ベンツの変わった装備6選|左右非対称なドアミラーなど…
更新日:2024.09.09
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メルセデス・ベンツの車両は、ほかの自動車メーカーとは異なる考え方から、これまでに興味深い装備を数多く展開してきました。結果的に、そのすべてが成功だったとは言えませんが、独創性では他メーカーを圧倒してきました。ここでは、過去から現在まで、メルセデス・ベンツがこだわった革新的かつ独創的な装備を紹介します。
文・西山昭智
文・西山昭智
①伸縮するシングルワイパー
1990年代ごろのモデルに採用されていたワイパーは、パノラマワイパーと呼ばれるシングルブレードタイプでした。
ワイパーブレードが1本のみというスタイルは、かつて国産車でも数多く採用されており、それほど珍しくはありませんが、メルセデス・ベンツのそれは独特な動きをするのをご存じでしょうか。
1本ではどうしても雨粒や汚れを拭い取る面積が小さくなってしまうことを受け、メルセデス・ベンツでは拭き取り面積が大きくなるように作動中に長さが伸び縮みするという複雑な動きをするようになっていました。
その結果、当時は一般的な2本式のワイパーよりも大きな面積を拭うことができていたのです。
ワイパーブレードが1本のみというスタイルは、かつて国産車でも数多く採用されており、それほど珍しくはありませんが、メルセデス・ベンツのそれは独特な動きをするのをご存じでしょうか。
1本ではどうしても雨粒や汚れを拭い取る面積が小さくなってしまうことを受け、メルセデス・ベンツでは拭き取り面積が大きくなるように作動中に長さが伸び縮みするという複雑な動きをするようになっていました。
その結果、当時は一般的な2本式のワイパーよりも大きな面積を拭うことができていたのです。
②左右非対称のドアミラー
ドアミラーといえば、左右シンメトリーで同じカタチだという思い込みがありますが、かつてメルセデス・ベンツでは左右でそれぞれまったく違った形状のドアミラーを採用していたことがあります。
これも1990年代ごろのモデルで採用されていたもので、運転席側は後方視界を確認しやすいよう横長になっており、助手席側は巻き込みを防止するため縦長になっています。
またドアミラーの角度調整は、運転席側はドライバーで動かせる手動式で、手の届かない助手席側のみを電動にするという合理的な設計でした。
これも1990年代ごろのモデルで採用されていたもので、運転席側は後方視界を確認しやすいよう横長になっており、助手席側は巻き込みを防止するため縦長になっています。
またドアミラーの角度調整は、運転席側はドライバーで動かせる手動式で、手の届かない助手席側のみを電動にするという合理的な設計でした。
③大きなステアリング径
メルセデス・ベンツのステアリングを握ったときに感じるのが、その径の大きさです。直径はおよそ38cmもあり、Cクラスなどのコンパクトクラスでもこの大きさのまま。
ステアリング径は大きいほうが、非力な方や女性でも簡単に操作がしやすかったり、ドライバーの操作に対して良い意味でゆったりになることがメリットです。しかし、見た目はあまり格好いいとは言えないかもしれません。
ステアリング径は大きいほうが、非力な方や女性でも簡単に操作がしやすかったり、ドライバーの操作に対して良い意味でゆったりになることがメリットです。しかし、見た目はあまり格好いいとは言えないかもしれません。
④シート調整スイッチの位置
フロントシートの電動調整スイッチといえば、シートの側面にスイッチがついているのが一般的。それに対してメルセデス・ベンツのスイッチは、ドアの内張りに付いています。
シートの縦断面がそのまま描かれたような形状で、ヘッドレスト、背もたれ、座面のスイッチを、動かしたい方向にスライドさせることで調整できます。
直感的に調整できるので、一見すると便利なように思われますが、シート位置を後ろに移動させていくにつれてスイッチに手が届きにくくなるという弊害が生じます。
シートの縦断面がそのまま描かれたような形状で、ヘッドレスト、背もたれ、座面のスイッチを、動かしたい方向にスライドさせることで調整できます。
直感的に調整できるので、一見すると便利なように思われますが、シート位置を後ろに移動させていくにつれてスイッチに手が届きにくくなるという弊害が生じます。
⑤ウインカーとワイパー操作レバーの一本化
一般的な自動車の場合、ステアリングの奥、ステアリングコラムの左右に1本ずつレバーがあり、片方がウインカー、もう一方がワイパーを操作するようになっています。
メルセデス・ベンツの場合、それらの作業が1本のレバーに凝縮されています。ウインカーを作動させるときには上下方向、ワイパーを動かすときにはレバー(あるいはレバーの先端部)を捻るようになっています。
この一体化されたウインカー&ワイパー操作レバーは、現在のモデルにも採用されています。
メルセデス・ベンツの場合、それらの作業が1本のレバーに凝縮されています。ウインカーを作動させるときには上下方向、ワイパーを動かすときにはレバー(あるいはレバーの先端部)を捻るようになっています。
この一体化されたウインカー&ワイパー操作レバーは、現在のモデルにも採用されています。
⑥ATセレクターの位置
乗用車のATセレクターといえばセンターコンソールにあるものという固定観念も最近では通用しなくなりました。セレクターの形状も各自動車メーカーによって様変わりし、ランドローバーやジャガーではダイヤル式のセレクターも登場しています。
メルセデス・ベンツもその例外ではなく、現行モデルではATセレクターレバーがステアリングコラムの右側に装着されています(通常の、センターコンソールにあるモデルもあり)。
そのため、ステアリングの左側にウインカー&ワイパー、右側がATセレクターの操作レバーというレイアウトになっており、さらにオートクルーズ搭載車の場合、左下にもレバーがあり、計3本のレバーが付いてます。
メルセデス・ベンツもその例外ではなく、現行モデルではATセレクターレバーがステアリングコラムの右側に装着されています(通常の、センターコンソールにあるモデルもあり)。
そのため、ステアリングの左側にウインカー&ワイパー、右側がATセレクターの操作レバーというレイアウトになっており、さらにオートクルーズ搭載車の場合、左下にもレバーがあり、計3本のレバーが付いてます。
最近の自動車は、鍵をキーシリンダーに差し込んでイグニッションをオンにするという動作がなくなり、ボタンを押してエンジンスタートをするスタイルが増えています。スマートキーの登場によって鍵自体の形状も変わり、財布に入れやすいようにカード型になっていたり、腕時計のようなカタチをしているものまであります。
時代とともに自動車の装備や仕様も変わっていきますが、つねに時代の最先端を走ってきたメルセデス・ベンツでは、そのような装備や仕様をいくつも導入してきました。
結果的に一部やめてしまったものもありますが、より良いものを模索し、積極的に採用する姿勢は、メルセデス・ベンツの魅力のひとつと言えるでしょう。
時代とともに自動車の装備や仕様も変わっていきますが、つねに時代の最先端を走ってきたメルセデス・ベンツでは、そのような装備や仕様をいくつも導入してきました。
結果的に一部やめてしまったものもありますが、より良いものを模索し、積極的に採用する姿勢は、メルセデス・ベンツの魅力のひとつと言えるでしょう。
西山昭智
大学卒業後自動車雑誌の編集部へ入社。アメリカ車を皮切りに輸入中古車やスーパーカー専門誌の編集部を経て独立。現在も紙媒体の自動車雑誌で編集および執筆を行なっている。正規販売ディーラーや中古車専門店などに取材を行なうことが多く、現場でしか聞けない業界の裏話的なものも取り扱い中。好きな車はフランス車。