普段は86に乗ってるけど次の家族車候補かも!?スズキの遊べる軽スズキ 新型ハスラーを試乗チェック!

スズキ ハスラー 宮越孝政

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6年の時を経て新型へとスイッチしたスズキのハスラーは、一見するとキープコンセプト。ヒット作の2代目であればコンサバティブになるのも仕方がないところか!? だが、中身を見れば見るほど痒い所に手が届く改良が施されていることが明らかになってきた。見た目通り、骨太にそして上質に生まれ変わった新型ハスラーはどう変化したのかをじっくり見てみよう。

文・橋本洋平/写真・宮越孝政

橋本 洋平|はしもと ようへい

学生時代や自動車雑誌編者時代から数々のレースに参戦。2003年にフリーランスとなり、業界トップクラスの速さを持つモータージャーナリストとして活躍。
2013年より86/BRZレースにも参戦、2019年はクラブマンシリーズEXPERTでチャンピオンを獲得。AJAJ会員、日本カーオブザイヤー選考委員

橋本 洋平
Chapter
2代目となって独立したモデルとなった新型ハスラー
新型 スズキハスラーに搭載されるエンジン、 NAとターボの違いは?
新型 スズキハスラー、どっちを選べと言われたらターボかも?!

2代目となって独立したモデルとなった新型ハスラー

遊べる軽として誕生した初代ハスラーは、ワゴンとSUVを融合した軽クロスオーバーという新たなるジャンルを開拓することで、2014年1月の発売以降、累計販売台数48万台を記録。丸形ヘッドライトを採用したファニーフェイス、そして鮮やかな外装色とマッチさせたインテリアは、思わず「欲しい!」と思わせる仕上がりをしていたことが脳裏に焼き付いている。

身近な友人もそれにヤラれ、買うつもりなど毛頭なかったのにディーラーで見た瞬間に一目惚れして購入してしまったというエピソードがある。それにほどにインパクトがある軽自動車、それが初代ハスラーだったように感じている。
2代目として登場した新型ハスラーは、この成功を引き継がなければならないし、そして超えなければならない。実に難しいのがヒットの後の2代目である。果たしてどのように成長するのかと思っていたが、登場してみればキープコンセプト。写真で見ただけではその違いを感じ取ることは少ないかもしれない。
だが、実車を目の前にすると、変わっていないようで変化があるデザインではないだろうか。顔つきやテール周りこそ初代を踏襲しているように思えるが、丸みを帯びた感覚はなくなり、全体的に力強く角ばったデザインとなり、質感がかなり高められ大人びた風格となったことが印象的だ。

新型ハスラーのインテリアはさらにSUV色を強める

パドルシフトも備わる
インテリアはSUV色を高め、これまた力強さが伝わってくるものだが、バーミリオンオレンジ、デニムブルー、そしてグレーイッシュホワイトの差し色をインパネやシートに配することで、華やかさも兼ね備えているから遊び心は相変わらず。

ステアリングのみ他の車種からの転用であることが明らかに伝わって来てしまうことがやや残念。開発者曰く「ステアリングだけはシャシー部門が担当なもので……」とのこと。だが、それ以外は派生車種ではなく独立した一台であることが伝わる内容があると思えた。
それを肌で感じ取れたのはシートの出来栄えだ。先代よりも座面を30ミリ広げたというフロントシートの座り心地はかなり良い。程よいホールド感とシッカリと座らせてくれる印象があったのだ。

1児のパパだからわかる?新型ハスラーの注目ポイント!

