2025年最新版|フロントガラス上部が青いのはなぜ?グラデーションの理由と魅力を解説

フロントガラス

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かつては高級車の象徴だった、フロントガラス上部の青いグラデーション。最近見かけなくなった理由と、その本当の役割や魅力を2025年の最新情報で解き明かします。

CARPRIME編集部

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Chapter
フロントガラス上部の「青い帯」の正体とは?
主な目的は日差し対策:眩しさと紫外線をカット
なぜグラデーション?視界への配慮とデザイン性
豆知識:色は青だけじゃない!緑やブロンズも
メーカーによる違い:純正採用の有無と社外パーツ比較
積極採用のホンダ、廃止したマツダ
後付けは可能?社外フィルムと交換用ガラス
2025年最新:どんな車種が採用している?現行モデルとカスタム事例
現在もトップシェードを純正採用する代表車種
減少傾向とカスタムとしての再評価
後付け方法と注意点・おすすめアイテム
方法①:グラデーションフィルムを貼る(ただし法規制に注意)
方法②:手軽なクリップ式のサンバイザーシェード
方法③:高機能な交換用ガラスを選ぶ(おすすめ)
フロントガラスの法律・車検への影響(2025年版)
基本ルール:透過率70%と上部20%の規定
最新の注意点:先進運転支援システム(ADAS)への影響
「ハチマキステッカー」はNG!装飾の禁止
おわりに:見た目も実用性も兼ね備えた青いグラデーションの魅力

フロントガラス上部の「青い帯」の正体とは?

道路で見かける車の中には、フロントガラス上端にうっすら青い帯状のグラデーションが入っているものがあります。「まるでフロントガラスに青いサンシェードが付いているみたい」と感じる方もいるでしょう。

この青や緑の帯状部分は、自動車メーカーや車種によって呼び名が異なり、「トップシェード」「ハーフシェード」、日本語ではその見た目から「ぼかし(ボカシ)」とも呼ばれます。

名前の通り、トップシェードはフロントガラス上部に施された日よけ用の着色部分で、運転席・助手席に差し込む強い日差しを和らげて眩しさを軽減する役割を果たしています。特に太陽が低い朝夕や、正面から陽光が差し込む場面で効果を発揮し、サンバイザーを使わなくてもある程度の遮光ができるよう設計されています。

ただし、このトップシェードはどの車にも付いているわけではありません。かつては高級車の象徴的な装備で、「青いハチマキ」とも称され外観上のアクセントとして人気がありましたが、近年では新車で見かける機会が減ってきました。その理由や最新事情を、この記事で詳しく解説していきます。

主な目的は日差し対策:眩しさと紫外線をカット

フロントガラス上部の青いグラデーションには、主に日差し対策という実用的な理由があります。トップシェード部分はクリアなガラス部分よりも光の透過率が低く、サングラスのようにドライバーの目に入る光を和らげます。

強い太陽光で前方が眩しいときに、この部分が日よけ(サンシェード)の役割を果たし、視界の確保に寄与するのです。結果として、ドライバーの目の負担を減らし、長時間の運転でも快適性と安全性を向上させてくれます。

また、トップシェードには紫外線(UV)カット機能が備わっているものも多くあります。例えばホンダでは「ハーフシェード」と呼称し、眩しさを和らげるだけでなく有害な紫外線をカットする機能も持つと説明されています。強い日差しによる車内の温度上昇や、内装の日焼け・劣化を抑制する効果も期待できるわけです。

なぜグラデーション?視界への配慮とデザイン性

トップシェードの色付き部分が徐々に薄くなるグラデーション(ぼかし)になっているのには、大きく分けて2つの理由があります。

1つ目は、運転時の視界に配慮した光学的な理由です。仮にフロントガラス上部に濃い色の帯がくっきりと配置されていると、視界に明確な境界線が生まれてしまい、運転中に違和感を覚えたり、信号機などを見上げた際の視認性を損ねたりする可能性があります。

グラデーション状にすることで透明なガラス部分との色の変化が滑らかになり、ドライバーの視界を妨げにくくしているのです。

2つ目の理由は、デザイン上の効果です。グラデーションになっていることで見た目に自然に溶け込み、車のフロントマスクにおしゃれなアクセントを加えます。

単色の濃い帯よりもグラデーションの方が洗練された印象を与え、高級感を演出する効果があります。実際、トップシェード付きフロントガラスは、かつて高級車や上級グレードの証として憧れの対象となっていた時代がありました。

