シーケンシャルウインカーとは?じつは初登場から50年超?歴史を振り返る

シーケンシャルウインカー

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交差点などで止まっているクルマのなかでひときわ目に付く、流れるように光が走るウインカー。「シーケンシャルウインカー」というこのウインカーは、いつごろから出始めたのでしょうか。また、これは違反にはならないのでしょうか?

文・吉川賢一
Chapter
シーケンシャルウインカーとは?
シーケンシャルウインカーの構造
シーケンシャルウインカーは合法なのか?
シーケンシャルウインカーを後付けするには?

シーケンシャルウインカーとは?

シーケンシャル(sequential=連続的な、続いて起こる)ウインカーは、「連鎖点灯式方向指示器」ともいわれ、LEDを連続的に点灯することで方向指示を表します。その車両が曲がろうとしている方向が視覚的にわかることが長所です。

日本の乗用車で初めてこの流れるウインカーを純正装着したのは、1968年に発売された日産 ブルーバード SSSクーペ(オプション設定)でした。古い自動車好きなら、覚えている方も多いと思います。その後、トラブルが多かったのか、コストが掛かりすぎたのか、流れるウインカーは消滅していました。

そして2015年10月、フルモデルチェンジしたレクサス RXがLEDのシーケンシャルウインカーを採用、トヨタ C-HRに搭載されてから一気に認知度が上がりました。ヨーロッパでは、アウディ A8が2010年頃から採用されています。

シーケンシャルウインカーの構造

現在のシーケンシャルウインカーは、高輝度LEDをLEDフラッシャー(白熱電球式におけるウインカーリレーに相当する電子回路)で連続的に点滅させています。LEDランプは消費電力が少なく、長寿命であることから、ヘッドランプやウインカーには理想的なランプです。

LEDチップは特性上、正面しか照らすことができないため、従来の光を広範囲に拡散できる白熱電球の特性に近づけるよう、複数のLEDチップをさまざまな方向へ向けて配置して、リフレクターで前方に照射しています。光源自体が小型のため、デザインの自由度が高いのもメリットです。

ただし、このようにハウジングやリフレクターを含めたユニット全体で複雑な設計を行っているためにコスト高になっており、現在は、搭載が一部車種にとどまっています。

また、自動車用のLEDは家電用よりも大電流を流すことから、LEDの故障(不点灯やチラつき)が起きやすいケースがあります。LEDの光の拡散性や寿命の問題を、より低コストで解決できるようになると、一気に一般車種まで普及する可能性があります。

シーケンシャルウインカーは合法なのか?

2014年、日本の道路交通法が改正されたことにより、連鎖点灯式のウインカーが解禁となりました。その条件は、

・LEDの流れ方は左右対称であること
・LEDは点灯後、すべてのLEDが点灯するまで点灯し続けること
・すべてのLEDは同時に消灯すること
・LEDは垂直方向に反復して点灯しないこと
・LEDの点灯は内側から外側に向かって点灯すること、または中心から放射状に広がって均一的かつ連続的に点灯すること
・点滅周期は毎分60回以上120回以下の一定の周期で点滅すること
・他のすべてのウインカーの点滅周期と同じであること

さらに、ウインカーの規定で、

・色と明るさが橙色であること
・他の交通を妨げないこと
・前後から100メートル、左右から30メートルの距離で点灯の確認ができるようにすること

また、純正の位置から変更する場合には、高さ、位置、大きさにも規定があります。デコトラで見るような、ギラギラに光るウインカーは違法になりかねません。後付けや加工状態によっては、車検に通らないことがありますので注意が必要です。

ちなみに2014年以前のウインカーの基準では、連鎖点灯式に関する記述がなく、長年グレーな状態でした。

シーケンシャルウインカーを後付けするには?

標準装備されていない車種をシーケンシャルウインカーにする場合、社外メーカーの商品を選んで後付けすることになります。

ただし、先述したように細かな規定がありますので、どうしてもシーケンシャルウインカーを装着したい場合は、できるだけ標準装備または純正オプションが用意されている車を購入されることをおすすめします。

現在は商品力やブランド力の向上のため、各メーカーのフラッグシップモデルや話題性のあるモデルで採用されているシーケンシャルウインカー。今後、こうしたデザイン面での競争も盛んになりそうですね。

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