フォルクスワーゲン T-CROSS(ティークロス)はどんな場面でも快適に過ごせる最も小さいコンパクトSUV!

VW T-Cross 宮越孝政

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フォルクスワーゲン T-CROSSはポロをベースにしたフォルクスワーゲンのもっとも小さなSUVモデルです。SUV風味に仕立てたポロと言えなくもないのですが、コンパクトSUV市場は、欧州でも日本でも拡大しているマーケットだけに、単にSUV風味に仕立ててお茶を濁すのではなく、かなり本気で作り込まれています。

文・斎藤 聡/写真・宮越 孝政

斎藤 聡|さいとう さとし

モータージャーナリスト。車両のインプレッションはもちろん、タイヤやサスペンションについて造詣が深く、業界内でも頼りにされている存在。多数の自動車雑誌やWEBマガジンで活躍中。某メーカーのドライビングインストラクターを務めるなど、わかりやすい解説も人気のヒミツ。日本自動車ジャーナリスト協会会員、日本カーオブザイヤー選考委員。

斎藤 聡
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コンパクトなボディーと優れた走破性
効率的なTSIエンジンで俊敏な走りを実現!
広々として柔軟性を備えたインテリア

コンパクトなボディーと優れた走破性

SUVらしいタフな雰囲気のフロントマスクや、リヤバンパーのデザインはもちろんのこと、例えば全高はポロより130mmも高い1,580mmあります(ルーフレール込み)。最低地上高もポロの140mmに対して40mmほど高くなっているそうです。
もともとコンパクトSUVは、悪路走破性の高さはそこまで求められていませんから、際立って最低地上高が高い必要はありません。しかし、ちょっとした凸凹道も気にすることなく入り込んでいけるのはメリットと言えます。

タイヤ&ホイールは、ポロが16インチと17インチの設定であるのに対して、T-CROSSはTSI 1stが16インチ、TSI 1st plusが18インチのタイヤが装着されています。ちなみに試乗したTSI 1st plusにはピレリP7が装着されていました。

効率的なTSIエンジンで俊敏な走りを実現!

エンジンもポロ(ABA-AWCHZ型)と同じ999ccの3気筒直噴ターボですが、チューニングが異なっていてT-CROSSのほうが若干パワフルになっています。ポロ(ABA-AWCHZ型)の95ps/175Nmに対し、T-CROSSは116ps/200Nmです。

実際に走らせてみた印象は、ビックリするほど速くはないけれど、必要十分なトルクがあって、力強く走ってくれます。それとともに良かったのが3気筒エンジンの存在感です。3気筒エンジン独特の鼓動感はあるのだけれど、振動というほど不快ではなく、エンジンの存在感を感じさせてくれるものです。

快適性・静粛性を求めるクルマならもっと振動が少なくてもいいかもしれないが、運転すること移動すること自体が楽しさに含まれます。この手のクルマだと振動の無い滑らかなエンジンよりも、むしろちょっとエンジンの爆発感が感じられるほうがクルマを身近に感じられます。
着座位置はポロに比べると100mmほど高くなっているそう。実際に運転席に乗り込んでみると、アイポイントが高く、見晴らしが良いので、走らせていて閉塞感がないのがいいところです。これはSUV全般に通じる魅力の一つですが、T-CROSSはポロに比べて100mmの着座位置の高さがあるにも関わらず腰高感がありません。

そこがフォルクスワーゲンのほとんどの車種が採用するMQBプラットフォームの良さです。4つのタイヤがピタッと路面をとらえている接地感と安定感がその要因かもしれません。
タイトな山道をちょっと速めのペースで走らせたとき、4つのタイヤがしっかりと路面をグリップして、文字どおりオン・ザ・レールの感覚でコーナリングしてくれます。その操縦性の良さがT-CROSSの魅力の一つと言っていいと思います。

コンパクトSUVというと、既存のコンパクトカーの車高を少し高くして、SUV風の架装をして仕立てているクルマがたくさんある中で、操縦性の良さをちゃんと確保しています。1,760mmという車幅は、もはやコンパクトではありませんが、ハンドル操作にあいまいな所がほとんどないので、数字以上にクルマがコンパクトに感じられます。

広々として柔軟性を備えたインテリア

T-CROSSのもう一つの魅力は、コンパクトに取り回せるボディサイズなのに、室内が広く使えるところです。リヤシートは140mmスライド可能で、フロントシートを後ろに下げても、リヤシートを後ろまでスライドすればたっぷりとしたレッグスペースが確保できます。

リヤシートを一番前までスライドさせるとフロントシートを前寄りにしないとレッグスペースが足りなくなるほどですが、そのぶん積載性は抜群で、2段階に高さを変えられる荷室のフロアボードを下段にセットすることにより、広いスペースが現れます。
シートアレンジによって大人5人がゆったり乗ることも、あるいはたっぷり積載可能なトランスポーターとしての役割まで、必要に応じて自由自在にアレンジすることができるのがT-CROSSの懐の深さです。ベーシックなポロにはポロの良さがありますが、T-CROSSにはプラスアルファの走る楽しさと使う楽しさがあります。
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