブリッドの導入が難しいのであれば、せめて、マイルドハイブリッドでもいいので、追加してほしいと思うばかりです。

3列シートのSUVとして、国内では一番の人気を集めるCX-8。「走り」と「デザイン」「居住性」「安全性」には文句がありません。今後は、燃費性能を高める電動化技術の導入を期待したいと思います。

鈴木 ケンイチ

モータージャーナリスト。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)

鈴木 ケンイチ