車の「外気温度」の温度計ってどこにあるの?
更新日:2025.10.02

自動車のインパネやセンターディスプレイに表示される「外気温度」は、文字通り、車外の気温を表示しています。実はこれ、安全機能に役立つ装備だって知っていましたか?
車の外気温度計とは?安全運転に役立つ装備
写真は車のメーターに外気温度(+30°C)が表示されている例です。外気温度計(外気温計)はその名の通り車外の気温を表示する温度計で、インパネに表示され、運転中でも外の気温をひと目で確認できます。
表示される気温は、ドライバーへの情報提供だけでなく、エアコンの作動やエンジン制御など、車両システムにも利用される重要なデータです。特に、冬場に外気温が氷点下に近づいた際の路面凍結注意など、安全運転に役立つ情報を提供します。
実際、多くの車では外気温が低下すると警告表示やアラームでドライバーに注意喚起する機能があります。この警告が作動する温度はメーカーの安全思想によって異なり、摂氏3℃で作動する車種もあれば、4℃に設定されている車種もあります。これは、橋の上など特定の場所では、外気温が氷点下に達する前に路面が凍結する「先行凍結」の可能性があるため、早めに注意を促すという予防安全の考え方に基づいています。
最近の車には標準装備されることも増えていますが、すべての車に付いているわけではありません。そのため、外気温度計をDIYで後付けしているユーザーもいます。
表示される気温は、ドライバーへの情報提供だけでなく、エアコンの作動やエンジン制御など、車両システムにも利用される重要なデータです。特に、冬場に外気温が氷点下に近づいた際の路面凍結注意など、安全運転に役立つ情報を提供します。
実際、多くの車では外気温が低下すると警告表示やアラームでドライバーに注意喚起する機能があります。この警告が作動する温度はメーカーの安全思想によって異なり、摂氏3℃で作動する車種もあれば、4℃に設定されている車種もあります。これは、橋の上など特定の場所では、外気温が氷点下に達する前に路面が凍結する「先行凍結」の可能性があるため、早めに注意を促すという予防安全の考え方に基づいています。
最近の車には標準装備されることも増えていますが、すべての車に付いているわけではありません。そのため、外気温度計をDIYで後付けしているユーザーもいます。
車の外気温センサー設置場所はどこ?
車の外気温センサーの設置場所は、多くの場合フロントバンパー内部(グリル裏など)です。この位置は走行中に外気が当たりやすく、正確な温度を測りやすいという利点があります。
センサーの設置場所は、上方に位置するエンジンやラジエーターからの熱と、下方に位置する路面からの輻射熱や照り返しの両方の影響を最小限に抑えるよう、慎重に決定されます 。そのため、必ずしも高い位置に設置されるわけではなく、車種によっては地上から30cm程度の比較的低い位置に取り付けられることもあります。
なお、車種によってはエンジンや路面からの熱の影響を受けにくいサイドミラーの下面にセンサーを備える例もあります。
センサーの設置場所は、上方に位置するエンジンやラジエーターからの熱と、下方に位置する路面からの輻射熱や照り返しの両方の影響を最小限に抑えるよう、慎重に決定されます 。そのため、必ずしも高い位置に設置されるわけではなく、車種によっては地上から30cm程度の比較的低い位置に取り付けられることもあります。
なお、車種によってはエンジンや路面からの熱の影響を受けにくいサイドミラーの下面にセンサーを備える例もあります。
外気温度センサーの仕組みと計測方法
外気温センサーには、温度によって抵抗値(電気の流れにくさ)が変化するサーミスタという電子部品が組み込まれています。車の温度センサーには、温度が上がると抵抗値が下がるNTCサーミスタ(Negative Temperature Coefficient)が採用されています。温度に応じた抵抗変化によって電圧・電流が変わり、その信号を車内の表示装置が読み取って温度を表示します。
このようにして外気温は電気信号に変換され、車内の表示装置に温度として表示されます。しかし、この情報の役割はそれだけではありません。NTCサーミスタは外気温センサーだけでなく、エンジン冷却水温、吸気温度、エアコンの温度管理など、自動車の様々な箇所で温度を計測するために使われる基盤技術であり、一台の車に十数個も搭載されている場合があります。外気温センサーから得られたデータも、他のセンサー情報と合わせて車両全体のシステム制御に活用され、安全性や快適性の向上に貢献しているのです。
このようにして外気温は電気信号に変換され、車内の表示装置に温度として表示されます。しかし、この情報の役割はそれだけではありません。NTCサーミスタは外気温センサーだけでなく、エンジン冷却水温、吸気温度、エアコンの温度管理など、自動車の様々な箇所で温度を計測するために使われる基盤技術であり、一台の車に十数個も搭載されている場合があります。外気温センサーから得られたデータも、他のセンサー情報と合わせて車両全体のシステム制御に活用され、安全性や快適性の向上に貢献しているのです。
外気温度計に関する疑問とトラブル対処法
外気温表示と実際の気温が違うのはなぜ?