豆知識:色は青だけじゃない!緑やブロンズも

トップシェードというと「青」のイメージが強いですが、実はガラスの色調には他にも緑系やブロンズ(茶色)系があります。

多くの自動車用ガラスは元々薄緑色を帯びたUVカットグリーンガラスを採用しているため、シェード部分も緑系が使われるケースが少なくありません。また欧州車を中心に、茶色がかったブロンズガラスにシェードが入った例も存在します。

とはいえ日本では、空の色に馴染みやすく爽やかな印象を与える青色のグラデーションが特に好まれ、古くから多数の国産車で採用されてきました。青は心理的に涼しさを感じさせる効果もあるため、強い日差し対策というイメージにもマッチしたのかもしれません。

メーカーによる違い:純正採用の有無と社外パーツ比較

ホンダ NSX 初代

ホンダ NSX 初代

積極採用のホンダ、廃止したマツダ

トップシェードの採用状況や呼称は、メーカーごとに方針が異なります。

  • ホンダ
フロントガラス上部の着色を「ハーフシェード・フロントウインドウ」と呼び、初代NSXに採用して以来、多くの車種に積極的に取り入れてきました。しかし、近年は先進運転支援システム用のカメラ搭載などの理由で、かつてほど採用率は高くなく、車種やグレードによって採用の有無が分かれています。

  • トヨタ・日産
一般的に「トップシェード」と呼び、カタログ等で「トップシェード付フロントガラス」と記載された上級グレードなどに設定される傾向があります。かつてはクラウンやシーマといった高級セダンに標準装備されていましたが、現在では採用車種は限定的です。

  • マツダ
現在販売されている全ての乗用車で、フロントガラス上部のハーフシェードを廃止しています。 マツダは「開放的な視界を確保する」というデザイン哲学を重視しており、眩しさはサンバイザーやルームミラー裏の黒いドット模様(セラミックプリント)で対応するという方針を採っています。

後付けは可能?社外フィルムと交換用ガラス

自分の車にトップシェードが付いていない場合、後から追加することも可能です。

メーカー純正のトップシェードは、フロントガラスの中間膜に着色が施されているため、同じ品質を求めるならフロントガラス自体の交換が必要です。最近では、純正品と同等の品質を持つトップシェード付きの社外品ガラスも流通しており、飛び石などでガラス交換をする際の選択肢となります。

より手軽な方法としては、カー用品店などで販売されているグラデーションフィルムをガラス上部に貼り付けるカスタムがあります。ガラス交換より費用を抑えられますが、キレイに貼るには技術が必要です。また、保安基準(フィルムを貼れる範囲など)を遵守する必要があるため、施工は慎重に行わなければなりません。

2025年最新:どんな車種が採用している?現行モデルとカスタム事例

ランドクルーザー300

ランドクルーザー 300

現在もトップシェードを純正採用する代表車種

2025年現在でもトップシェードを純正採用している車種はゼロではありません。代表的なのは、トヨタの新型ランドクルーザー(300系)です。ランドクルーザーは全グレードで、トップシェード付きの高遮音UVカットグリーンガラスを標準装備しています。

また、三菱のデリカD:5のようなミニバン/SUV系でも、広いガラスエリアへの日差し対策として、引き続きトップシェードが装備されているケースがあります。このように、フロントガラス面積が大きい車種では、現在でも実用的な装備として積極的に採用される傾向にあります。

減少傾向とカスタムとしての再評価

一方で、乗用セダンやコンパクトカーでは、新型車でトップシェードを備えるものは非常に少なくなりました。前述の通りマツダ車は全廃、ホンダや日産でも先進運転支援システム(ADAS)用のカメラとの兼ね合いで、最近のモデルでは非搭載とするケースが増えています。トヨタ車もカローラやヤリスといった量販モデルでは採用されていません。

このように純正採用が減ったことで、トップシェードは希少な装備になりつつあり、かえってカスタムで装着するという動きも根強く存在します。社外品のグラデーションフィルム(通称:ハチマキフィルム)を使い、特に1990年代風のスタイルを再現するカスタムは定番です。「昔憧れた高級車の雰囲気を自分の車にも」という理由や、単純に見た目のドレスアップ効果から施工する人もいます。

ただし、後付けフィルムには厳格な保安基準があるため、流行のオーロラフィルム(ゴーストフィルム)を含め、車検に対応できる透明度や施工範囲を守ることが絶対条件です。

後付け方法と注意点・おすすめアイテム

方法①:グラデーションフィルムを貼る(ただし法規制に注意)

