エンジンブレーキを使うと燃費が悪くなるのは本当?エンジンブレーキが燃費に与える影響を解説
更新日:2024.09.09
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クルマを運転していて前の車に近づいてしまったとき、ブレーキを踏むまでもない場合は、エンジンブレーキを使って減速します。マニュアルモードの付いたATやMT車なら、シフトダウンをしてエンジンブレーキを使うと「ブーン」という音とともに、エンジン回転が高まります。このとき、燃費に影響をおよぼすことはあるのでしょうか。
文・吉川賢一
文・吉川賢一
エンジンブレーキをおさらい
エンジンブレーキとは、エンジンの回転抵抗を使って減速することです。運転中にアクセルペダルを戻すと、徐々に速度が落ちていきますよね。これは、アクセルを離したことで、エンジン気筒内へ送られる空気量が減少し、回転抵抗となるためです。
エンジンの内部抵抗の理由は、他にもたくさんありますが、もっとも寄与するのがこのポンピングロスという現象です。
さらに、より強いエンジンブレーキを効かせたいときは、アクセルを離した状態でシフトダウンをおこない、エンジンの回転数を意図的に上げることで、より強い減速を効かせることができます。シフトダウンをするとエンジンが高回転となり、唸るような音が出ますが、問題はありません。
では、このエンジンブレーキを使用すると、燃費にどう影響するのでしょうか?
エンジンの内部抵抗の理由は、他にもたくさんありますが、もっとも寄与するのがこのポンピングロスという現象です。
さらに、より強いエンジンブレーキを効かせたいときは、アクセルを離した状態でシフトダウンをおこない、エンジンの回転数を意図的に上げることで、より強い減速を効かせることができます。シフトダウンをするとエンジンが高回転となり、唸るような音が出ますが、問題はありません。
では、このエンジンブレーキを使用すると、燃費にどう影響するのでしょうか?
エンジンブレーキの使用、燃費にどう影響する?
エンジンブレーキの使用は、燃費の向上に繋がります。しかしその効果は小さく、格段に燃費が良くなるものでもありません。
アクセルペダルから完全に足を離して、シフトダウンをともなうエンジンブレーキを使うと、燃料カットのエンジン制御が入ります。このとき、理屈上は燃料噴射量ゼロになります。そのため、エンジンブレーキを使う距離が長いほどガソリンの消費は少なくなり、燃費は向上します。
ただし車速が下がり、エンジン回転数が低下してアイドリング回転付近までになると、エンジンストールを防ぐために燃料噴射が復帰します。
アクセルペダルから完全に足を離して、シフトダウンをともなうエンジンブレーキを使うと、燃料カットのエンジン制御が入ります。このとき、理屈上は燃料噴射量ゼロになります。そのため、エンジンブレーキを使う距離が長いほどガソリンの消費は少なくなり、燃費は向上します。
ただし車速が下がり、エンジン回転数が低下してアイドリング回転付近までになると、エンジンストールを防ぐために燃料噴射が復帰します。
エンジンブレーキが良い理由
制動をするときは、当然フットブレーキを踏むのですが、フットブレーキを控えたほうが良いシーンがあります。
たとえば、山道などの長い下り道で、フットブレーキを多用した場合、ブレーキの発熱が過剰になると、ある時点からブレーキの効きが悪くなってしまうことがあります。その理由は、ブレーキシステムの異常な加熱によって、ブレーキフルード内に気泡が生じることで、気泡がクッションのように働き、ブレーキを踏んでも、効きが悪くなるためです。これはベーパーロック現象と呼ばれています。
また、ブレーキローターが過度に高温になると、ブレーキパッドとの摩擦力が落ち、ブレーキの効きが悪くなってしまうこともあります。これをフェード現象と呼びます。
また、高速道路や一般道を一定のペースで巡行中に、前のクルマとの距離を一定に保ちたいときがあります。前のクルマとの距離が詰まった場合、アクセルペダルをオフにしてスピードを調節をすることで、フットブレーキより緩やかに減速することができます。同乗者が気づかない強さでブレーキを効かせられる(減速できる)ため、スムーズな運転と感じるドライバーは、このエンジンブレーキをうまく使っています。
たとえば、山道などの長い下り道で、フットブレーキを多用した場合、ブレーキの発熱が過剰になると、ある時点からブレーキの効きが悪くなってしまうことがあります。その理由は、ブレーキシステムの異常な加熱によって、ブレーキフルード内に気泡が生じることで、気泡がクッションのように働き、ブレーキを踏んでも、効きが悪くなるためです。これはベーパーロック現象と呼ばれています。
また、ブレーキローターが過度に高温になると、ブレーキパッドとの摩擦力が落ち、ブレーキの効きが悪くなってしまうこともあります。これをフェード現象と呼びます。
また、高速道路や一般道を一定のペースで巡行中に、前のクルマとの距離を一定に保ちたいときがあります。前のクルマとの距離が詰まった場合、アクセルペダルをオフにしてスピードを調節をすることで、フットブレーキより緩やかに減速することができます。同乗者が気づかない強さでブレーキを効かせられる(減速できる)ため、スムーズな運転と感じるドライバーは、このエンジンブレーキをうまく使っています。
燃料が使われる量は、”アクセルの踏みこみ量”と関係します。エンジンブレーキを効果的に使うことで、「低燃費」につながります。積極的にエンジンブレーキを使ってスピードコントロールをし、低燃費走行できるよう、心がけていきたいものです。
吉川賢一
モーターエンジニア兼YouTubeクリエイター。11年間、日産自動車にて操縦安定性-乗心地の性能技術開発を担当。次世代車の先行開発を経て、スカイラインやフーガ等のFR高級車開発に従事。その後、クルマの持つ「本音と建前」を情報発信していきたいと考え、2016年10月に日産自動車を退職。ライター兼YouTube動画作成をしながら、モータージャーナリストへのキャリア形成を目指している。