自動車の外気温計が示す温度と、天気予報などで報じられる実際の気温との間にずれが生じるのはごく一般的な現象です。しかし、その原因と許容範囲についての理解は、しばしば誤解されています。
夏場に表示温度が実際の気温より高くなるのは事実ですが、その差は元の文章にある「3〜5℃」という範囲をはるかに超えることがあります。特に直射日光が当たるアスファルト上では、路面からの強い放射熱や車両自身のエンジンが発する熱、さらには渋滞時の他車の排気ガスなどの影響が複合的に作用します。その結果、気象庁が管理された環境(芝生の上の高さ1.5m)で測定する公式気温が35℃の日でも、車載温度計が「51.5℃」といった極端な高温を示すこともあり、これは故障ではありません。車載センサーは、車両が置かれた局所的な微小環境の温度を忠実に測定しているのです。
一方で、センサーの故障を疑うべきなのは、単に「10℃以上の大きなズレ」が出た場合ではありません。穏やかな気候でも、停車中のエンジン熱などの影響で10℃以上の誤差は起こり得ます。真の故障は、より明確な症状によって示唆されます。
非論理的な表示
実際の気温が10℃程度の涼しい朝に、外気温度計が突然30℃を示すなど、状況に対して全く矛盾した数値を表示する場合。
表示の固定化
走行して環境が変わっても、エンジン始動時の温度表示のまま数値が全く、あるいはほとんど変化しない場合。
表示の喪失
メーターパネルの表示が消える、または「--」のようなエラーコードが表示される場合。
また、外気温センサーはオートエアコンの制御に不可欠な部品です。センサーが故障して誤った情報を送ると、エアコンが適切に作動しなくなることがあります。したがって、「エアコンの効きが悪い」という症状も、センサー故障を疑う重要なサインとなり得ます。
故障の原因はサーミスタの経年劣化だけでなく、配線の断線や短絡、あるいはフロントバンパー裏への設置が多いため軽微な接触事故による物理的損傷も一般的です。交換費用は「数千円〜数万円」と幅がありますが、その内訳は車両の設計によって大きく異なります。センサーが単体部品として供給されていれば、部品代は数千円で、専門工場での交換工賃を含めても1万5千円〜2万円程度が目安です。しかし、特に欧州車などではセンサーがドアミラーに内蔵され、単体での部品供給がない場合があります。その場合、ドアミラーユニット全体を交換する必要があり、費用は7万円から、車種によっては16万円以上にまで跳ね上がるケースもあるため、事前の確認が不可欠です。
夏場に表示温度が実際の気温より高くなるのは事実ですが、その差は元の文章にある「3〜5℃」という範囲をはるかに超えることがあります。特に直射日光が当たるアスファルト上では、路面からの強い放射熱や車両自身のエンジンが発する熱、さらには渋滞時の他車の排気ガスなどの影響が複合的に作用します。その結果、気象庁が管理された環境(芝生の上の高さ1.5m)で測定する公式気温が35℃の日でも、車載温度計が「51.5℃」といった極端な高温を示すこともあり、これは故障ではありません。車載センサーは、車両が置かれた局所的な微小環境の温度を忠実に測定しているのです。
一方で、センサーの故障を疑うべきなのは、単に「10℃以上の大きなズレ」が出た場合ではありません。穏やかな気候でも、停車中のエンジン熱などの影響で10℃以上の誤差は起こり得ます。真の故障は、より明確な症状によって示唆されます。
非論理的な表示
実際の気温が10℃程度の涼しい朝に、外気温度計が突然30℃を示すなど、状況に対して全く矛盾した数値を表示する場合。
表示の固定化
走行して環境が変わっても、エンジン始動時の温度表示のまま数値が全く、あるいはほとんど変化しない場合。
表示の喪失
メーターパネルの表示が消える、または「--」のようなエラーコードが表示される場合。
