歴代フィットハイブリッドのメカニズム(仕組み)を振り返る
更新日:2024.09.09
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21世紀になってホンダが登場させたコンパクトカー「フィット」は、ときには日本一売れるクルマになるなど、日本のユーザーに親しまれています。そして、ついに4代目となる新型モデルが2020年2月に発売となることも発表されました。
新型フィットでは「e:HEV」という新しいハイブリッドシステムが採用されることもトピックスのひとつです。フィットといえば、ハイブリッドのイメージも強いクルマです。歴代フィットに採用されたハイブリッドシステムを振り返って、その進化を思い出してみましょう。
文・山本 晋也
新型フィットでは「e:HEV」という新しいハイブリッドシステムが採用されることもトピックスのひとつです。フィットといえば、ハイブリッドのイメージも強いクルマです。歴代フィットに採用されたハイブリッドシステムを振り返って、その進化を思い出してみましょう。
文・山本 晋也
2代目フィットにはじめてハイブリッド「IMA」を採用
21世紀になってホンダが登場させたコンパクトカー「フィット」は、ときには日本一売れるクルマになるなど、日本のユーザーに親しまれています。そして、ついに4代目となる新型モデルが2020年2月に発売となることも発表されました。
新型フィットでは「e:HEV」という新しいハイブリッドシステムが採用されることもトピックスのひとつです。フィットといえば、ハイブリッドのイメージも強いクルマです。歴代フィットに採用されたハイブリッドシステムを振り返って、その進化を思い出してみましょう。
初代フィットの誕生は2001年6月でしたが、そのモデルにはハイブリッドの設定はありませんでした。2007年10月にフルモデルチェンジした2代目でも当初はハイブリッドの設定はありません。フィットハイブリッドが初めて登場したのは2010年10月、2代目モデルのマイナーチェンジのときです。
その最初のフィットハイブリッドに採用されたシステムは「IMA」というものでした。このアルファベットは「インテグレーテッド・モーター・アシスト」の略称ですが、アシストという言葉が入っていることからもわかるように、あくまで主役はエンジンでモーターは補助的な役割のマイルドハイブリッドです。そのため意識的にEV走行(エンジンをとめたまま走る)ことはできません。
組み合わされたエンジンは1.3Lで可変バルブタイミング機構を備えたもの。トランスミッションはCVTを基本としています。スポーティーな「RS」グレードでは1.5Lエンジンとなり、6速MTの設定もありました。なお、1.3Lエンジンのフィットハイブリッドはマイナーチェンジによって進化。最終モデルのJC08モード燃費は26.4km/Lとなっていました。
新型フィットでは「e:HEV」という新しいハイブリッドシステムが採用されることもトピックスのひとつです。フィットといえば、ハイブリッドのイメージも強いクルマです。歴代フィットに採用されたハイブリッドシステムを振り返って、その進化を思い出してみましょう。
初代フィットの誕生は2001年6月でしたが、そのモデルにはハイブリッドの設定はありませんでした。2007年10月にフルモデルチェンジした2代目でも当初はハイブリッドの設定はありません。フィットハイブリッドが初めて登場したのは2010年10月、2代目モデルのマイナーチェンジのときです。
その最初のフィットハイブリッドに採用されたシステムは「IMA」というものでした。このアルファベットは「インテグレーテッド・モーター・アシスト」の略称ですが、アシストという言葉が入っていることからもわかるように、あくまで主役はエンジンでモーターは補助的な役割のマイルドハイブリッドです。そのため意識的にEV走行(エンジンをとめたまま走る)ことはできません。
組み合わされたエンジンは1.3Lで可変バルブタイミング機構を備えたもの。トランスミッションはCVTを基本としています。スポーティーな「RS」グレードでは1.5Lエンジンとなり、6速MTの設定もありました。なお、1.3Lエンジンのフィットハイブリッドはマイナーチェンジによって進化。最終モデルのJC08モード燃費は26.4km/Lとなっていました。
3代目フィットはDCTとモーターを組み合わせた「i-DCD」
2013年9月、フィットが通算3代目に変わった際、同時にフィットハイブリッドもフルモデルチェンジを果たしました。このとき、パワートレインからボディーまで全身が一新されています。
ハイブリッドシステムは「スポーツハイブリッドi-DCD」となりました。1.5Lエンジンと7速DCTにモーターをセットしたシステムで、バッテリーも従来のニッケル水素電池からリチウムイオン電池へと変わっています。その大幅な進化はJC08モード燃費36.4km/Lという驚異的な性能向上からも明らかです。
またエンジンとモーターの接続・切断が自由自在で、エンジンだけで走ることもできれば、モーターだけで走行するEVモードも実現しました。さらにエンジンとモーターの出力をミックスすることでコンパクトカーとは思えないハイパフォーマンスも実現しています。