ドアの開け閉めもしやすく、軽く造られているところは好感触。リアドアについても開口部が大きく、アプローチしやすいところが扱いやすい。また、ラゲッジも小物を配置しやすいから遊具の収納もバッチリ。
こうした居住性はリアにも展開されており、角ばったデザインを採用したボディのおかげもあって、頭上空間はタップリとしている。また、ホイールベースが35ミリ拡大されたことで足元のスペースも豊かで、足を組んで乗ることだって容易だった。

大人4人がシッカリとくつろげる空間を確保したこと、これが新型ハスラーのトピックのひとつ。
荷室開口幅(最大):1,095、荷室開口高:850、荷室床面長(2名乗車時:最大):1,140、荷室床面長:(4名乗車時:最大)445。また、後席は荷室側からスライドが可能。
ルーフパネルとメンバー接合に高減衰マスチックシーラーを軽自動車として初採用するなどの音振対策をおこなった結果、静粛性も高まり会話のしやすさが向上していることも印象的だった。スズキが計測したデータによれば会話明瞭度は60km/h走行時にフロントで7.7%、リアで2.7%先代よりも向上。

100km/h走行時はフロント6%、リア5%高まっている。一般的に会話明瞭度は3%引き上げられれば聞き取りやすさの違いは明確になるそうだ。

1児のパパだからわかる?ハスラーの注目ポイント

ドアの開け閉めもしやすく、軽く造られているところは好感触。リアドアについても開口部が大きく、アプローチしやすいところが扱いやすい。また、ラゲッジも小物を配置しやすいから遊具の収納もバッチリ。

新型 スズキハスラーに搭載されるエンジン、 NAとターボの違いは?

ノンターボ車。燃費で言えば圧倒的にNAのほうが有利だが、だからといって走らないNAじゃないところがポイント。けれども、その分エンジン回転を高める傾向が強い。ターボは低回転で街中から高速までこなす。
ターボ車
エンジンはNAとターボの2種類がラインアップ。共にリチウムイオンバッテリーを搭載したマイルドハイブリッドを組み合わせている。注目なのはNA仕様で新開発のR06D型エンジンを搭載。スズキの軽自動車として初のデュアルインジェクションシステムやクールドEGRを奢っている。

その2WDモデルに試乗に街中で少しだけ試乗したが、発進加速では俊敏さが際立っていた。力不足を感じることなくスイスイと要求通りに応えてくれるからストレスはない。ただ、その分ちょっとした発進加速でCVTが即座に回転を高める制御が施されており、やや騒がしいところがネックだと感じた。

回転上昇を抑えトルクで走らせるような仕立てか、そんなモードを追加して欲しいところだ。

新型 スズキハスラー、どっちを選べと言われたらターボかも?!

一方のターボモデルはその辺りの仕立て方が実に上手く、低回転をキープしながらググッと速度を重ねて行くからマナーが良い。別に飛ばさないしターボはいらないと片付けてはいけない。上質に走りたいなら断然ターボを選択すべきだろう。もちろん、ターボモデルでは高速時の余裕もあり、中間加速も巡行時にも力不足を感じるようなことはない。

それだけでなく、ターボモデルにはパワーモードを備え、スイッチを押せばさらに力強いモーターアシストを展開してくれるから爽快だ。そのほか、スズキの軽として初のACCや車線逸脱抑制機能を搭載し、高速道路におけるサポートを充実したところも評価したいポイント。実際にそれを使ってみたが、車間距離を確実にキープする前走車追従機能を展開していること、そして車線逸脱した際にもステアリングを引き戻してくれるところにはかなり安心できるものがあった。
それらは、そもそもの車体の直進安定性が高いこともそれを後押ししていると思えるが、高速道路においてそれほど不満がないことは好感触だった。構造用接着剤を用いるなどのボディ剛性向上策や新たなプラットフォームであるハーテクトにより、先代が持つ線の細さは一切感じない。骨太に生まれ変わったボディ&シャシー性能は、ドッシリとしたステアリングインフォメーションやフラットな乗り味を展開するダンピング性能に確実に効いている。

ねじり剛性で30%、曲げ剛性で20%アップという数値はダテじゃない。このように可愛らしい見た目はたくましく成長し、走りや機能の面では大幅に上質になったと思える新型ハスラーは、保守的かと思いきやかなりの領域で攻め切った一台であるように感じることができた。これならヒット作の2代目であっても成功しそうだと思わせる仕上がりがあった。
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