車のオートマオイル(ATF)とは?交換頻度や注意点を解説
更新日:2024.09.09
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オートマチックトランスミッションを正常に動作させるために必要なATFですが、その交換については、2万、7万、10万キロごと、交換の必要なし、などさまざまな意見があります。いったいどれが正しいのか、ディーラー勤務時代の実体験も交えて紹介していきます。
文・赤井福
文・赤井福
- Chapter
- そもそもATFってなに?
- 油脂類なのに無交換はなぜ?
- 交換したらどうなる?
そもそもATFってなに?
クルマの各機関には、さまざまな油脂が使われています。代表的なものはエンジンオイルやデフオイルなどの潤滑油、フルードなどの作動油、グリースなのど潤滑剤で、ATF(オートマチック トランスミッション フルード)は、作動油に分類されます。
一般的に新品状態のATFは綺麗な赤色をしており、汚れによってどんどん黒ずんでいきます。エンジンオイルなどと違い、レベルゲージなどで油量や汚れを簡単に確認することはできませんが、ATFが劣化してくると、燃費が悪化したり、ギアが入りにくくなる、変速ショックが大きくなるなどの症状があらわれます。
一般的に新品状態のATFは綺麗な赤色をしており、汚れによってどんどん黒ずんでいきます。エンジンオイルなどと違い、レベルゲージなどで油量や汚れを簡単に確認することはできませんが、ATFが劣化してくると、燃費が悪化したり、ギアが入りにくくなる、変速ショックが大きくなるなどの症状があらわれます。
油脂類なのに無交換はなぜ?
プリウスやアクアなどのCVTから、レクサスIS、GS、LSなどの多段式ATまで、車両の取扱説明書のATF(CVTF)の欄には、「交換が必要な際は販売店にご相談ください」との注意書きがあります。
その他の油脂は使用する粘度や容量まで細かく記載されているにもかかわらず、ATFは油脂銘柄と容量のみ。これでは、お客様から問い合わせを頂いても変更に困ります。
そこで、サービスエンジニアにATF交換について尋ねると「交換の必要はない」との答えが返ってきました。
理由は、クルマの部品のなかでももっとも緻密で繊細なATは、修理のために分解整備をすることが難しく、基本的に不具合が出ればまるごと交換をする部品であること。ATFの交換により、内部に微細な異物が混入したり、ATのコンディションが変わるほうが、リスクが大きいこと。
またメーカーでは、ATFは劣化が遅い油脂類であることから、ATが寿命を迎えるまでの間、交換の必要はない旨をアナウンスしています。
実際にディーラー在職中にATF交換をした例は数えるほどしかなく、ATやCVTに不具合が発生した場合は、ほとんどがASSY交換をしていました。
その他の油脂は使用する粘度や容量まで細かく記載されているにもかかわらず、ATFは油脂銘柄と容量のみ。これでは、お客様から問い合わせを頂いても変更に困ります。
そこで、サービスエンジニアにATF交換について尋ねると「交換の必要はない」との答えが返ってきました。
理由は、クルマの部品のなかでももっとも緻密で繊細なATは、修理のために分解整備をすることが難しく、基本的に不具合が出ればまるごと交換をする部品であること。ATFの交換により、内部に微細な異物が混入したり、ATのコンディションが変わるほうが、リスクが大きいこと。
またメーカーでは、ATFは劣化が遅い油脂類であることから、ATが寿命を迎えるまでの間、交換の必要はない旨をアナウンスしています。
実際にディーラー在職中にATF交換をした例は数えるほどしかなく、ATやCVTに不具合が発生した場合は、ほとんどがASSY交換をしていました。
交換したらどうなる?
ディーラーにもATF交換をするためのフルードチェンジャーは置いてあり、強く希望をすれば交換をすることは可能です。
カー用品店などでも交換は可能ですが、メーカー保証期間内に純正ATF以外と交換して、交換した油脂や交換作業による不具合が出た場合は、メーカー保証が受けられなくなる可能性があるので、新車からの走行距離10万キロ以内や、新車からの登録5年以内のATF交換は注意しましょう。
私は、以前所有していたスズキ スイフトのATFを、7万km走行後に交換をしたことがあります。とはいってもエンジンオイルのように、下から抜いて上から新しいオイルを入れるという作業ではなく、機械で廃油を吸い出さなければならないATFは、チェンジャーを使っても汚れたフルードを抜き取れる量が少なく、完全に新品フルードに入れ替わるというものではありません。
私の場合は、少量抜いては新しいフルードを足して汚れを薄くしていく作業を何度か繰り返しました。つまり、ATF交換は、汚れの度合いが少なくなるという交換方法だと理解しなければなりません。
交換後は、変速ショックが少なくなったかなといった程度で、大きな変化は感じることができませんでした。
カー用品店などでも交換は可能ですが、メーカー保証期間内に純正ATF以外と交換して、交換した油脂や交換作業による不具合が出た場合は、メーカー保証が受けられなくなる可能性があるので、新車からの走行距離10万キロ以内や、新車からの登録5年以内のATF交換は注意しましょう。
私は、以前所有していたスズキ スイフトのATFを、7万km走行後に交換をしたことがあります。とはいってもエンジンオイルのように、下から抜いて上から新しいオイルを入れるという作業ではなく、機械で廃油を吸い出さなければならないATFは、チェンジャーを使っても汚れたフルードを抜き取れる量が少なく、完全に新品フルードに入れ替わるというものではありません。
私の場合は、少量抜いては新しいフルードを足して汚れを薄くしていく作業を何度か繰り返しました。つまり、ATF交換は、汚れの度合いが少なくなるという交換方法だと理解しなければなりません。
交換後は、変速ショックが少なくなったかなといった程度で、大きな変化は感じることができませんでした。
現在のトランスミッションの製造技術と、ATFの品質からみても、通常のクルマの使い方なら、ATFは無交換で大丈夫でしょう。過走行車についても、下手にATF交換をして変調をきたすリスクがあります。
クルマの部品でもっともデリケートな部分であるトランスミッションについては、メーカーやディーラーの指針に従うことをおすすめします。
クルマの部品でもっともデリケートな部分であるトランスミッションについては、メーカーやディーラーの指針に従うことをおすすめします。
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文・赤井福
大学卒業後、金融業に従事。その後、6年間レクサスの営業マンとして自動車販売の現場に従事する。若者のクルマ離れを危惧し、ライターとしてクルマの楽しさを伝え、ネット上での情報発信を行っている。
文・赤井福
大学卒業後、金融業に従事。その後、6年間レクサスの営業マンとして自動車販売の現場に従事する。若者のクルマ離れを危惧し、ライターとしてクルマの楽しさを伝え、ネット上での情報発信を行っている。