しかし、このチャレンジングなハイブリッドシステムはけっして完璧なものではありませんでした。デビューから一年ほどの間に、何度もリコールを出すことになってしまいユーザーの信頼を失うことになります。マイナーチェンジごとに洗練されていき、実際には後期モデルについては驚くほどスムースな乗り味に仕上がっていました。
また、2017年6月のマイナーチェンジでは、安全運転支援システム「ホンダセンシング」を幅広く採用するなどコンパクトカーの新しい基準としてレベルアップしていたことも印象深いところです。とはいえ、売上的にはかつてのようにトップを争うことはなく、最初の躓きをカバーすることはできなかったというのが正直なところでしょう。
ハイブリッドシステムは「スポーツハイブリッドi-DCD」となりました。1.5Lエンジンと7速DCTにモーターをセットしたシステムで、バッテリーも従来のニッケル水素電池からリチウムイオン電池へと変わっています。その大幅な進化はJC08モード燃費36.4km/Lという驚異的な性能向上からも明らかです。
またエンジンとモーターの接続・切断が自由自在で、エンジンだけで走ることもできれば、モーターだけで走行するEVモードも実現しました。さらにエンジンとモーターの出力をミックスすることでコンパクトカーとは思えないハイパフォーマンスも実現しています。
しかし、このチャレンジングなハイブリッドシステムはけっして完璧なものではありませんでした。デビューから一年ほどの間に、何度もリコールを出すことになってしまいユーザーの信頼を失うことになります。マイナーチェンジごとに洗練されていき、実際には後期モデルについては驚くほどスムースな乗り味に仕上がっていました。
また、2017年6月のマイナーチェンジでは、安全運転支援システム「ホンダセンシング」を幅広く採用するなどコンパクトカーの新しい基準としてレベルアップしていたことも印象深いところです。とはいえ、売上的にはかつてのようにトップを争うことはなく、最初の躓きをカバーすることはできなかったというのが正直なところでしょう。
フルモデルチェンジで「e:HEV」を採用する4代目フィット
このように、フィットハイブリッドとしては2世代があるわけですが、最初のフィットハイブリッドは「IMA」というマイルドハイブリッド、次のフィットハイブリッドは「スポーツハイブリッドi-DCD」という異なるシステムが採用されました。
そして2020年2月にフルモデルチェンジを予定している新型フィットハイブリッドでは、またまた新しいシステムに変わることが発表済みです。それは「e:HEV」といいます。
エンジンが1.5Lなのは変わりませんが、「e:HEV」ではモーターが2つあります。それぞれ発電用と駆動用という役割を与えられています。ホンダのハイブリッドシステムでいえば、従来「スポーツハイブリッドi-MMD」と呼ばれて、アコードやオデッセイなどに採用されている“高級なシステム”がフィットにも採用されるというわけです。
EV走行の範囲は広がりますし、基本的にモーターで駆動するシステムですから変速ショックなどがなくスムースでトルクフルなことが期待できます。さらに状況によってはエンジンだけで走行することで、より効率的な走りを実現するというのも、ホンダの2モーターハイブリッドの特徴です。新型フィットでも、そうした良さは感じられることでしょう。
そして2020年2月にフルモデルチェンジを予定している新型フィットハイブリッドでは、またまた新しいシステムに変わることが発表済みです。それは「e:HEV」といいます。
エンジンが1.5Lなのは変わりませんが、「e:HEV」ではモーターが2つあります。それぞれ発電用と駆動用という役割を与えられています。ホンダのハイブリッドシステムでいえば、従来「スポーツハイブリッドi-MMD」と呼ばれて、アコードやオデッセイなどに採用されている“高級なシステム”がフィットにも採用されるというわけです。
EV走行の範囲は広がりますし、基本的にモーターで駆動するシステムですから変速ショックなどがなくスムースでトルクフルなことが期待できます。さらに状況によってはエンジンだけで走行することで、より効率的な走りを実現するというのも、ホンダの2モーターハイブリッドの特徴です。新型フィットでも、そうした良さは感じられることでしょう。
気になる燃費性能は、現時点では未公開となっています。フィットハイブリッドがモデルチェンジの際に3割程度の燃費改善をしたことを考えると、今度も同じくらいの伸びを期待してしまいます。
いまの燃費表記はJC08モードからWLTCモードに変わっているのでそのまま比較はできません。どうしてもWLTCモードのほうが数字的には厳しくなりがちです。それでも、従来モデルをしのぐ燃費性能を期待したいものですね。
いまの燃費表記はJC08モードからWLTCモードに変わっているのでそのまま比較はできません。どうしてもWLTCモードのほうが数字的には厳しくなりがちです。それでも、従来モデルをしのぐ燃費性能を期待したいものですね。