世界に6台しかない「ケーニグセグ・アゲーラ one:1」とはどんな車?ブガッティより速い!?
更新日:2024.09.09
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みなさんは、ケーニグセグという自動車メーカーをご存じでしょうか?スウェーデンのエンゲルホルムという街に本拠を置くこのメーカーは、その成り立ちから開発した車のスペックにいたるまで、知れば知るほど驚きの連続です。
文・山里真元|日本スーパーカー協会 事務局 ライティングGT代表ライター
文・山里真元|日本スーパーカー協会 事務局 ライティングGT代表ライター
クリスチャン・フォン・ケーニグセグ氏
ケーニグセグ・オートモーティブは、実業家クリスチャン・フォン・ケーニグセグが、自身の理想とする車を開発するために、1994年に創業したハイパーカーメーカーです。このとき、フォン・ケーニグセグの年齢は、なんと22歳という若さでした。
創業直後から意欲的に車を開発し、2年後の1996年にコンセプトカー「CC」を発表。その9年後には、CCRで市販車最高速のギネス記録まで打ち立ててしまうのです。このあたりの手腕と情熱には脱帽です。
ほとんどの新興メーカーが消えていく自動車業界において、今日のケーニグセグ社の成功を見れば、どれほど凄いかはご理解いただけることでしょう。
創業直後から意欲的に車を開発し、2年後の1996年にコンセプトカー「CC」を発表。その9年後には、CCRで市販車最高速のギネス記録まで打ち立ててしまうのです。このあたりの手腕と情熱には脱帽です。
ほとんどの新興メーカーが消えていく自動車業界において、今日のケーニグセグ社の成功を見れば、どれほど凄いかはご理解いただけることでしょう。
アゲーラone:1とはどんな車?
アゲーラone:1は、現在、同社を代表するモデルとして有名です。2010年のジュネーブモーターショーで発表されたアゲーラをベースに、同社の創業20周年を記念して各部をスペシャルに仕立て直すことで究極のパフォーマンスを追及した1台となっています。
one:1の由来は、量産車として世界で初めて、最高出力が1MW=1,360psに達したこと。そして、パワーウェイトレシオ=1を表しています。
つまり、1,360psの出力に対して車両重量も1,360kgに収まっているというわけです。究極のパフォーマンスを追及したとの言葉に、一点の嘘偽りもないことがわかります。
one:1の由来は、量産車として世界で初めて、最高出力が1MW=1,360psに達したこと。そして、パワーウェイトレシオ=1を表しています。
つまり、1,360psの出力に対して車両重量も1,360kgに収まっているというわけです。究極のパフォーマンスを追及したとの言葉に、一点の嘘偽りもないことがわかります。
ブガッティ・ヴェイロンとの比較
どれだけ凄いことかわかりやすく解説するために、一般的に速い車として真っ先に思い浮かぶ、ブガッティ ヴェイロンと比較してみましょう。
ヴェイロンと言えば性能・記録・価格、すべてにおいてそれまでの常識を覆した車で、フォルクスワーゲングループが威信をかけて莫大な資金と技術の粋を集めて開発した究極の1台となっています。
しかし、両車のスペックを見比べれば、one:1の異常さは一目瞭然です。20年前ならいざ知らず、現代の安全基準を満たすためには相当な量の安全装備を搭載する必要があり、ボディサイズも拡大を余儀なくされます。
それを考慮するとヴェイロンの重量もこの出力を誇るエンジンを搭載したスポーツカーとして、決して悪い数値ではありません。逆にone:1の車両重量は、まるで魔法としか言いようがないほどの軽量さです。
これは、カーボンファイバーやチタンなどの特殊素材を駆使したことと、W型16気筒の約半分となる軽量なV8エンジンを搭載したこと、大パワーを路面に伝えるために安易に4WDシステムを選択せず、いさぎよく後輪駆動としたことによる重量増加防止がもたらした結果です。
<ヴェイロンのスペック>
全長×全幅×全高:4,466×1,998×1,206mm
車両重量:1,888kg
エンジン:8.0リッターW型16気筒+クワッドターボ
駆動方式:4WD
最高出力:736kW(1,001PS)/6,000rpm
最大トルク:1250N・m(127.5kg・m)/2,200-5,500rpm
変速機:7速セミAT(DSG)
最高速度:407km/h(標準モデル)、415km/h(Super Sport)
<アゲーラone:1のスペック>
全長×全幅×全高:4,500×2,060×1,150mm
車両重量:1,360kg(50%の燃料と100%の液類含む)
エンジン:5リッターV型8気筒+ツインターボ
駆動方式:MR
最高出力:1MW=1000kW(1,360PS)/7,500rpm
