軽自動車のナンバープレートは左側に設置されている?その理由は?
更新日:2024.09.09
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軽自動車のナンバープレートは基本的に黄色なのが識別ポイントですが、真正面から見て、向かって左側にオフセットして設置されているクルマが多いのも特徴です。人気のジムニーや、スポーツカーのS660など中央にナンバープレートを置いているモデルもありますが、オフセットしているモデルが多数派。その理由は何でしょうか。
文・山本晋也
文・山本晋也
ラジエターに効率的に風を当てるための工夫
ヒントはエンジンの置き方にあります。ジムニーはエンジンが縦置き、S660はミッドシップレイアウトですが、多くの軽自動車はエンジンが横置きのFFレイアウトが基本です。そして、多くのケースにおいてナンバープレートはエンジンの置いてある側にあります。
その理由は、冷却性能を確保するためです。軽自動車のスペース効率を考えるとエンジンルームをコンパクトにまとめることは重要で、そのためにはフロントグリルのギリギリまでエンジンを置くことになります。そこでラジエターなどの冷却系は、後方にスペースが確保しやすいトランスミッション側に置くのが常套手段です。
つまり、ラジエターに走行風を当てるように開口部を確保するためにはナンバープレートをエンジン側(こちらはラジエターがありません)にオフセットするのが合理的なのです。
その理由は、冷却性能を確保するためです。軽自動車のスペース効率を考えるとエンジンルームをコンパクトにまとめることは重要で、そのためにはフロントグリルのギリギリまでエンジンを置くことになります。そこでラジエターなどの冷却系は、後方にスペースが確保しやすいトランスミッション側に置くのが常套手段です。
つまり、ラジエターに走行風を当てるように開口部を確保するためにはナンバープレートをエンジン側(こちらはラジエターがありません)にオフセットするのが合理的なのです。
ナンバープレートがサービスホールの蓋というアイデア
さらにナンバープレートをエンジンの前に置いているというのは副次的なメリットを生みました。ナンバープレートはネジで簡単に外せますが、その裏に作業用のサービスホールを設けることでオイルフィルターを交換しやすいような設計となっているメーカーもあります。
最低地上高の高いSUVを除くと、リフトで上げなくてもオイルフィルターが交換できるのは、そうした設計になっている軽自動車くらいではないでしょうか。
オイルフィルター交換が簡単にできるということはトータルで見るとメンテナンスコストを抑えることにもつながります。維持費も気にする軽自動車オーナーにはうれしい配慮です。
最低地上高の高いSUVを除くと、リフトで上げなくてもオイルフィルターが交換できるのは、そうした設計になっている軽自動車くらいではないでしょうか。
オイルフィルター交換が簡単にできるということはトータルで見るとメンテナンスコストを抑えることにもつながります。維持費も気にする軽自動車オーナーにはうれしい配慮です。
ハイパワー車も冷却性能を上げるためにズラしている
ところで、軽自動車のナンバープレートが真正面から見てオフセットしていることを否定的にとらえる意見もあるようですが、ナンバープレートをオフセットして開口面積を確保するというのはハイパワーモデルではよくある手。
チューニングパーツとしてオフセットステーが用意されているのは冷却性能をアップするためで、かつては三菱のランサーエボリューションがナンバープレートをオフセットするのが伝統でした。
その意味では軽自動車がナンバープレートをズラしているのは、排気量からするとギリギリのパワーを引き出しているということの証といえるかもしれません。
チューニングパーツとしてオフセットステーが用意されているのは冷却性能をアップするためで、かつては三菱のランサーエボリューションがナンバープレートをオフセットするのが伝統でした。
その意味では軽自動車がナンバープレートをズラしているのは、排気量からするとギリギリのパワーを引き出しているということの証といえるかもしれません。
山本晋也
自動車メディア業界に足を踏みいれて四半世紀。いくつかの自動車雑誌で編集長を務めた後フリーランスへ転身。近年は自動車コミュニケータ、自動車コラムニストとして活動している。ジェンダーフリーを意識した切り口で自動車が持つメカニカルな魅力を伝えることを模索中。