ガソリンを満タンにしない意味ある?計り売りがあるのはなぜ?

以前から、「ガソリンを満タンにするのか、しないのか」という論争があり、意見や見方も分かれている。満タンにするべきか、しないかは、結論からいえば「状況による」といえるだろう。ひとついえるのは、燃料タンクを一杯にするような何度も「継ぎ足し」をしてまで満タンにする意味はほとんどないということだろうか。

文・塚田 勝弘

Chapter
災害に備えて満タンにする!?
燃費でガソリン満タンを気にする意味はある?
ガソリンは腐る?
容器を搭載しているクルマは量り売りしやすい

災害に備えて満タンにする!?

ガソリン

台風の被害で停電が続き、クルマで車中泊をしたり、スマホなどの充電をしたりするクルマの使い方が注目を集めている。東日本大震災などの災害でもクルマ(無事だった場合)が命をつないだケースもあるはずだ。

エンジンを発電機として使えるプラグインハイブリッド(PHV/PHEV)やハイブリッドなどではガソリンが手に入れば、条件はあるものの、クルマから電気の供給も可能だ。こうした際、給油量の制限がない場合は「満タン」にしておくのが心強い。

燃費でガソリン満タンを気にする意味はある?

燃料警告ランプ

日常時で満タンにするか、しないかは、主に燃費に有利か不利かという視点が多いはず。ガソリンの重さは、1Lが約0.75kgだから10L入れると7.5kg、20L入れると15kg、30L入れると22.5kg、40L入れると30kg、50L入れると37.5kgとなる。

日本で一番売れているホンダ N-BOXの燃料タンクは、FFが満タンで27L。満タンに入れても20.25kgで、平均体重で6歳の男の子を1人乗せる程度の重さ。トヨタのアルファード/ヴェルファイアは、満タンで65L入るから48.75kgとなる。平均体重で中学校2年生の男子くらいを1人乗せる重さだ。

友人の子どもなどを1人乗せて欲しいと言われたら、「燃費が悪くなるから駄目」と断る人はまずいないだろう。要はその程度の差しかなく、もっと燃費を良くするためには、使っていない荷物を降ろしたり、タイヤの空気圧をチェックしたり、運転の方法を見直したりするなど、エコドライブの方法はいくらでもある。

たとえば、前方の信号が赤(しかも長く赤が続きそうな状況で)なのに、アクセルを戻して減速せずに、ブレーキだけで停まる人を頻繁に見かける。これだと、クルマの燃料カット、いわゆるフューエルカット(ある程度の回転域以上の状態からアクセルを戻して踏まない状態)機能も働かないし、無駄なガソリンも使っていることになる。

ガソリンは腐る?

給油

また、ガソリンを満タンにするか、しないかは、こまめにガソリンスタンドに行くのが面倒ならいつも満タンにしておけば、いいだろう。また、近くのガソリンスタンドが閉鎖された場合なども満タンにしておいた方が便利なはず。

また、あまりにもクルマを使わずにガソリンを消費しない場合は、ガソリンが劣化する可能性もある。一概にどれくらいが目処かはいえないが、半年くらい使っていないケースでは、給油口を開けてニオイをかいでみる必要はあるだろう。

なお、JXTGエネルギーでは、「弊社では、燃料油に関して、品質保持期限(保証期間)を設けておりません。燃料油は光・保管温度・水分・空気との接触等により、品質に影響を受け、お客様の保管状態によって、この影響が異なるためです。一般的には気温の変化が少ない冷暗所の保管であれば、ガソリン・灯油・軽油は半年程度、A重油は3カ月程度使用に関して問題ないものと思われます。ただし、購入から上記期間内の品質を保証するものではありませんので、早めの使用(入れ替え)を推奨します」としている。

容器を搭載しているクルマは量り売りしやすい

ランドクルーザー 下回り

さて、ガソリンが量り売りしている理由は定かではないが、灯油も量り売りしている。

ひとつは、クルマは常に燃料タンクという容器が搭載されている(つまり、持ち歩いている)ため、量り売りがしやすい商品といえるかもしれない。昔は醤油も酒も量り売りだったが、容器を持ち歩くという習慣が廃れたのもあるだろう。

塚田 勝弘|つかだ かつひろ

自動車雑誌、モノ系雑誌の新車担当編集者を約10年務めた後に独立し、フリーランスライターとしても10年が経過。自動車雑誌、ライフスタイル雑誌、Web媒体などで新車試乗記事やカーナビ、カーエレクトロニクスなどの展開している。

塚田 勝弘|つかだ かつひろ