また、外気温センサーはオートエアコンの制御に不可欠な部品です。センサーが故障して誤った情報を送ると、エアコンが適切に作動しなくなることがあります。したがって、「エアコンの効きが悪い」という症状も、センサー故障を疑う重要なサインとなり得ます。
故障の原因はサーミスタの経年劣化だけでなく、配線の断線や短絡、あるいはフロントバンパー裏への設置が多いため軽微な接触事故による物理的損傷も一般的です。交換費用は「数千円〜数万円」と幅がありますが、その内訳は車両の設計によって大きく異なります。センサーが単体部品として供給されていれば、部品代は数千円で、専門工場での交換工賃を含めても1万5千円〜2万円程度が目安です。しかし、特に欧州車などではセンサーがドアミラーに内蔵され、単体での部品供給がない場合があります。その場合、ドアミラーユニット全体を交換する必要があり、費用は7万円から、車種によっては16万円以上にまで跳ね上がるケースもあるため、事前の確認が不可欠です。
外気温度計を後付けDIYで取り付ける方法
外気温度計は後から自分で取り付けることも可能です。市販の後付け用外気温計ユニットは、シンプルな温度表示のみのモデルであれば1,200円程度から、時計や電圧計などを統合した多機能モデルでは6,000円を超えるものまで、様々な製品が販売されています。
外気温センサーの設置方法
DIYで取り付ける際、最も重要なのが温度センサーを設置する場所です。「Bピラー(前席と後席の間の柱)付近」に取り付けてはいけません。この場所は走行中の空気の流れがほとんどなく、車体パネルが蓄えた熱を拾ってしまうため、表示が不正確になり、実際の気温変化への応答も著しく鈍くなります。
正確な温度を測定するための基本原則は、「直射日光」と「エンジンやラジエーターの熱」を避け、かつ「新鮮な走行風が常に当たる」場所を選ぶことです。これを踏まえた推奨設置場所は以下の通りです。
最適(純正基準)
多くの自動車メーカーが採用するフロントバンパー裏やフロントグリル周辺は、走行風を最も効率的に受けるため精度面で最適です。ただし、エンジンルームから車内へ配線を引き込む作業は、初心者には難易度が高い場合があります。
優れた代替案
一部の欧州車で採用されているサイドミラーのハウジング内も、エンジン熱から隔離されており、非常に良い設置場所です。しかし、ドアの配線ハーネスを通してケーブルを引き込む作業は複雑な場合があります。
現実的な妥協案
フロントのタイヤハウス内や、フロントドアとフェンダーの隙間は、比較的エンジン熱の影響を受けにくく、作業性も悪くないため、精度と設置の容易さのバランスが取れた選択肢です。
正確な温度を測定するための基本原則は、「直射日光」と「エンジンやラジエーターの熱」を避け、かつ「新鮮な走行風が常に当たる」場所を選ぶことです。これを踏まえた推奨設置場所は以下の通りです。
最適(純正基準)
多くの自動車メーカーが採用するフロントバンパー裏やフロントグリル周辺は、走行風を最も効率的に受けるため精度面で最適です。ただし、エンジンルームから車内へ配線を引き込む作業は、初心者には難易度が高い場合があります。
優れた代替案
一部の欧州車で採用されているサイドミラーのハウジング内も、エンジン熱から隔離されており、非常に良い設置場所です。しかし、ドアの配線ハーネスを通してケーブルを引き込む作業は複雑な場合があります。
現実的な妥協案
フロントのタイヤハウス内や、フロントドアとフェンダーの隙間は、比較的エンジン熱の影響を受けにくく、作業性も悪くないため、精度と設置の容易さのバランスが取れた選択肢です。
表示ユニットの取り付けと配線
室内の表示ユニットは、運転の妨げにならず見やすい位置に設置します。電源はシガーソケットから簡単に取れる製品が多く、初心者でも挑戦しやすいでしょう。
正しく設置された外気温度計は、あなたのドライブ生活を支えてくれるでしょう。
正しく設置された外気温度計は、あなたのドライブ生活を支えてくれるでしょう。