日産 マーチの前後座席(シート)の使い勝手は？広さやサイズも徹底解説

日産 マーチの初代モデルは1982年に登場。低価格でシンプルながらも十分な使いやすさを持つコンパクトカーとして一世を風靡しました。国内ではコンパクトカー市場を活発化し、これを機にマーチに続いて他社がさまざまなコンパクトカーを投入したといわれています。

登場以来、幾度も改良を重ねられ、歴史ある4台目の現行モデルは2010年にモデルチェンジが行われています。車体サイズは初代モデルからあまり変更せず、デザインや操作性、燃費向上に焦点を当てて、どんな人でも運転しやすいクルマを実現。

今は、収納機能に特化したスーパーハイトワゴンなどさまざまな軽自動車が登場していますが、マーチのように無駄な物を無くし、足取り軽くどこへでも連れて行ってくれそうなコンパクトカーも実に魅力的です。

日産の公式サイトに足を運ぶと一目で確認できますが、そのバリエーション豊かなボディカラーに心を掴まれます。性別問わず多くの人に愛される深みのあるカラーが揃っており、選ぶ楽しみを与えてくれます。お気に入りのカラーが、日常をさらに彩ることでしょう。

小回りが利くマーチは、市街地でのすれ違いや立体駐車場などで駐車をスムーズに行えるなど、コンパクトカーの能力を最大限に発揮します。またしかしそこで気になるのは室内のサイズです。ハッチバックタイプであるマーチの室内はどのような空間が広がっているのでしょうか。

車体寸法
全長3,825mm×全幅1,665mm×全高1,515mm
室内寸法
室内長1,905mm×室内幅(前席)1,350mm×室内幅(後席)1,245mm×室内長1,270mm

軽自動車の規格、全長3,400mm×全幅1,480mm×全高2,000mmに比べ、全高は軽自動車が上回りますが、全長と全幅はマーチの方が少し大きくつくられています。それによりコンパクトボディの見た目からは想像できない広い室内空間が確保されています。

マーチの室内幅は前後席で寸法が異なり、前席の足もとにはゆとりを持たせ、ドライバーが運転しやすい構造となっています。また運転席と助手席の間にギアとサイドブレーキを設置したことにより、前席で肩を並べて座っても窮屈さを感じさせません。後席は前席と比べ、ややコンパクトな印象ですが、大人2名で乗るには十分な広さです。

インテリアデザインにも工夫が施され、グレードにより色が異なりますが「プラム」「ナチュラルグレー」「ブラック」が設定されています。シートも、高品質で防水加工、さらに肌触りの良いクロスシートを採用しました。モダンですっきりとしたインテリアカラーで、圧迫感のない上質な空間を演出しています。

マーチの運転席は圧迫感のない居住空間に加え、運転のしやすい運転席を実現しています。「小柄な女性でも運転しやすい、見晴らしのいい運転席」のフレーズ通り、運転席前方のガラスエリアは前後左右に限りのない視界が広げられています。

フードやフロントフェンダーが見えるので、車幅や奥行きなどを確認しやすく、狭い道なども曲がりやすく安心です。また視界の良さにより、わずか4.5mmの最小回転半径も可能なので、縦列駐車やUターンもスムーズに行えます。

また運転席とステアリングの高さを調節できる「運転席シートリフター(ラチェット式)」「チルトステアリング」がマーチ全車に標準採用されています。運転席は最大31.4mm、ステアリングは最大39.4mmも高くなります。乗る人それぞれの体格に合わせて、丁度いい自然な姿勢を保つことができるので、運転の際の疲労軽減に貢献します。

運転席周辺のシフトレバーやスイッチなどは操作しやすいようにコンパクトにまとめられ、走行状態を確認するスピードメーターも視認性の高い大きなメーターが採用されるなど、ドライバーが運転しやすいように細部までこだわり設計されています。

マーチの前後席にはシンプルながらも実用的な収納機能が装備されています。

インストアッパーボックス
助手席前のインパネに内蔵されたボックスです。たっぷりとした奥行きのあるスペースには、運転時によく使うメガネケースや、常備しておきたいティッシュボックスなど、小物から少し大きめのものまで収納可能です。「インストアッパーボックス」は、Sグレードを除く全てのマーチに装備されています。

インストアンダーボックス&グローブボックス
インストアッパーボックスの真下に設置された収納スペースです。「インストアンダーボックス」にはすぐ取り出したいスマホやハンカチ、駐車券や通行券などのチケットを置いておくのに最適です。「グローブボックス」には、保険書類など普段は使わないけれど収納しておきたいもの、ガイドブックなど必要なときにサッと出せるものの収納にぴったりです。

フロントカップホルダー
運転席と助手席の間、ギアとアクセル前方に設置されています。タンブラー2つを並べて収納できるスペースです。深さがしっかりあるのでドリンクが溢れるといった心配がありません。ドリンクホルダーは座席の前方に設置されていることが多いですが、インパネ下部に設置することによって、さらに視界が広がります。

フロントドアポケット(ボトルホルダー付)
運転席の扉に設置されているポケットです。ボトルホルダーも設けられているので、予備のペットボトルを収納しておくことができます。

パーキングブレーキサイドポケット
サイドブレーキの隣に設置されたCDなどのディスクを収納できるスペースです。今はBluetoothを繋げて音楽を聴くなどCDを使用する機会が減りましたが、マーチは幅広い層が乗りやすいように意識してつくられているので、CDを使用する方に嬉しい便利なスペースが設けられています。

リヤカップホルダー
後席の真ん中に設置されているドリンクホルダーです。車内で過ごすにあたって、あらゆる場所にドリンクホルダーが設置されているのは嬉しいポイントです。かゆいところに手が届くシンプルな収納がマーチには詰まっています。

マーチはハッチバックタイプのコンパクトカーのため、ハイトワゴンのような大量の荷物の収納などには向いていません。ですが、後席の座席を倒すことで荷室を広げることが可能です。すぐ手に届く場所に荷物があると必要なときにすぐ取り出せて整理しやすく、さらに積み込みもしやすいので便利です。

日産の人気コンパクトカーであるマーチは、時代とともにモデルチェンジされ、シンプルながらもさまざまなニーズに応える便利な装備がされています。おしゃれなコンパクトボディに詰め込まれた、使い勝手のよい収納機能や快適な乗り心地などの魅力を、ぜひ試乗でチェックしてみてください。