ポルシェ911の歴代ボディサイズはどう変化してきた?
更新日:2024.09.09
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ポルシェのフラッグシップモデルの911。ポルシェの歴史は911と共にあると言っても過言ではないでしょう。そんな911も1964年から始まる長いモデルライフの中で刻々と変化してきました。その変化のひとつとしてよくささやかれるのが肥大化。911は世代を追うごとにボディが拡大しているというのは本当なのでしょうか?今回は、拡大の理由を考察しながら、歴代911を紹介します。
text:Kojiro Kagawa
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ポルシェ911の歴代のサイズ①|901型
ポルシェ356の後継モデルとして1964年に登場した911の初代モデルで、ナローポルシェと呼ばれます。
このモデルコード901型のボディサイズは、全長4,163mm×全幅1,610mm×全高1,320mmと現在の小型車並み。随分とコンパクトなモデルだったことが分かります。
そのなかでも、1968年以前のAシリーズのホイールベースは2,210mmで、2,268mm(カレラRSは、2,271mm)に延長された1968年以降のシリーズとは分けて語られます。
このモデルコード901型のボディサイズは、全長4,163mm×全幅1,610mm×全高1,320mmと現在の小型車並み。随分とコンパクトなモデルだったことが分かります。
そのなかでも、1968年以前のAシリーズのホイールベースは2,210mmで、2,268mm(カレラRSは、2,271mm)に延長された1968年以降のシリーズとは分けて語られます。
ポルシェ911の歴代のサイズ②|930型
1974年に登場した2代目となる930型は、911で初めてターボエンジンが設定されたモデルでもあります。
北米の安全規制に対応するバンパーを備えた930型は、全長4,290mm×全幅1,610mm×全高1,320mm。1978年以降は、リアのトレッド拡大にともない全幅は1,651mmとなっています。ホイールベースは、2,272mmで、空冷最後の993型まで踏襲されることになります。
また1975年にデビューしたターボモデルは、サスペンションに大きな変更はなかったもののターボエンジンが持つ最高出力280ps、最高速度280km/hというハイパワーを受け止めるために、より大きなタイヤを装着する必要があり、全長、全幅は10cm近く拡大。サイズは、全長4,290mm×全幅1,775mm×全高1,320mmとなっています。
北米の安全規制に対応するバンパーを備えた930型は、全長4,290mm×全幅1,610mm×全高1,320mm。1978年以降は、リアのトレッド拡大にともない全幅は1,651mmとなっています。ホイールベースは、2,272mmで、空冷最後の993型まで踏襲されることになります。
また1975年にデビューしたターボモデルは、サスペンションに大きな変更はなかったもののターボエンジンが持つ最高出力280ps、最高速度280km/hというハイパワーを受け止めるために、より大きなタイヤを装着する必要があり、全長、全幅は10cm近く拡大。サイズは、全長4,290mm×全幅1,775mm×全高1,320mmとなっています。
ポルシェ911の歴代のサイズ③|964型
1988年にカレラ4が登場した964型は、足回りをそれまでのトーションビーム式からコイルスプリング式に変更。エンジン排気量は、3.6Lまで拡大されました。
それにともないボディサイズは、全長4,245mm×全幅1,660mm×全高1,310mmになり、通称ビックバンパーを装備した930型よりもコンパクトな印象になりました。
全体で85%のパーツを新調するなど構造面での変化が大きかった1台です。
それにともないボディサイズは、全長4,245mm×全幅1,660mm×全高1,310mmになり、通称ビックバンパーを装備した930型よりもコンパクトな印象になりました。
全体で85%のパーツを新調するなど構造面での変化が大きかった1台です。
ポルシェ911の歴代のサイズ④|993型
993型は1993年に登場。911最後の空冷エンジンモデルです。
993型から911は、走行安定性をより重視する傾向が強くなり、リアサスペンション形式をセミトレーリングアームからマルチリンクへ変更。ボディサイズは、全長4,245mm×全幅1,730mm×全高1,310mmと、ワイド&ローが強調されたスタイリングになっています。
993型から911は、走行安定性をより重視する傾向が強くなり、リアサスペンション形式をセミトレーリングアームからマルチリンクへ変更。ボディサイズは、全長4,245mm×全幅1,730mm×全高1,310mmと、ワイド&ローが強調されたスタイリングになっています。
ポルシェ911の歴代のサイズ⑤|996型
初代から空冷エンジンを搭載してきた911ですが、1998年に登場した996型は、初となる水冷エンジンモデルとして注目を集めました。
涙目ヘッドライトも996の大きなポイントですが、三角窓がなくなったことで一気に現代的なフォルムとなりました。
新設計の水冷エンジンとサスペンションによって、ボディサイズは全長4,430mm×全幅1,765mm×全高1,305mmに拡大。ホイールベースも2,350mmとなり、安全なスポーツカーへと進化を続けました。
涙目ヘッドライトも996の大きなポイントですが、三角窓がなくなったことで一気に現代的なフォルムとなりました。
新設計の水冷エンジンとサスペンションによって、ボディサイズは全長4,430mm×全幅1,765mm×全高1,305mmに拡大。ホイールベースも2,350mmとなり、安全なスポーツカーへと進化を続けました。
ポルシェ911の歴代のサイズ⑥|997型
2004年に登場した997は丸型ヘッドライトに回帰。ボディサイズは全長4,427mm×全幅1,808mm×全高1,310mm。
996をベースに開発されたこともあり、ホイールベースは996型と同じ2,350mmですが、より安定性を追求するため、全幅が40mmほど拡大されています。
996をベースに開発されたこともあり、ホイールベースは996型と同じ2,350mmですが、より安定性を追求するため、全幅が40mmほど拡大されています。
ポルシェ911の歴代のサイズ⑦|991型
そして2011年に登場した現行モデルとなる991型。
全長4,499mm×全幅1,808mm×全高1,294mmと全幅こそ先代と同じですが、直進安定性と乗り心地向上のためホイールベースは100mm延長され2,450mmとなっています。
ホイールベースの延長によって安定志向が強くなったともいわれる991型ですが、オプションに4WSを設定することで、ロングホイールベース化によるネガを解消しています。
全長4,499mm×全幅1,808mm×全高1,294mmと全幅こそ先代と同じですが、直進安定性と乗り心地向上のためホイールベースは100mm延長され2,450mmとなっています。
ホイールベースの延長によって安定志向が強くなったともいわれる991型ですが、オプションに4WSを設定することで、ロングホイールベース化によるネガを解消しています。
初代から現行モデルまでのボディサイズをまとめると、このようにサイズが変化しています。
全長 | 全幅 | 全高 | ホイールベース | |
901型 | 4,163mm | 1,610mm | 1,320mm | 2,210mm |
930型 | 4,290mm | 1,610mm | 1,320mm | 2,272mm |
964型 | 4,245mm | 1,660mm | 1,310mm | 2,272mm |
993型 | 4,245mm | 1,730mm | 1,310mm | 2,272mm |
996型 | 4,430mm | 1,765mm | 1,305mm | 2,350mm |
997型 | 4,427mm | 1,808mm | 1,310mm | 2,350mm |
991型 | 4,499mm | 1,808mm | 1,294mm | 2,450mm |