ひこうき雲を追いかけて vol.52 少数派
更新日:2024.09.09
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今号でセレナの記事のリードを書くにあたって、クルマに関するアンケートをいろいろと覗いてみた。保有している車種の1位にミニバンがあがるのはともかく、乗りたい車種でも同様の結果になる、というのはaheadの読者には意外だったのではないだろうか。私は意外だった。
text/photo:若林葉子 [aheadアーカイブス vol.167 2016年10月号]
text/photo:若林葉子 [aheadアーカイブス vol.167 2016年10月号]
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vol.52 少数派
いつの間にか、世間一般の感覚から外れてしまっているのかも知れない。そう思って、今度はOL、つまり女性のみを対象にしたアンケート(*)を見てみると、所有している車種の1位は軽自動車、2位がコンパクトカー。これは妥当な線だろう。
私が驚いたのは、自分自身、夫または同居している家族が所有しているクルマの排気量について、「分からない」が24%で1位であるということだ。4人に1人が、自分の家にあるクルマが何リッターか知らない。いや、ひょっとしたら、自分の購入したクルマの排気量を知らないかも知れない。
またクルマの走行距離も「分からない」が1位で約31%。一方、燃費についての質問では、「燃費が良いと思う」「あまり良くないと思う」が両方で約84%を占めていて、「分からない」はわずかなのだ。
いったん驚いたあと、一息置いて、いやしかし驚くほどのことでもないと思い直した。自分の乗っているクルマが何リッターだろうが、それが自分の生活に何ほどの意味を持つか。走ればいいのである。でも燃費は自分のお財布に直接影響するのだから、おろそかにはできない。この現実感覚こそがオンナというもの。
さらに、クルマを持っていないという人の中で、今後も欲しいと思わない人が約55%にもなるけれど、クルマの所有で自分の生活が豊かになると思うかという問いには約71%が「なると思う」と答えている。
このアンケートの中に私は昔の自分の姿を見る気がする。クルマは全く興味の対象ですらなかったのに、矛盾しているようだけれど、心のどこかで、クルマがあって、自在に運転することができたら、自由で豊かな自分になれるだろうなという予感のようなものだけは確かに感じていたのである。
アンケートの女性たちもきっと言葉にはならないところで、クルマというものがもつ豊かさや自由を敏感に感じ取っているのだと思う。
輸入車のしかもマニュアル車に乗っている私は、日本の女性の中では少数派であるかも知れない。でも未だに、自分の乗っているクルマの馬力を問われるとえーっと…と即答できない私はまさに女性の中の多数派なのである。
「少数であることを気どらない。多数であると思って調子に乗らない。考えるべき重要なことは、多さや少なさじゃない」 こう言っているのは糸井重里氏だ。
「クルマがあったら自分の生活は豊かになると思う」 そう思っている人たちに向けて、できることが何かあるだろうか。
私が驚いたのは、自分自身、夫または同居している家族が所有しているクルマの排気量について、「分からない」が24%で1位であるということだ。4人に1人が、自分の家にあるクルマが何リッターか知らない。いや、ひょっとしたら、自分の購入したクルマの排気量を知らないかも知れない。
またクルマの走行距離も「分からない」が1位で約31%。一方、燃費についての質問では、「燃費が良いと思う」「あまり良くないと思う」が両方で約84%を占めていて、「分からない」はわずかなのだ。
いったん驚いたあと、一息置いて、いやしかし驚くほどのことでもないと思い直した。自分の乗っているクルマが何リッターだろうが、それが自分の生活に何ほどの意味を持つか。走ればいいのである。でも燃費は自分のお財布に直接影響するのだから、おろそかにはできない。この現実感覚こそがオンナというもの。
さらに、クルマを持っていないという人の中で、今後も欲しいと思わない人が約55%にもなるけれど、クルマの所有で自分の生活が豊かになると思うかという問いには約71%が「なると思う」と答えている。
このアンケートの中に私は昔の自分の姿を見る気がする。クルマは全く興味の対象ですらなかったのに、矛盾しているようだけれど、心のどこかで、クルマがあって、自在に運転することができたら、自由で豊かな自分になれるだろうなという予感のようなものだけは確かに感じていたのである。
アンケートの女性たちもきっと言葉にはならないところで、クルマというものがもつ豊かさや自由を敏感に感じ取っているのだと思う。
輸入車のしかもマニュアル車に乗っている私は、日本の女性の中では少数派であるかも知れない。でも未だに、自分の乗っているクルマの馬力を問われるとえーっと…と即答できない私はまさに女性の中の多数派なのである。
「少数であることを気どらない。多数であると思って調子に乗らない。考えるべき重要なことは、多さや少なさじゃない」 こう言っているのは糸井重里氏だ。
「クルマがあったら自分の生活は豊かになると思う」 そう思っている人たちに向けて、できることが何かあるだろうか。
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text:若林葉子/Yoko Wakabayashi
1971年大阪生まれ。Car&Motorcycle誌編集長。
OL、フリーランスライター・エディターを経て、2005年よりahead編集部に在籍。2017年1月より現職。2009年からモンゴルラリーに参戦、ナビとして4度、ドライバーとして2度出場し全て完走。2015年のダカールラリーではHINO TEAM SUGAWARA1号車のナビゲーターも務めた。
text:若林葉子/Yoko Wakabayashi
1971年大阪生まれ。Car&Motorcycle誌編集長。
OL、フリーランスライター・エディターを経て、2005年よりahead編集部に在籍。2017年1月より現職。2009年からモンゴルラリーに参戦、ナビとして4度、ドライバーとして2度出場し全て完走。2015年のダカールラリーではHINO TEAM SUGAWARA1号車のナビゲーターも務めた。