スバル 新型レヴォーグ(VN5型)の欠点(デメリット)4つ

2020年8月から先行予約が始まったスバル 新型レヴォーグ(VN5型)。公式サイトでもエクステリア(外装)やインテリア(内装)が確認できるようになったものの、先行予約期間中は実物が確認できないことから契約を躊躇してしまう人もいるのではないでしょうか。

新型レヴォーグはモデルチェンジ前のスバル 初代レヴォーグに比べ、さまざまな点で優れていますが、数値を比べていくと浮かび上がってくる欠点もあります。まだ実物を見られないからこそ慎重になりたいと考えている方のためにも、今回は新型レヴォーグの欠点について考察していきます。

文・PBKK

Chapter
スバル 新型レヴォーグでは室内空間が狭くなった⁉
スバル 新型レヴォーグではエンジンが排気量1.8Lに統一されてしまった!
スバル 新型レヴォーグでは燃費がほぼ改善されていない⁉
スバル 新型レヴォーグのセンターインフォメーションディスプレイは使いこなすのに苦戦する⁉

スバル 新型レヴォーグでは室内空間が狭くなった⁉

スバル 新型レヴォーグは、モデルチェンジ前のスバル 初代レヴォーグに比べてボディーサイズが拡大されましたが、一方で室内空間は少し狭くなってしまったようです。実際に数値を比べてみましょう。

初代レヴォーグのボディーサイズは全長4,690mm×全幅1,780mm×全高1,490~1,500mmで、室内寸法は室内長2,005mm×室内幅1,490mm×室内高1,205mmとなっています。

対する新型レヴォーグは全長4,755mm×全幅1,795mm×全高1,500mmと、初代レヴォーグに対して全長205mm・全幅15mm・全高10mm拡大され、小さくなったヘッドライトや大型化されたヘキサゴングリルなど、エクステリアデザインの変化も相まって数値以上に大きくなった印象を与えます。

しかし、室内寸法は室内長1,900mm×室内幅1,515mm×室内高1,205mmと、室内幅25mmの拡大に対して室内長は105mmも短くなっています。ボディーサイズは205mmも長くなっているにもかかわらず、室内長は逆に切り詰められてしまった点は欠点と言えるでしょう。

一方で、スバルの公表している室内寸法の全長はフロントシート(前席)の前からリアシート(後席)の背もたれの後ろまでとなっています。つまり、ラゲッジスペース(荷室)が含まれていない数値であるため、実際の使い勝手にはほとんど影響がないレベルであることが伺えます。

また、室内長はインパネ(インストルメントパネル)の先端などから計測されている場合が多く、足元の空間については測定されていないこともあります。そのため、実際にフロントシートやリアシートに乗り込んだ際には、意識をしなければ初代レヴォーグに比べて狭いと感じることは難しいかもしれません。

スバル 新型レヴォーグではエンジンが排気量1.8Lに統一されてしまった!

次にスバル 新型レヴォーグの欠点として挙げられるポイントが、エンジンが1.8L 水平対向エンジンに統一されてしまったことです。スバル 初代レヴォーグでは排気量1.6LのFB16型エンジンと、2LのFA20型エンジンの2種類がラインナップされていました。

FB16型は最高出力125kW(170PS)/4,800~5,600rpm、最大トルク250Nm(25,5kgm)/1,800~4,800rpmという実用的なユニットとして幅広いグレードに搭載され、FA20型は最高出力221kW(300PS)/5,600rpm最大トルク400Nm(40.8kgm)/2,000~4,800rpmを発揮するスポーツカー顔負けのユニットとして、トップグレードに搭載されました。

しかし、新型レヴォーグでは全グレードにCB18型という新型エンジンのみが搭載されています。

CB18型は新型レヴォーグで初めて採用されたエンジンですが、最高出力130kW(177PS)/5,200~5,600rpm最大トルク300Nm(30.6kgm)/1,600~3,600rpmと、FB16型よりは高出力であるもののFA20型に比べるとパワー不足感が否めません。

初代レヴォーグが実用的なエンジンと、ハイパワーで非日常を感じられる性格のエンジンをラインナップしていたこととも対照的です。

また、大手中古車Webサイトでは2020年9月現在の時点で835台の初代レヴォーグが掲載されていますが、そのうち約13%にあたる110台をハイパワーなFB20型を搭載するグレードが占めており、少なくない数のユーザーがハイパワーな初代レヴォーグに魅力を感じていたことが伺えます。

スバルはWRC(世界ラリー選手権)をはじめとしたモータースポーツ活動でファンの獲得に成功した自動車メーカーであるため、ハイパワーエンジンを搭載したトップグレードの存在はスポーツカーを開発してきたスバルを象徴する存在です。そのため、ハイパワーエンジンをラインナップしないことは新型レヴォーグにとって大きな欠点と言えるでしょう。

