なぜタクシーにはLPG燃料が使われるの?使うメリットとは?
更新日:2024.09.09
※この記事には広告が含まれます
タクシーは燃料にLPGを使っていることが多い。トヨタのタクシー専用車JPN TAXIもLPGを使ったハイブリッドパワートレインだ。なぜ、タクシーはLPGを使うのか。そもそもLPGとは何なのか。ここでは基本的な疑問を解消していこう。
文・山本晋也
文・山本晋也
タクシーにLPG燃料が使われるメリット①|LPG(液化石油ガス)はガソリンより安いのがメリット
LPGとは「液化石油ガス」の営業表記である「Liquefied Petroleum Gas」の略称。「リキッド・プロパン・ガス」の略称と勘違いしている人もいるようだが、主成分はプロパンとは限らない、ブタンも混ざっている。いや、プロパンとブタンを混ぜたものがLPGと捉えるのが正解に近いだろう。
もともとは気体だが低圧で液化することができるため、燃料補給も簡単だ。また、燃料の特徴として硫黄分をほとんど含まないので、ススの発生などが少ない。NOxの排出量も少なく、環境性能に優れた燃料といえる。
しかし、タクシー業界がLPGを愛用している理由は環境性能が第一というわけではない。単純にガソリンや軽油よりもLPGは安価というのが主な理由だ。
実際、石油情報センターでオートガス(自動車用LPGの呼称)の一般小売価格を調べてみると、東京23区での店頭現金価格は84.1円/L(2019年1月10日)となっている。ひとめでガソリンより圧倒的に安価であることがわかるだろう。
走行距離が伸びるほど売り上げが上がるというタクシーのビジネスモデルを考えると、コスト要因である燃料費が安く上がることは儲けにつながる。LPGを使うインセンティブがあるわけだ。
もともとは気体だが低圧で液化することができるため、燃料補給も簡単だ。また、燃料の特徴として硫黄分をほとんど含まないので、ススの発生などが少ない。NOxの排出量も少なく、環境性能に優れた燃料といえる。
しかし、タクシー業界がLPGを愛用している理由は環境性能が第一というわけではない。単純にガソリンや軽油よりもLPGは安価というのが主な理由だ。
実際、石油情報センターでオートガス(自動車用LPGの呼称)の一般小売価格を調べてみると、東京23区での店頭現金価格は84.1円/L(2019年1月10日)となっている。ひとめでガソリンより圧倒的に安価であることがわかるだろう。
走行距離が伸びるほど売り上げが上がるというタクシーのビジネスモデルを考えると、コスト要因である燃料費が安く上がることは儲けにつながる。LPGを使うインセンティブがあるわけだ。
タクシーにLPG燃料が使われるメリット②|燃料タンクに使用期限がありメンテナンスコストはかかる
そうしたコストメリットは一般ユーザーでも変わらないはずだが、なぜタクシーばかりがLPGを使っているのだろうか。
ひとつにはLPGスタンドの数が少ないということがいえるが、一般ユーザーが増えればLPGスタンドも増えるはずであって、そこに本質的な理由はないだろう。
根本的な理由としては、LPG車においては燃料タンク(LPガス容器)の検査を6年ごとに受ける必要があり、状態によっては交換となることもある。タクシーは走行距離が桁違いなので、こうしたコストを鑑みてもトータルでのランニングコストを抑制できるが、一般ユーザーの使い方ではトータルでのメリットは感じづらい。
また、セダン型のタクシーなどのトランクルームを見るとわかるが、LPガス容器は丸く大きいため、場所をとってしまう。トヨタのJPN TAXIはタンクを小型化したというが、それでもトランクスルーなどは夢のまた夢といった状況で、パッケージの面からはLPGにするメリットはないといえるだろう。
ひとつにはLPGスタンドの数が少ないということがいえるが、一般ユーザーが増えればLPGスタンドも増えるはずであって、そこに本質的な理由はないだろう。
根本的な理由としては、LPG車においては燃料タンク(LPガス容器)の検査を6年ごとに受ける必要があり、状態によっては交換となることもある。タクシーは走行距離が桁違いなので、こうしたコストを鑑みてもトータルでのランニングコストを抑制できるが、一般ユーザーの使い方ではトータルでのメリットは感じづらい。
また、セダン型のタクシーなどのトランクルームを見るとわかるが、LPガス容器は丸く大きいため、場所をとってしまう。トヨタのJPN TAXIはタンクを小型化したというが、それでもトランクスルーなどは夢のまた夢といった状況で、パッケージの面からはLPGにするメリットはないといえるだろう。
山本晋也
自動車メディア業界に足を踏みいれて四半世紀。いくつかの自動車雑誌で編集長を務めた後フリーランスへ転身。近年は自動車コミュニケータ、自動車コラムニストとして活動している。ジェンダーフリーを意識した切り口で自動車が持つメカニカルな魅力を伝えることを模索中。