マツダ アクセラスポーツをベースにしたマツダスピードアクセラはどんなクルマだった?~夢のエンジンSKYACTIVE-Xを搭載するMAZDA3と徹底比較!~
更新日:2024.09.09
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2019年はマツダの中心的モデル「アクセラ(アクセラスポーツ)」がフルモデルチェンジ、「MAZDA3」とグローバルネームを名乗るようになったことはクルマ好きなら忘れられないエピソードとなっていることでしょう。そのMAZDA3に設定されるSKYACTIV-Xは、まったく新しい方法によってガソリンを着火するエンジンです。
SKYACTIV-Xには高応答エアサプライとして機械式スーパーチャージャー(ブロワー)が搭載されています。ディーゼルはターボが当たり前ですが、MAZDA3(アクセラ)のガソリンエンジンとしては久しぶりの過給機付きエンジンといえます。では、かつてアクセラ(アクセラスポーツ)に搭載されていた過給エンジンとはどのようなものだったのでしょうか。
文・山本 晋也
SKYACTIV-Xには高応答エアサプライとして機械式スーパーチャージャー(ブロワー)が搭載されています。ディーゼルはターボが当たり前ですが、MAZDA3(アクセラ)のガソリンエンジンとしては久しぶりの過給機付きエンジンといえます。では、かつてアクセラ(アクセラスポーツ)に搭載されていた過給エンジンとはどのようなものだったのでしょうか。
文・山本 晋也
マツダ スピードアクセラはかつてアクセラ(アクセラスポーツ)に過給エンジンがあった!
アクセラ(アクセラスポーツ)のガソリン車には、かつてパフォーマンス重視の2.3Lガソリン直噴ターボエンジンが設定されていました。そのエンジンを搭載していたグレードの名前は「マツダスピードアクセラ(海外名:Mazdaspeed3)」といいます。
初代アクセラのマイナーチェンジ(2006年)で追加されたマツダスピードアクセラは、FFながら264PS(194kW)の最高出力と380Nmの最大トルクを誇るホットモデル。
これだけの高出力をフロントの二輪で受け止めてしまうのはアクセラ(アクセラスポーツ)のシャシー性能の高さに自信ありということなのでしょうが、それなりにスリリングな走り味という評価もあります。
このエンジンは、2009年にフルモデルチェンジした2代目でも設定されていました。スペックはそのままですが、初代のマツダスピードアクセラではボンネット形状を変えることでインタークーラーへ風を当てていたのに対して、2代目のマツダスピードアクセラはボンネットにエアインテークを開けていたのが外観上の特徴です。
大きなリアスポイラーも装備、なかなか勇ましい出で立ちでした。いずれもトランスミッションは6速MTの組み合わせだったのもマニアックなイメージです。
マツダスピードアクセラのエンジンは2.3L直噴ターボの最高出力は264馬力!!…だがしかし
当時としては先進的なガソリン直噴ターボエンジンですから、コストがかかっています。当然、車両価格も高くなっていました。初代のマツダスピードアクセラと標準的な2.0Lエンジン(NA)車の価格差はおよそ33万円、2代目ではマツダスピードアクセラと2.0L車の価格差は50万円以上になっていたのです。
※ いずれも税抜き価格を参考に比較
※ いずれも税抜き価格を参考に比較
しかもパフォーマンス重視のエンジンですから、燃費性能は二の次という位置づけでした。初代マツダスピードアクセラの10・15モード燃費は11.2km/L。2代目マツダスピードアクセラのJC08モード燃費は10.0km/Lとなっていたのです。実際の燃費が一桁だったのはいうまでもありません。
マツダスピードアクセラMAZDA3のエンジン「SKYACTIV-X」はパワー重視ではない!?
さて、現行のMAZDA3に設定される「SKYACTIV-X」エンジンは、スーパーチャージャー付きエンジンといっても、マツダスピードアクセラのようなパフォーマンス一辺倒のキャラクターではありません。排気量は2.0Lで、最高出力は180PS(132kW)、最大トルクは224Nmと控えめです。
そもそもSKYACTIV-Xのスーパーチャージャーはパワーを得るためのものではなく、「SPCCI(火花点火制御圧縮着火)」というまったく新しい方式を実現するために必要なデバイスといえます。
通常のガソリンエンジンは空気とガソリンを混ぜたところに火花を飛ばして着火しますが、SPCCIというのは火花による圧力増を利用して圧縮着火させるというもの。ガソリンとディーゼルのメリットを併せ持つ、マツダだけが実用化した新世代のエンジンなのです。そして、この新しい点火方式は燃費性能の向上に利用されています。
そもそもSKYACTIV-Xのスーパーチャージャーはパワーを得るためのものではなく、「SPCCI(火花点火制御圧縮着火)」というまったく新しい方式を実現するために必要なデバイスといえます。
通常のガソリンエンジンは空気とガソリンを混ぜたところに火花を飛ばして着火しますが、SPCCIというのは火花による圧力増を利用して圧縮着火させるというもの。ガソリンとディーゼルのメリットを併せ持つ、マツダだけが実用化した新世代のエンジンなのです。そして、この新しい点火方式は燃費性能の向上に利用されています。
もっとも燃費性能に優れるのは16インチタイヤを履いた6速MTの2輪駆動(FF)ですが、その燃費性能はWLTCモードで17.4km/Lとなっています。これは1.5LクラスのFF車と同等といえるもので、パフォーマンスと環境性能を高い次元で両立したパワーユニットといえます。
その意味では、かつてのマツダスピードアクセラとはまったくキャラクターが異なっています。
ひとつ似ているとすれば、標準的なグレードとの価格差でしょうか。マツダスピードアクセラは前述のように2代目では50万円以上の差がありました。SKYACTIV-Xを搭載するグレードも標準的なガソリン車のグレードと比べると、税抜き価格で60万円以上も高価になっています。
マツダスピードアクセラは圧倒的なパフォーマンスが、その価格差を納得させる力になっていました。SKYACTIV-X搭載車はマニアックなメカニズムや好バランスなパフォーマンスがセールスポイントですから価格差を納得するのには、オーナーに求められる知識やスキルも必要といえるかもしれません。
その意味では、かつてのマツダスピードアクセラとはまったくキャラクターが異なっています。
ひとつ似ているとすれば、標準的なグレードとの価格差でしょうか。マツダスピードアクセラは前述のように2代目では50万円以上の差がありました。SKYACTIV-Xを搭載するグレードも標準的なガソリン車のグレードと比べると、税抜き価格で60万円以上も高価になっています。
マツダスピードアクセラは圧倒的なパフォーマンスが、その価格差を納得させる力になっていました。SKYACTIV-X搭載車はマニアックなメカニズムや好バランスなパフォーマンスがセールスポイントですから価格差を納得するのには、オーナーに求められる知識やスキルも必要といえるかもしれません。
2.3L直噴ターボのマツダスピードアクセラとSKYACTIV-Xを積んだMAZDA3は、そのキャラクターを考えると比較するのはナンセンスといえます。しかし、マツダの熱心なファンが、テクノロジーの象徴という部分に惹かれてオーナーになりたいと思うという点でウン十万円のエクストラコストを惜しまないという点では共通性も感じます。
マツダスピードアクセラは結果的に2世代で消滅してしまいました。SKYACTIV-Xは同じような運命とならないことを願うばかりです。
マツダスピードアクセラは結果的に2世代で消滅してしまいました。SKYACTIV-Xは同じような運命とならないことを願うばかりです。