スバル 新型レヴォーグでは燃費がほぼ改善されていない⁉

CB18型という新型エンジンを搭載したスバル 新型レヴォーグですが、実は燃費性能ではスバル 初代レヴォーグとほとんど差がありません。上記の通り、初代レヴォーグでは排気量1.6LのFB16型と、2LのFB20型という2種類のエンジンを搭載したグレードがラインナップされていました。

FB16型の燃費はJC08モード燃費で16km/LFA20型は同モード燃費で13.2km/Lとなっています。しかしCB18型の燃費はJC08モード燃費で16.5~16.6km/Lにとどまり、FA20型に対しては3.3~3.4km/L改善しているものの、FB16型との比較では0.5~0.6km/Lの改善に過ぎません。

また、FA20型はもともとハイパワーエンジンであるため、実用的エンジンとしての性格が強いCB18型がFA20型に対し良好な燃費を記録したのは当然の結果と言えます。

さらに、近年のカタログ燃費はJC08モード燃費からWLTCモード燃費に切り替わりつつあります。WLTCはJC08よりも実際の走行状況に近い数値を示すものとされており、新型レヴォーグのWLTCモード燃費は13.6~13.7km/Lとなっています。

駆動方式が異なるため厳密な比較はできませんが、例えば同じステーションワゴン形状のボディーを持ち2019年から販売されているトヨタ カローラツーリングは、排気量1.8L 直列4気筒エンジンにCVTを組み合わせたグレードでWLTCモード燃費14.6km/Lを記録しています。

さらに、ハイブリッドシステムを備えた4WDグレードの場合は同モード燃費で24.4~26.8km/Lを誇っています。

新型レヴォーグおよび初代レヴォーグは、1.8Lのカローラツーリングにはないターボチャージャーを装着し、それによって排気量を超えたパワーを実現していますが、その代償として同クラスのクルマと比較して燃費が悪化する傾向にあります。

また、近年はハイブリッド車が主流となり、ターボチャージャーを備える場合もエンジン自体の排気量を小さくし、パワー不足をターボチャージャーで補うダウンサイジングターボが一般的となっています。カローラツーリングも1.2Lモデルにはターボを搭載しています。

新型レヴォーグが搭載するCB18型はダウンサイジングターボエンジンと呼ぶには排気量が大きく、ハイパワーエンジンと呼ぶには最高出力が小さい、どっちつかずのエンジンであり、新型レヴォーグの欠点になると言えます。

また、スバルはJC08モード燃費とWLTCモード燃費を併記していますが、現在はWLTCモード燃費のみを記載する自動車メーカーが少なくありません。新型レヴォーグでも、あえて古いJC08モード燃費を測定・記載しているのは少しでも燃費を良く見せたいという思惑があるのかもしれません。

スバル 新型レヴォーグのセンターインフォメーションディスプレイは使いこなすのに苦戦する⁉

スバル 新型レヴォーグでは、アイサイトXを装備するグレードでは、センターコンソールに11.6インチセンターインフォメーションディスプレイが標準装備されます。

これは、カーナビゲーション機能をはじめ、エアコンやシートヒーターの温度設定、スマートフォンと連携してアプリが利用できる機能のほか、最上級グレードの「STI Sport EX」ではドライブモードのセレクトや、サスペンションやステアリングのモードチェンジを行う機能も備わっていますが、機能が多岐にわたることや、新しいシステムであることから使いこなすには時間がかかることが伺えます。

初代レヴォーグではインパネ上部に4.2インチ、または5.9インチのマルチファンクションディスプレイが装備され、時計やエアコン、平均燃費やアイサイト作動画面などを集約して表示していました。一方で、エアコンの操作やアイサイトの設定などはセンターコンソールやステアリングのアナログボタンを通じて行う方式でした。

そのため、ほとんどの操作をデジタルタッチパネル式に切り替えた新型レヴォーグのセンターインフォメーションディスプレイは、初めてレヴォーグに乗るユーザーはもちろん、初代レヴォーグユーザーにとってもすぐに使いこなすことは難しいと言えるでしょう。

新しい装備や技術を使いこなすのは一筋縄ではいかないものですが、従来の操作系を捨てて刷新してしまったことは、見方によっては欠点と感じるかもしれません。

スバル 新型レヴォーグは、SGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)に基づいて設計された新しいシャシーや、CB18型エンジンの採用、センターインフォメーションディスプレイを装備するなど、数々の新機軸を盛り込んだ意欲的なクルマです。

しかし、エンジンが1種類に統一されたことやアイサイトXをはじめとする各種装備が複雑化していったことで、初代レヴォーグユーザーやデジタル装備に疎いユーザーにとってはそれが欠点として映る可能性もあります。

そのため、新型レヴォーグの購入を迷っている場合は、展示車や試乗車が登場した後に、じっくりとクルマや装備を見てから判断した方が良いと言えるでしょう。

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