軽自動車や一部の輸入車に採用されるフロントベンチシートのメリット・デメリットは?

日産 キューブ ベンチシート

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フロントシートがベンチタイプとなるクルマといえば、古いアメリカ車を思い浮かべる方も多いだろう。馬車も人力車もベンチシートといえる形状が多く、昔は家のソファをそのまま車載したようなクルマも多かった。現在も軽自動車やコンパクトカー、一部の輸入車などにフロントベンチシートを採用しているモデルもある。そのメリット、デメリットとは?

文・塚田勝弘
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左右ウォークスルーで助手席側からも乗降できる
ロングドライブや山岳路では疲れやすい

左右ウォークスルーで助手席側からも乗降できる

コンパクトカーでは減りつつあるものの、かつてのトヨタ WiLL Viは、カボチャの馬車のような外観に、フロントベンチシートが特徴的だった。現在も日産 キューブのほか、多くの軽自動車でフロントベンチシートが採用されている。

まず利点は、サイドのサポート部分がほとんどないフラットな座面、背もたれによる乗降のしやすさ。さらに、インパネシフトなどを採用することにより、左右間のウォークスルーも容易になる。家のガレージなどが狭い場合、運転席側のドアが開けられなくても助手席側から出やすい、という利点も分かりやすい。

そのほか、ソファ感覚の座り心地にしているモデルが多く、アームレストを備えることで、家でくつろいでいるような乗り味が魅力といえるだろう。ほかにも、車内を広くすっきり見せたり、シート幅を室内幅ギリギリまで設計できたりする利点も考えられる。

ロングドライブや山岳路では疲れやすい

デメリットは逆にフォールド性(ホールド性)が期待できない点で、ちょっとしたコーナーでも身体が左右に動きやすく、視点が動くということは、運転のしやすさにも悪影響を及ぼしたり、同乗者が酔いやすかったりする可能性もある。

街中のちょい乗り程度の短時間であれば問題は少なくても、高速道路や山岳路を使ったロングドライブなどでは疲れを誘いやすい。

また、万一の衝突時、シートベルトとシート形状でしっかりと拘束することが大切だと考えると、スポーツカーが採用しているバケット形状のシートは理にかなっているわけだ。こちらも逆にいえば、乗降がしにくく、身体を拘束されている感じは慣れないと窮屈に覚えるかもしれない。

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