改名した時がねらい目!?旧モデル5台の中古車事情を徹底調査!

トヨタ GRスープラ

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メーカーがモデルラインアップを刷新するにあたり、車名改変、あるいは捨て去る…そんな大胆な選択を行う事があります。

今回はそんな改名した旧モデルの相場観をチェックしてみようと思います。

※ 2020年4月時点

YOSHIT

しがない古物商。中古車をたまに販売。愛車遍歴は、いすゞPAネロ、ホンダZ360、ランチア・デルタ・インテグラーレ16V、アルピーヌ・ルノーV6ターボ等々、一貫性もなく。現在はルノー・ルーテシア(CLIO4 120TCe)、KTM RC250(2輪)が愛車。旧車、ラテン車に目がないオッサンです。

YOSHIT
Chapter
寂しくもある車名変更…しかし良い点も!?
ヴィッツ
現ヤリス
デイズルークス
現ルークス
アクセラ
現MAZDA3
アテンザ
現MAZDA6
デミオ
現MAZDA2

寂しくもある車名変更…しかし良い点も!?

いつか乗りたかった、思い出あるモデルが消えてしまう。そんな寂しい思いをした方はたくさんおられるのではないでしょうか?その逆もしかり、最近では新型スープラなど、消滅していたモデルネームが急遽、復活したニュースで私達がざわつくわけです。

近年の国内メーカーは「世界戦略モデル」を軸に据えており、欧米はもとよりアジアなどの新興国もターゲットにマーケティングを進めています。かつてのように日本のみの販売が無くなってきているのがその証拠。

前述のようにかつてのモデルネームが消えていくのは売り上げ不振というケースもあるにせよ、ネーミング含め世界共通で展開していく意図があるのは間違いありません。

さて、車名変更・改名や消失は私たちにとって寂しいことばかりではありません。旧モデルとなれば、中古市場で良質なモデルがお買い得!になるともいえるからです。そんなモデルの一部を紹介してまいりましょう。

ヴィッツ

現ヤリス

2020年、ヴィッツは「ヤリス」と生まれ変わって日本のマーケットに颯爽と登場しました。これまでの直4エンジンを捨て、すべて直3エンジンとなり、またAWD仕様のスポーツモデル、GRヤリスの投入も驚いた方が多いのではないでしょうか。

WRC直系のモータースポーツのイメージが鮮烈に植え付けられ、車体の軽量化によってこれまで以上にスポーティな走りに磨きがかかったのも大きなポイントです。さて、そんなヤリスの前身モデルとなった「ヴィッツ」。そもそも国外ではこれまでもヤリスというネームで販売されており、当然ながら現行モデルへの進化の礎となっています。

1999年に発表されたヴィッツはモデルチェンジを経て熟成を続けており、また国民的人気モデルだっただけに中古のタマ数が多いのもポイントです。またターボ仕様・5MT仕様・ハイブリッド等々、各モデルのグレードも多岐にわたり、ビジネス・ファミリー・スポーツ等、オーナーの志向にフィットするモデルもあるといえます。

こうした多様なグレード展開も興味深く、中古市場で好みのモデルを探す楽しみもあるモデルといえるでしょう。
ヴィッツ中古相場
初代 モデル(1999年~)平均価格:約20万円

二代目モデル(2005年~)平均価格:約27万円

三代目モデル(2010年~)平均価格:約88万円

初期モデルはやはり安く、10万円ほどのものもあります。タマ数が多い分、その程度もピンキリといえます。価格やグレード、排気量などご自身のニーズにマッチするモデルをチェックしていくのが購入の際に気を付けるべき点といえそうです。

デイズルークス

現ルークス

近年の軽自動車は商品力が著しく向上し、まさに各メーカーがしのぎを削る戦国時代の状況が続いています。

2013年発表の日産 デイズルークスはそんな中、経営不振ながら軽自動車のノウハウを持っていた三菱自動車と日産が手を組んだ合弁会社NMKVによるモデルであり、洗練されたエクステリアとハイトなボディによる実用性も兼ね備え、日産 デイズ同様、単純にOEMモデルとは呼べない新しい価値観を提示した存在といえます。

デイズは2019年にフルモデルチェンジ、プロパイロット搭載やルノー系エンジンをベースに仕立て、より日産の独自色が強まったモデルと生まれ変わりました。そして2020年、デイズルークスはカタログから名を消し、日産 ルークスの名となっています。
デイズルークス中古相場
40万円~200万円

年式が低いものはターボ・ノンターボ問わず求めやすい価格になっていますが、走行距離が伸びているものも多いのが事実。軽自動車はどうしてもエンジンを回しがちになってしまうため、コンディションもまちまち。その点は注意してチョイスしたほうがいいと思います。

アクセラ

現MAZDA3

2003年にデビューしたマツダ アクセラは、ファミリアの後継モデルとして世界展開されたモデルです。

エクステリアデザインも欧州モデルを想起させるものがあり、実際2011年には世界累計生産300万台を達成した、マツダを支えるモデルのひとつとして存在していました。2009年、2013年にフルモデルチェンジを行い、3代目モデルまでが展開されています。

セダンかハッチバックを選ぶことができ、またパワーユニットも1.5Lガソリンエンジンから2.3Lターボエンジン+6MTといった刺激的なものから(2代目モデル)、現在に続くマツダの新世代テクノロジー「SKYACTIVEエンジン」を搭載し、高い環境性能をもたらして商品力を常に向上させ続けていたのも、世界中で支持を受けたポイントといえます。

残念ながら現在のマツダのラインアップは、マツダ3やマツダ6というように、欧米と同じく数字でモデルヒエラルキーを示すグローバルなネーミングに転換を行っています。そうした経緯もありアクセラの後継モデルは、鮮烈なエクステリアデザインと新世代の内燃機エンジンSKYACTIVE-Xを搭載した「マツダ3」となりました。

