ポルシェ、ランボルギーニ製のトラクターがあるって本当?
更新日:2024.09.09
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クルマ好きなら誰もが知っているポルシェとランボルギーニには、スポーツカーメーカーという以外にも共通点があります。それは両社とも、農業用トラクターメーカーでもあったということです。高級スポーツカーと農業機械にどんな関係があるのでしょうか?また、いったいどんなトラクターなのでしょうか?
文・杉山敬太
文・杉山敬太
ポルシェはなぜトラクターを造るようになったのか?
ポルシェトラクターの起源は、最初の量産車356が生まれる以前、第2次世界大戦前まで遡ります。
当時ナチス政権下にあったドイツは、強いドイツの復活を掲げ、インフラ整備のために技術者を探していました。そこで、アドルフ・ヒトラーが白羽の矢をたてた人物が、フェルディナント・ポルシェ博士でした。
ヒトラーは大衆車フォルクスワーゲンの開発に続いて、国内の農業を改革するトラクターの大量生産をポルシェ博士に命じ、1937年には12馬力の空冷2気筒エンジンを搭載した小型トラクター「タイプ110」が発表されました。
このトラクターの誕生は、ドイツの農業効率化に大きく貢献するとともに、工場は後の自動車生産の礎となりました。
当時ナチス政権下にあったドイツは、強いドイツの復活を掲げ、インフラ整備のために技術者を探していました。そこで、アドルフ・ヒトラーが白羽の矢をたてた人物が、フェルディナント・ポルシェ博士でした。
ヒトラーは大衆車フォルクスワーゲンの開発に続いて、国内の農業を改革するトラクターの大量生産をポルシェ博士に命じ、1937年には12馬力の空冷2気筒エンジンを搭載した小型トラクター「タイプ110」が発表されました。
このトラクターの誕生は、ドイツの農業効率化に大きく貢献するとともに、工場は後の自動車生産の礎となりました。
ポルシェのトラクターは日本にも影響を与えた
ポルシェのトラクターは、日本メーカーと密接な関係にあったことをご存知でしょうか?
第2次大戦後、日本の農業機械メーカーは乗用型トラクターの販売を開始し、1960年代になると乗用型トラクターが普及しました。このとき、井関農機(ヰセキ)はライバルと差をつけるため、国外のトラクターメーカーであるポルシェと提携し、輸入販売を行っています。
1964年にヰセキが販売したTB型トラクターは、ポルシェのトラクターをベースに日本の気候や風土に合うよう改良して造られたもので、ここからヰセキは日本を代表する農業機械メーカーへと成長を遂げました。このことからポルシェは、ヰセキのトラクター製造技術に大きな影響を与えた存在であると言えます。
第2次大戦後、日本の農業機械メーカーは乗用型トラクターの販売を開始し、1960年代になると乗用型トラクターが普及しました。このとき、井関農機(ヰセキ)はライバルと差をつけるため、国外のトラクターメーカーであるポルシェと提携し、輸入販売を行っています。
1964年にヰセキが販売したTB型トラクターは、ポルシェのトラクターをベースに日本の気候や風土に合うよう改良して造られたもので、ここからヰセキは日本を代表する農業機械メーカーへと成長を遂げました。このことからポルシェは、ヰセキのトラクター製造技術に大きな影響を与えた存在であると言えます。
ランボルギーニの原点
スーパーカーメーカーのランボルギーニも、トラクター製造とは切っても切り離せない存在です。
第2次世界大戦後、ランボルギーニの創設者フェルッチオ・ランボルギーニは、整備兵での経験を活かし、軍の放出したトラックを民生用へと改造を施し、富を得ることに成功。それを元手に、1949年にトラクターを製造販売するランボルギーニ・トラットリーチ SpAを立ち上げます。
後にランボルギーニ・トラットリーチが開発する、ガソリンをエンジンの始動と暖気にのみ使い、動力は安価な軽油で補うシステムを搭載したトラクターが大ヒットとなりました。この事業の成功を元に、打倒フェラーリを目標にした自動車事業の基盤を築くことになったのは、有名な話です。
ランボルギーニの原点は、トラクターにあると言っても過言ではありません。
第2次世界大戦後、ランボルギーニの創設者フェルッチオ・ランボルギーニは、整備兵での経験を活かし、軍の放出したトラックを民生用へと改造を施し、富を得ることに成功。それを元手に、1949年にトラクターを製造販売するランボルギーニ・トラットリーチ SpAを立ち上げます。
後にランボルギーニ・トラットリーチが開発する、ガソリンをエンジンの始動と暖気にのみ使い、動力は安価な軽油で補うシステムを搭載したトラクターが大ヒットとなりました。この事業の成功を元に、打倒フェラーリを目標にした自動車事業の基盤を築くことになったのは、有名な話です。
ランボルギーニの原点は、トラクターにあると言っても過言ではありません。
現行のランボルギーニトラクター
ランボルギーニは、現在でも自動車の製造とは別会社でトラクターの製造販売を行っており、日本では代理店をしているコーンズ・エージーで購入することができます。
驚くことに現行のランボルギーニトラクターのデザインは、世界的に有名なイタリアのイタルデザイン・ジウジアーロが手がけたもので、トラクターとは思えない斬新なデザインとなっています。
価格は本体のみで約3,000万円とスーパーカー並み。ですが、このクラスのトラクターとしては、標準的な価格なのだそうです。
驚くことに現行のランボルギーニトラクターのデザインは、世界的に有名なイタリアのイタルデザイン・ジウジアーロが手がけたもので、トラクターとは思えない斬新なデザインとなっています。
価格は本体のみで約3,000万円とスーパーカー並み。ですが、このクラスのトラクターとしては、標準的な価格なのだそうです。
杉山敬太
愛車はトヨタ MR-S。大学生の頃に自動車免許を取得。実家の乗用車に乗っていたがAT車に物足りなさを覚えた。「自分だけのMT車が欲しい」と考えたが車の維持が困難だったため、自動二輪免許を取得してバイクを購入。学生時代はバイクに囲まれる生活を送っていた。就職後、直ぐにローンを組み憧れのマイカーを購入。2シーター・オープン・ミッドシップという「非日常の三拍子」に魅かれトヨタ MR-Sを選んだ。現在、実家の社会保険労務士事務所で勤務をする傍ら、日本スーパーカー協会主催のスタッフ、個人カーシェアリングのオーナーとして活動中。