ナローポルシェやワーゲンポルシェなど。異名がついたポルシェ5選

歴史の長いスポーツカーブランドとして有名なポルシェ。ブランドを牽引し続けている911は長い歴史の中で多くのラインナップを生み出し、それ以外のモデルも多く世に送り出してきました。そんなポルシェの長い歴史の中には、ニックネームを持つモデルもあります。そこで今回はニックネームをもつモデルをご紹介!

文・西川昇吾

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初代911:通称ナローポルシェ
914:通称ワーゲンポルシェ
928ベース:通称ドクターズカー
917/20:通称ピンクピッグ
911カレラRS2.7:通称ナナサン・カレラ

初代911:通称ナローポルシェ

ポルシェ 911 初代モデル(ナローポルシェ)

ポルシェを代表するスポーツカーである911。その歴史は「ナローポルシェ」と言われるこの初代911(シャシーナンバー901シリーズ)から始まりました。以降911シリーズは現在まで一貫して「水平対向6気筒+RR」というレイアウトを貫いています。

911シリーズは進化と共に、リアを中心に車幅が大きくなっていきました。そのため、初代の幅が狭いモデルに付けられたニックネームが「ナローポルシェ」。

そもそもナローポルシェはどこからどこまでの911なのか?という所説は様々ですが、一般的にはアメリカの安全基準に適合するために装着されたフロントバンパーである「ビックバンパー」が装着される以前の911とされることが多いです。

914:通称ワーゲンポルシェ

ポルシェ914

ポルシェ初のエントリーモデルとも言えるのがこの914。911の廉価版4気筒モデル912も存在しましたが、エンジンをはじめとし、既存の各種コンポーネントをフォルクスワーゲンから提供してもらうことでコストを抑えたのが914です。フォルクスワーゲンのエンジンを搭載していることから「ワーゲンポルシェ」というニックネームが付けられています。

エンジンや足回りなどの主要コンポーネントはフォルクスワーゲン製ですが、そこはポルシェ、きっちりとスポーツカーに料理しているのです。エンジンの搭載方式はミッドシップとし、それ以外の重量物も出来るだけ中心に配置。

足回りはフロントが911のストラット、リアがフォルクスワーゲン・タイプ4のトレーリングアームを採用し、ポルシェとしては初めてリアにコイルスプリングを装備する形となっています。

928ベース:通称ドクターズカー

ポルシェ356の生みの親であるフェリーポルシェの生誕75周年を祝って製作されたモデルです。市販化はされていません。

ポルシェの高級GTである928をベースにホイールベースやルーフを延長したワゴンタイプで、現代的にはシューティングブレークと言ったほうが正しいかもしれません。

ただ単純なワンオフモデル、という訳ではなく、新開発の5リッターエンジンやプロジェクターヘッドライトが装備されているなど、技術的なアプローチを探ったモデルでもあります。

917/20:通称ピンクピッグ

ポルシェ 917/20(ピンクピッグ)

1970年代初頭、ル・マン24時間耐久レースで「締め出し」を食らうほど無敵の強さを誇ったレースカーポルシェ917。そのポルシェが1971年のル・マンに投入したのがこの917/20。タイヤ周りの空気抵抗軽減を狙い、以前の917よりもワイドとなったボディでピッグ(豚)というニックネームが付けられていました。

しかしこのスタイリングをメインスポンサーのマルティニは気に入らず、スポンサー名を書かないように指示、そのためポルシェはニックネームであった豚を逆手にとり、ピンクで塗装しボディに肉の部位を描きました。こうして最終的に付けられたニックネームがピンクピッグ(ピンクの豚)となったのです。

911カレラRS2.7:通称ナナサン・カレラ

ポルシェ 911カレラRS2.7(ナナサン・カレラ)

「ナナサン・カレラ」そう聞いてピンと来る人はスーパーカーブーム世代なのではないでしょうか? カレラRS2.7は、73年にグループ4のホモロゲーションを取得するために登場し、911Sの2.4リッターエンジンを2.7リッターにボアアップ、さらに軽量化が施されました。

911で初めて「カレラ」の名が与えられたモデルであり、ドイツ語でレーシングスポーツを意味するレン・シュポルトの頭文字である「RS」も冠され、911史上初の「役付き」モデルとなりました。軽量化にパワーアップという「RS」の伝統は964で復活するカレラRSはもちろん、現代のGT3まで息づいています。

世界的には別のニックネームがあるかもしれませんが、日本的にはカレラRS2.7のニックネームは「ナナサン・カレラ」以外ないでしょう。