美しいデザインで評価の高いマツダ3ですが、そのデザインのベースになっているのは紛れもなく3代目アクセラであり、現在でも十分に魅力的な「魂動デザイン」を持ったモデルといえます。
アクセラ中古相場
初代 モデル(2003年~)平均価格:約25万円

二代目モデル(2009年~)平均価格:約50万円

三代目モデル(2013年~)平均価格:約140万円

アテンザ

現MAZDA6

アクセラ同様、アテンザもマツダのモデルから消えてしまいました。アクセラはマツダ3となったように、上位モデルであるアテンザは2019年に「マツダ6」と改名されました。アテンザのデビューは2002年デビュー。マツダ カペラの系譜を継ぐ、スタイリッシュなセダン&ワゴンモデルだったといえます。

パワーユニットは2.0L 直4/2.3L 直4ターボエンジンを用意。AWD仕様や5速MT、6速MTを用意したグレードもあり、スポーツセダンといって差し支えないモデルでもありました。2008年にフルモデルチェンジ、2代目となったアテンザは2.0Lエンジン/2.5L直4エンジンへとこれまでの2.3Lからサイズアップ。

しかし、これまでハイオクだったところがレギュラーガソリン仕様となり、経済性と環境性能を向上させるモデルとなりました。アテンザの最終モデルとなる3代目は2012年にリリース。

これまでのマツダのデザインコンセプトを刷新した「魂動デザイン(Soul of Motion)」を導入した最初の量産モデルとして、そのスタイリッシュ極まるエクステリアデザインでも大きな話題を呼びました。現在のマツダのデザインの源流ともいえる重要なモデル、と捉えることもできますね。

パワーユニットは2.0L/2.5Lガソリンエンジンは現在では御馴染となった「SKYACTIVE-G」を搭載。また新機軸となる2.2L 直噴ターボコモンレールディーゼルエンジン「SKYACTIV-D」を搭載。アイドリングストップ「i-stop」や先進安全技術の「i-ACTIVE SENSE」で、一気に新世代のスタイリッシュセダンとして躍り出ました。

その後、アテンザはフルモデルチェンジこそまだ行われておりませんが、2019年のマイナーチェンジの際に「マツダ6」と改名。他モデルと足並みを合わせるべくグローバル仕様のネーミングに刷新されています。
アテンザ中古相場
初代 モデル(2002年~)平均価格:約22万円

二代目モデル(2008年~)平均価格:約42万円

三代目モデル(2012年~)平均価格:約160万円

初代と二代目モデルは年式もあり、かなり価格がこなれているので、MTセダンを探している方にはかなりお買い得モデルといえそうです。三代目モデルは実質、現行「マツダ3」と同様モデルですから、マツダ6を良いと思った方は、中古でアテンザをチョイスするのも相当お得感があってよいかも。

後期モデルの方がグリルや顔つきがより洗練しているのでお勧めです。

デミオ

現MAZDA2

アクセラ/アテンザとマツダ車をご紹介してきましたが、最後に紹介するもやはりマツダのデミオです。他モデル達と同様、2019年に「マツダ2」のネーミングに刷新されています。その数字が示すように、マツダのエントリーモデルの役割を引く続き担うモデルであるのはいうまでもありません。

初代モデルは1996年に発表。コンパクトなFFステーションワゴンモデルとして、現在のスタイリッシュなハッチバックモデルとは少々違うテイストでした。とはいえ、多くの支持をうけ、街中でもよく見かけたモデルです。パワーユニットは後のモデル同様に1.3L/1.5L直4エンジンを搭載でした。

2002年のフルモデルチェンジで二代目となり、ステーションワゴンの体裁は変わらぬままでしたが、よりスタイリッシュなデザインとなり、同社のミニバン、MPVの小型版というような雰囲気でもあります。エンジンも当時、新開発の「MZR」エンジン(1.3L・1.5L)に正常進化したモデルでした。

2007年、3代目となるデミオはこれまでのステーションワゴンではなく、馴染みやすいハッチバックモデルに生まれ変わります。ともなって車体も軽量化。また、CVTトランスミッションの投入、環境性能に優れるミラーサイクルエンジンを投入など新機軸も多く、マツダとしてもエントリーグレードとしてかなり力を注いだモデルとなっています。

2014年、4代目となったデミオは「魂動デザイン」を採用。コンパクトながらも確実に「マツダの顔」をまとったスタイリッシュなモデルとなりました。パワーユニットは1.3L・1.5Lの「SKYACTIVE-G」に刷新。加えて1.5Lディーゼルターボの「SKYACTIVE-D」もラインアップに追加。

ハイブリッドに行かず、マツダなりのエコカーとして仕立てているのも、激戦区のコンパクトカー市場の中で独自の立ち位置を築いているといえるでしょう。
デミオ中古市場
初代 (1996年~)平均価格:約20万円

二代目(2002年~)平均価格:約18万円

三代目(2007年~)平均価格:約36万円

四代目(2012年~)平均価格:約115万円

初代と二代目モデルはやはり経年もあり底値で展開されています。しかし、現実的には三代目以降のハッチバックモデルを選ぶ方が多いと思います。ことさら、マツダ2に車名が改名となった四代目モデルは現役モデルでもあるので、価格と出物次第では相当お買い得といえるでしょう。
世界戦略モデルに名前を合わせる、そんな展開が国内メーカーの方針となっている昨今。

国内モデルが消えていくのは少し寂しく感じますね。改名モデルも今回紹介したように、高年式~現役といえるモデルまであります。

新型ではなく、あえて改名前のモデルを選択肢とする、というのも賢いクルマの選び方といえるでしょう。
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