ついに正解へとたどり着いたジムニーのデザイン【ジョバンニ・ペトロルッティの視点】

ヨーロッパでもファンが多い日本の小さな巨人「ジムニー」の販売が好調だ。性能面だけでなく、そのデザインも販売に大きく貢献していることは間違いない。日本では2018年のグッドデザイン賞で金賞を受賞している。個人的にも、機能に基づいたカタチをしており、非常に好感が持てるデザインだと思っている。クラシカルだが野暮ったさを感じさせないのは、ディテールを丁寧に作り込んであるからであろう。
文・ジョバンニ・ペトロルッティ
ジムニーが持つ美しさと潔さ、そして表情の豊かさ
限られた全幅の中でも、光のコントラストを巧みに利用し力強さを表現したフェンダーライン、強度だけでなく視覚的にも変化を生み出すリブの入ったルーフ、Aピラー付け根付近のサイドウィンドの処理。
キャラクターのような愛くるしい大きな丸目のヘッドライトは、夜間でも十分な光量を確保するためでもある。本物には本物のみが持つ美しさと潔さ、そして表情の豊かさがある。
一部では、メルセデスベンツ「Gクラス」の模倣などという声も上がっているが、果たしてそうなのであろうか。
ジムニーはスズキのアイコン的存在。頻繁にモデルチェンジを行えるクルマではない。恐らくスズキは、長く愛せる道具として4代目ジムニーをデザインしたのだろう。道具としての機能を追及すると、ある程度スタイリングが似てしまうのは致し方のないことだと私は思う。
ツールとして成り立つデザイン
スクエアなボディは、狭い道や悪路において視界がよく車両感覚が掴みやすい。これは街中を走るだけでもメリットを感じられるポイントだ。今回試乗した際も、都心をキビキビと軽快に走る上でとても助けられた。
また、車幅に対して車内空間を最大限確保することにもできる。ジムニーのラゲッジルームは、荷室の床面こそ高いものの後席を倒せばサイズのわりに効率的に荷物を積むことができる。フックも豊富で助手席も倒せば長尺物も積みやすい。
インテリアには光の反射を抑える素材を使用し、グローブをしたままでも操作しやすいボタン類など、ツールとしてよく考えられているデザインだ。
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