やけに安いガソリンスタンド…品質は大丈夫?どうして安いの?

セルフ式ガソリンスタンド

現在、世界的な情勢も相まって、ガソリンの小売価格は高騰しています

そんな中、比較的低価格でガソリンを販売しているのが、いわゆる「プライベートブランドのスタンド」や「無印スタンド」と呼ばれるガソリンスタンドです。

なぜ、これらのガソリンスタンドは安くガソリンを提供できるのでしょうか。品質に問題はないのでしょうか。

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大手でも格安でも品質に差はない

大手でも格安でも品質に差はない

ガソリンスタンドの業態は大きく分けて石油元売り系列、エネルギー商社等が展開するプライベートブランドによるPBSS、無印SSという3つに分類されます。

現在、日本国内に石油元売りはエネオスホールディングス・出光興産・コスモエネルギーホールディングスの3社があり、それ以外のブランドを掲げているのは、おおよそプライベートブランドもしくは無印SSのガソリンスタンドということになります。

石油元売り系列のガソリンスタンドと、プライベートブランドおよび無印SSの大きな違いは、取り扱っているガソリンにあります。

石油元売り系列のガソリンスタンドでは、系列のガソリンスタンド向けに系列玉と呼ばれるガソリンを供給している一方、プライベートブランドおよび無印SSでは業転玉と呼ばれるガソリンを販売しています。

業転玉とは、いわば余剰ガソリンのことです。ガソリンは原油から精製されますが、基本的には供給量は過剰な状態です。

しかし、原油から石油を精製する段階で、一定の割合でLPガス・ガソリン・灯油・軽油・重油の5種類に分離されます。このことから、需給によってガソリンだけを増減させるわけにはいかず、軽油や灯油の供給量も同様に増減することになります。

つまり、石油元売りが生産したガソリンを自社の系列店などに対して販売しきれない(余る)場合に生まれるのが業転玉なのです。

このことから、石油元売り系列のガソリンスタンドで販売されているガソリンと、業転玉を仕入れて販売しているプライベートブランドおよび無印SSで販売されているガソリンの品質は、基本的には同じです。

その上、業転玉を売っているプライベートブランドおよび無印SSの方が、ガソリンを安く販売できるのです。

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道