エンジンパワーをあげるには?【四歩目:コンピューター&タービン編】

チューニングといえば、エンジン、ブレーキ、エアロパーツ等ありますが、やっぱりエンジンパワーは一番気になる所なはず。その一番効果的とも言えるのがタービン交換です。しかし、そのメリットとはどんなものがあるのでしょうか。

文・工藤貴宏/写真・宮越孝政

Chapter
手軽にパワーをあげるならブーストコントローラーも効果あり
タービン交換のメリットは?
インタークーラー交換はなんのため?
冷却系の強化を気にすべきタイミングは?

手軽にパワーをあげるならブーストコントローラーも効果あり

HKS パワーエディター

このところ、気軽に取り付けられる電子系パーツが人気ですが、電子パーツのオススメはどんなものがありますか?

HKS近藤さん:スイフトスポーツなどターボ車では、ブーストコントローラーがいいでしょう。カプラーオンで追加するだけで、純正コンピューターが補正できる範囲内でターボの効きがよくなって、パワーとトルクが上がりますよ。

マフラーを変えて排気効率が上がっても、標準のエンジン制御コンピューターがそれを反映せずにパワーがそれほど上がらない、そんなときにもコンピュータチューンが必要とか。

HKS近藤さん:車種にもよりますが、効果的にパワーを上げたいのであればコンピューターもセットで手を加えるのがいいでしょう。

HKS ALTO

ところで、コンピューターチューンとはどういったもので、そもそもコンピューターは何のために備わっているのでしょうか。

HKS近藤さん:エンジン制御コンピューターは、エンジンを動かすために欠かせません。燃料をシリンダー内に噴射する量、火をつけるタイミングなどを決めています。

いまどきのクルマはノーマル(標準の状態)で最適になるように作られているので、チューニングでパーツを変えてもその能力をいかせないことがあります。そこで、交換したパーツの能力を生かせるように調整していくのもコンピューターチューニング目的です。

タービン交換のメリットは?

HKS(メーカーお尋ね記事)宮越孝政

ターボ車では、タービン交換というチューニングも聞きますが、どれほどの効果が期待できるのでしょう?

HKS近藤さん:タービン交換とは、ターボエンジンの要であるタービン(空気を圧縮する装置)を違うタイプに交換することです。タービン自体をひとまわり大きくするのが代表的な手法ですが、タービンの特性を変えることでもエンジンの味付けが変わります。

標準装着しているタービンのキャパシティを使い切っている場合、ブーストアップをしてもメリットがあまりありません。最近はそういうクルマも増えています。でも、タービンをひとまわり大きくすることでよりターボの効果を高めることが期待できるというわけです。

インタークーラー交換はなんのため?

HKS

インタークーラー交換というのもよく耳にするチューニングメニュー。インタークーラーの働きと、それを交換するメリットはどこにあるのでしょう。

HKS近藤さん:空気は圧縮すると温度が上がるという特性があります。だから空気を圧縮するターボ車では、タービンを通るときに温度が上がって、空気密度が下がってしまいます。

エンジンにとって、この空気密度が重要で、密度を高めるためにはなるべく空気を高温にしたくない。そこで、エンジンに送り込む空気を冷やそうというのがインタークーラーの役割です。

ノーマルのインタークーラーが容量不足の場合は、インタークーラーを交換するだけで吸気の温度が下がってパワーがアップします。

HKS ALTO

また、チューニングでブーストアップやタービン交換をした際にインタークーラーの能力が不足する場合もあります。

その際にインタークーラーを高性能、高効率化することでパワーアップが期待できます。インタークーラーは『本来は出せるはずのパワーを引き出すパーツ』と考えるといいでしょう。

冷却系の強化を気にすべきタイミングは?

HKS

HKS近藤さん:ラジエーターなど冷却系のチューニングは、それ自体がパワーアップに直結するわけではありません。しかし、エンジンのパワーを引き出せば引き出すほど、エンジンの発熱量が増え、冷却系チューニングの必要性が増します。

エンジンが発熱しすぎると、壊れる原因になります。そこで、それを抑えるために「冷やす性能の強化」をしなければなりません。具体的には水温を冷やす性能を強化するのですが、高度なチューニングカーやサーキット走行をする場合は油温(オイルの温度)などにも気を付けないといけません。

では、チューニングを進めていったときに冷却性の強化が必要となるのはどのタイミングでしょうか?

HKS近藤さん:水温が気になるようになったら、考えどきですね。冷却の強化はエンジンを保護する保険みたいなものです。最近はメーターに水温計がついていないクルマも多いですが、実は水温が上がり気味ということもありますよ

HKS GT Ⅲ タービン

HKS近藤さん:パーツ交換で得られる費用対効果はクルマによって違います。

エアクリーナーを替えるとパワーアップするクルマもあるし、触媒を換えたほうが効率よくパワーアップするクルマもある。ターボ車だったら、ブーストアップと。

ただ、昔みたいにすべてのターボ車にブーストアップが有効かというと、なかなかそうもいかない。ダウンサイジングターボなどは、ノーマル状態でもタービンを使い切っているクルマもあってブーストアップの余地がないのです。

かつてと違ってクルマの制御や能力が高度化したいまは、チューニングも一筋縄ではいかない。クルマによって効果的なパーツが異なるので、ノウハウを持つお店のスタッフと相談しながら進めていくのがベストですよ。