ストレッチリムジンは普通免許で運転できる?

ロールス・ロイス ファントム

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ラグジュアリーなセダンのボディーの全長を伸ばしたクルマを「ストレッチリムジン」と呼びます。最近では、イベントや観光用として、都市部を走っているのをよく見かけます。ところで、このストレッチリムジンはどんな免許で運転できるのでしょうか?

文・山崎 友貴

山崎 友貴|やまざき ともたか

四輪駆動車専門誌、RV誌編集部を経て、フリーエディターに。RVやキャンピングカー、アウトドア誌などで執筆中。趣味は登山、クライミング、山城探訪。小さいクルマが大好物。

山崎 友貴
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需要がウナギ上りのイベントリムジン
あんなに巨大でも普通免許で運転OK

需要がウナギ上りのイベントリムジン

最近は都市部でも結婚式やイベントなどに活用されているストレッチリムジン。一般的には「リムジン」と呼ぶことが多いのですが、リムジンは“リムジーネ”というドイツ語が語源であり、実はセダンのことを示す言葉です。

元々はボディー形状のひとつであり、「ワゴン」や「カブリオレ」、「クーペ」「バギー」と同じ類いの言葉なのです。ちなみにリムジンは、御者と客室の間が仕切られている馬車を言います。

全長がダックスフントのように長いクルマは、自動車メーカーが造ったものを「プルマン・ボディ」と呼び、専門のコーチビルダーが造ったものを「ストレッチリムジン」と区別します。

ただ、最近はリムジンという言葉が一般的で、大統領専用車「キャディラックワン」もリムジン、パリピ御用達の超ロングなキャディラックやハマー H2もリムジン、そして空港に行くバスもリムジンになっています。

イベント用のリムジンは10年以上前から存在しますが、ここ5年ほどで需要がどんどん増加。5年前に比べると8倍以上の需要があると言います。実際、僕もH2のストレッチリムジンに乗ったことがありますが、中はシャンデリアやミニバー、モニターが備えられており、ちょっとしたクラブのVIPルームです。

あんなに巨大でも普通免許で運転OK

日本で見るストレッチリムジンは、大抵140インチストレッチで、全長は5m強の車両がほとんどですが、中には6mを越えるものも。車高と車幅がそれほどでもないので、もはや巨大なペンのようです。こんな長いクルマですので、大型免許が必要かと思いきや、実は普通自動車免許でOK。

普通免許は、車両総重量3.5トン未満、最大積載量2トンまで、乗車定員は10名までのクルマを運転することができます(平成29年3月12日以前に免許取得をした場合は、さらに条件が緩和される)。

イベント用に使われているリムジンは、大抵が車両重量は2トン以下で、仮に10人乗り(1人×55kg)だとしても、総重量も定員も問題ありません。リムジンの王様と言われる、ロールスロイス ファントムエクステンディッドボディは2.75トンですが、乗員を入れてもギリギリ3.5トン以下。

つまり、最近普通免許を取得した人でも大抵のストレッチリムジンを運転することができるのです。ただし、プライベートで使う場合は別として、運賃を取って旅客を乗せる場合は、普通自動車二種免許が必要となります。これは、タクシーやハイヤーと同じ扱いになるということです。
ちなみにリムジンはその長さに関わらず、「ショーファードリブンカー」とも言われます。ショーファーとはお抱えの運転手のことで、つまり仕事でない限りは自分では運転しないというのがスタンダードです。

人に運転してもらうのがリムジンであって、例え普通免許で運転できても、自分ではハンドルを握らないから楽しいのかもしれません。
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