最大トルク:1371N・m(139.9kg・m)/6,000rpm
変速機:7速セミAT
最高速度:440km/h
ヴェイロンと言えば性能・記録・価格、すべてにおいてそれまでの常識を覆した車で、フォルクスワーゲングループが威信をかけて莫大な資金と技術の粋を集めて開発した究極の1台となっています。
しかし、両車のスペックを見比べれば、one:1の異常さは一目瞭然です。20年前ならいざ知らず、現代の安全基準を満たすためには相当な量の安全装備を搭載する必要があり、ボディサイズも拡大を余儀なくされます。
それを考慮するとヴェイロンの重量もこの出力を誇るエンジンを搭載したスポーツカーとして、決して悪い数値ではありません。逆にone:1の車両重量は、まるで魔法としか言いようがないほどの軽量さです。
これは、カーボンファイバーやチタンなどの特殊素材を駆使したことと、W型16気筒の約半分となる軽量なV8エンジンを搭載したこと、大パワーを路面に伝えるために安易に4WDシステムを選択せず、いさぎよく後輪駆動としたことによる重量増加防止がもたらした結果です。
<ヴェイロンのスペック>
全長×全幅×全高:4,466×1,998×1,206mm
車両重量:1,888kg
エンジン:8.0リッターW型16気筒+クワッドターボ
駆動方式:4WD
最高出力:736kW(1,001PS)/6,000rpm
最大トルク:1250N・m(127.5kg・m)/2,200-5,500rpm
変速機:7速セミAT(DSG)
最高速度:407km/h(標準モデル)、415km/h(Super Sport)
<アゲーラone:1のスペック>
全長×全幅×全高:4,500×2,060×1,150mm
車両重量:1,360kg(50%の燃料と100%の液類含む)
エンジン:5リッターV型8気筒+ツインターボ
駆動方式:MR
最高出力:1MW=1000kW(1,360PS)/7,500rpm
最大トルク:1371N・m(139.9kg・m)/6,000rpm
変速機:7速セミAT
最高速度:440km/h
ヴェイロンを超える最高速
ヴェイロンの最大の特徴は、なんといっても市販車最高となる407km/hの速度です。One:1は、なんとその最高速においてもヴェイロンを超えています。それにも関わらず声高には主張しません。
その理由は、one:1発表時のケーニグセグ社からのコメントにあります。「One:1は最高速よりも、サーキットでの速さを追求している」というのです。これほどまでの異次元の最高速をスペックとして掲げておきながら、あくまでも速く走るための性能のひとつに過ぎないというのです。本当にこのメーカーには驚かされっぱなしです。
その理由は、one:1発表時のケーニグセグ社からのコメントにあります。「One:1は最高速よりも、サーキットでの速さを追求している」というのです。これほどまでの異次元の最高速をスペックとして掲げておきながら、あくまでも速く走るための性能のひとつに過ぎないというのです。本当にこのメーカーには驚かされっぱなしです。
アゲーラ one:1 画像ギャラリー
事実、ケーニグセグはこのone:1を用いた最高速チャレンジを行いませんでした。仮にもし挑戦していれば、ヴェイロンを超えていたのは間違いのないことでしょう。
ケーニグセグはone:1から得られたデータを元に、アゲーラRを改良したRSを生み出し、RSをベースにした数台のトール(Thor)とベイダー(Vader)でアゲーラシリーズは、その歴史に終止符が打たれます。
次期モデルは未発表ですが、アゲーラシリーズの大成功を見る限り、新しいケーニグセグもきっと我々を驚かせてくれることでしょう。
ケーニグセグはone:1から得られたデータを元に、アゲーラRを改良したRSを生み出し、RSをベースにした数台のトール(Thor)とベイダー(Vader)でアゲーラシリーズは、その歴史に終止符が打たれます。
次期モデルは未発表ですが、アゲーラシリーズの大成功を見る限り、新しいケーニグセグもきっと我々を驚かせてくれることでしょう。
山里真元|日本スーパーカー協会 事務局 ライティングGT代表ライター
国内最大手IT社員→ITコンサルティング会社創業を経て、2010年より趣味の車好きが高じて主にスーパーカーやクラシックカーなどのニッチな車の売買相談を開始。インポーター各社とのパイプも太く、国内外新型クラシック問わず幅広くご相談をお受けしています。趣味のツーリングでは、地域密着型のスーパーカークラブを運営し、日本スーパーカー協会事務局としても活動中。国産コンパクト~フェラーリ、ポルシェ、ロールスロイスまで常時5~10台の車を所有する自他ともに認める車バカ。これまでの好きから始まった特別な経験を世の車好きや悩みを抱えるユーザのために少しでも活かしたいと思い各所で執筆活動を展開中。