ベントレー フライングスパーをレビュー|インテリア・エクステリアはどう?
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今年6月11日にオフィシャル写真と概要が初公開されたのち、7月上旬に開催された「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」にてワールドプレミアに供されたベントレー新型フライングスパー。
もちろん、日本国内にはまだ上陸していない期待のニューカマーを、ベントレーの100周年記念イベントにて、いち早く目にする機会に恵まれた。
文/写真・武田 公実
ベントレー フライングスパーのエクステリアとインテリアはさらにスタイリッシュへ進化
実質的な初代「コンチネンタル・フライングスパー」から数えて三代目となる新型フライングスパーは、これまでの二世代と変わらず、ベントレーのグランドツアラー「コンチネンタルGT」の4ドアセダン版と言えるモデル。それゆえ、メカニズムの多くを新型コンチネンタルGTと共用する。
たとえばスポーティな操縦性を得るために、車体の根幹をなすアーキテクチャーが初代・二代目と踏襲されたFF由来の4WD用から、FR由来の4WD用MSBプラットフォームへと刷新されたのも、新型コンチネンタルGTと同様のトピックと言えよう。
この結果として、ノーズセクション内におけるフロントアクスルの位置を前方に130mm移動させたのだが、このロングノーズのプロポーションは「元祖フライングスパー」、1957年から65年まで名門コーチビルダー、H.J.マリナーによって少数製作された「Sタイプ・コンチネンタル・フライングスパー」により近いものとなった。
ベントレー フライングスパーのルーフ
また、ボンネットとフロントグリルは天地が高められるとともに、ヘッドライトともども屹立したスタイルへと変更することにより、ベントレーのプレステージサルーンに相応しい威厳を表現。特に前方からのアピアランスは、ベントレーのフラッグシップ「ミュルザンヌ」系と見まごうばかりの迫力を身に着けたと言えるだろう。
ただしボディサイドからリア側に回ってみると、ルーフが「チョップされた」かのように低められるとともに、Cピラーはクーペのごとくなだらかな曲線を描くことで、新型コンチネンタルGTの兄弟であることも明白に感じさせてくれる。つまりは、存在感とスタイリッシュさの双方で先代から格段に進化を遂げたことが、外観からも見受けられるのだ。
ベントレー フライングスパーは新型コンチネンタルGT譲りのメカニズム
パワーユニットは初代・二代目から継承されたW型12気筒6リッターツインターボながら、こちらも新型コンチネンタルGTと同系となる最新世代のものへとリニューアル。最高出力は先代の高性能版「W12S」にも匹敵する635PS、最大トルクも900Nmに向上した。
そして新型コンチネンタルGTで初採用されたの8速デュアルクラッチ式シーケンシャル変速機との組み合わせで、0~100km/h発進加速はGTより0.1秒だけ遅い3.8秒。最高速度に至ってはまったく同等の333km/hという超高性能セダンとなった。
さらに新型フライングスパーでは、既に新型コンチネンタルGTで高い評価を得ている「ベントレー・ダイナミックライド」と名づけられたサスペンションシステムが投入されたことも、とても重要なトピックと言えるだろう。
これは48Vシステムが電子アクチュエーターユニットを制御し、そのユニットがアンチロールバーの硬さをシームレスに変化させることでコーナリングフォースを抑えるとともに、エアスプリングとともにボディを水平に保ちつという。
このエアスプリングは、ドライバーが選択したモードに応じ、スポーツ走行向きの硬めのセットから重厚かつ快適な乗り心地まで、幅広く対応するとのことである。
これまでにも増して魅力的になった、ベントレー新型フライングスパー。その続報が待ち遠しいところである。