日本の保安基準では、フロントガラスへのフィルム施工に細かな規定があり、これに適合しないと車検に通りません。

  • 貼付可能な範囲
フロントガラスの上端から20%(5分の1)以内の範囲に限られます。

  • 透過率
貼り付けた状態で、その部分の可視光線透過率が70%以上を確保する必要があります。
文字やロゴが入った不透明なものは論外です。この条件を満たせば合法ですが、寸法や透過率の管理が非常にシビアな点に注意が必要です。


実際、カー用品店でも「ハチマキフィルム」として販売されていますが、施工は曲面のガラスにシワなく貼るのが難しく、プロへの依頼が安心です。専門業者なら、車検に対応したフィルムを車種専用の形状でキレイに施工してくれます。

方法②:手軽なクリップ式のサンバイザーシェード

「フィルムを貼るのはハードルが高い…」という場合は、純正のサンバイザーに取り付ける後付けの透明シェードも選択肢です。

市販されているクリップ式の拡張板には、グレーやスモークカラーでグラデーションになっているものもあります。これならフロントガラス自体に手を加えないため車検を気にせず使え、必要なときだけ下ろして日よけにできます。ただし、運転の妨げにならないよう、不要なときは必ず上げておくなど安全への配慮は必要です。

方法③:高機能な交換用ガラスを選ぶ(おすすめ)

フロントガラスに飛び石などの傷があり、交換を予定しているなら、高機能な社外品ガラスへのアップグレードが最もおすすめです。

社外品の交換用ガラスには、純正品にはない高い遮熱・UVカット性能を持ち、かつ上部にトップシェードが元から入っている製品が各車種向けに販売されています。

純正ガラスと同等かそれ以下の価格で入手できる場合もあり、品質や見た目の自然さも純正同様です。交換には専門業者での施工が必要ですが、機能面と仕上がりの美しさを重視する方には最も確実で満足度の高い方法と言えるでしょう。

フロントガラスの法律・車検への影響(2025年版)

基本ルール:透過率70%と上部20%の規定

日本の道路運送車両の保安基準では、フロントガラスにフィルムなどを貼付する場合、守るべき厳格なルールがあります。
1. 可視光線透過率70%以上を確保すること
2. 着色フィルム等を貼る場合は、ガラス開口部の上縁から下の方向へ20%(5分の1)以内の範囲であること
つまり、新車時にメーカーが装着しているトップシェードは、すべてこの基準内に収まるよう設計されています。後付けでフィルムを貼る場合は、この範囲と透過率を厳守しなければならず、違反した場合は車検に通らないだけでなく、整備不良として取り締まりの対象になる可能性があります。

最新の注意点:先進運転支援システム(ADAS)への影響

近年、特に注意が必要なのが、先進運転支援システム(ADAS)との関係です。多くの最新車両には、フロントガラス上部のルームミラー付近に、自動ブレーキや車線維持支援のためのカメラやセンサーが取り付けられています。

このカメラの視界範囲内にフィルムを貼ると、ADASが正常に作動しなくなり、重大な事故につながる危険性があります。実際、このADASの普及に伴い、メーカー各社は誤作動のリスクを避けるため、純正のトップシェード自体の設定を減らす傾向にあります。

後付けフィルムを検討する際も、自車のカメラ位置を必ず確認し、その部分には絶対にフィルムを貼らないようにしなければなりません。

「ハチマキステッカー」はNG!装飾の禁止

フロントガラスには、法律で定められたもの(検査標章など)以外を貼り付けてはいけません。特に、フロントガラス上部にチーム名やロゴなどのステッカー(通称ハチマキステッカー)を貼って公道を走行する行為は、明確な違反となります。

たとえ上部20%の範囲内であっても、文字やデザインが入った不透明なステッカーは、運転者の視界を妨げ、光の透過率も基準を満たさないため保安基準に適合しません。公道では、運転の妨げになる可能性のある装飾は厳しく禁じられているのです。

おわりに:見た目も実用性も兼ね備えた青いグラデーションの魅力

フロントガラス上部の青いグラデーション「トップシェード」は、日差しを防ぐ実用性と、車を上品に見せるデザイン性を兼ね備えた魅力的な装備です。

近年は安全技術の進化で搭載車が減りましたが、その確かな効果と「青いハチマキ」とも呼ばれた特別な雰囲気は今も健在です。この装備の意味を知ると、街で見かける車が少し違って見えるかもしれませんね。
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