ひこうき雲を追いかけて vol.55 机と椅子とポジションと
更新日:2024.09.09
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職業柄、家で仕事をすることも多い。調べ物をしたり、原稿を書いたりすることがほとんどで、パソコンを使って作業している時間が自然と長くなる。仕事用のデスクというものは置いていないので、大きめのダイニングテーブルがデスク代わりだ。でも最近ちょっとこのスタイルに限界を感じている。ものすごく疲れる。多分、テーブルの高さと座面の高さの関係が合っていないのだ。
text:ahead編集長・若林葉子 photo:長谷川徹 [aheadアーカイブス vol.170 2017年1月号]
text:ahead編集長・若林葉子 photo:長谷川徹 [aheadアーカイブス vol.170 2017年1月号]
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vol.55 机と椅子とポジションと
ちょっと調べてみると、日本で売られている机の高さはたいてい70㎝・72㎝・74㎝のいずれかで、標準的な日本人男性の身長に合わせられていることが分かる(この3つの数字にはそれぞれ根拠があるのだが、それを説明すると長くなるので端折る)。椅子を適切な高さに調節した場合に、身長170㎝の男性が座ると、高さ70㎝の机はちょうどよい具合になるらしい。
私の身長は157㎝。そりゃ合うはずがない。高さ調節のできる椅子で座面をあげて、さらにフットレストを置いてようやく適切な姿勢になる。
ネットには、身長を入力すると最適な机の高さと座面の高さを計算してくれる便利なサイトがある。私の身長では書き仕事の場合、机の高さが66㎝、座面の高さが38㎝。さらに調べていくと、どうやらキーボード作業を行う場合は書き物をするよりもさらに低めの机の方が良いらしいのだ。
私の身長で最適とされるのは机の高さが61㎝、座面の高さが38㎝。机と座面との差尺も短くなっている。日本で最近流行り出したダイニングソファセットがちょうどこのくらいの感じである。
……と調べだすと面白くなってついはまってしまうのが私の悪い癖だが、本題はそこではない。この「合ってない」をクルマでも感じることがときどきあるということだ。
当然だろう。市販車なら大が小を兼ねなくては話にならない。ただクルマなら何とか乗ることができても、オートバイはそうはいかない。小柄な女性でも足のほとんど付かないバイクに果敢に乗る人はたくさんいて、多分、いい意味で気にしないでいられるか、身体能力が高いか、ネガを上回る努力と情熱で克服したかのいずれかで、そのどれであれ尊敬に値する。
クルマの中で私にはサイズが大きいなぁとずっと感じていたのはロードスターのNC(MT)だ。シートの高さ調節ができないから、クッションを敷く。視線は高めにしたいが座面を上げすぎると足が遠くなってクラッチが奥まで踏み込めない。乗るたびポジション合わせに手こずり、運転していてもどこかに違和感があった。
ところが現行のND(MT)は、初めて乗ったとき、シートの前後とハンドル位置をちょちょっと調整しただけで、ばっちりポジションが決まったのだ。やるじゃん、マツダ!
小柄で神経質で身体能力の低い私は、少数者に心を寄せてくれる人がいるのだと思うと無性に嬉しくなるのである。
私の身長は157㎝。そりゃ合うはずがない。高さ調節のできる椅子で座面をあげて、さらにフットレストを置いてようやく適切な姿勢になる。
ネットには、身長を入力すると最適な机の高さと座面の高さを計算してくれる便利なサイトがある。私の身長では書き仕事の場合、机の高さが66㎝、座面の高さが38㎝。さらに調べていくと、どうやらキーボード作業を行う場合は書き物をするよりもさらに低めの机の方が良いらしいのだ。
私の身長で最適とされるのは机の高さが61㎝、座面の高さが38㎝。机と座面との差尺も短くなっている。日本で最近流行り出したダイニングソファセットがちょうどこのくらいの感じである。
……と調べだすと面白くなってついはまってしまうのが私の悪い癖だが、本題はそこではない。この「合ってない」をクルマでも感じることがときどきあるということだ。
当然だろう。市販車なら大が小を兼ねなくては話にならない。ただクルマなら何とか乗ることができても、オートバイはそうはいかない。小柄な女性でも足のほとんど付かないバイクに果敢に乗る人はたくさんいて、多分、いい意味で気にしないでいられるか、身体能力が高いか、ネガを上回る努力と情熱で克服したかのいずれかで、そのどれであれ尊敬に値する。
クルマの中で私にはサイズが大きいなぁとずっと感じていたのはロードスターのNC(MT)だ。シートの高さ調節ができないから、クッションを敷く。視線は高めにしたいが座面を上げすぎると足が遠くなってクラッチが奥まで踏み込めない。乗るたびポジション合わせに手こずり、運転していてもどこかに違和感があった。
ところが現行のND(MT)は、初めて乗ったとき、シートの前後とハンドル位置をちょちょっと調整しただけで、ばっちりポジションが決まったのだ。やるじゃん、マツダ!
小柄で神経質で身体能力の低い私は、少数者に心を寄せてくれる人がいるのだと思うと無性に嬉しくなるのである。
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text:若林葉子/Yoko Wakabayashi
1971年大阪生まれ。Car&Motorcycle誌編集長。
OL、フリーランスライター・エディターを経て、2005年よりahead編集部に在籍。2017年1月より現職。2009年からモンゴルラリーに参戦、ナビとして4度、ドライバーとして2度出場し全て完走。2015年のダカールラリーではHINO TEAM SUGAWARA1号車のナビゲーターも務めた。
text:若林葉子/Yoko Wakabayashi
1971年大阪生まれ。Car&Motorcycle誌編集長。
OL、フリーランスライター・エディターを経て、2005年よりahead編集部に在籍。2017年1月より現職。2009年からモンゴルラリーに参戦、ナビとして4度、ドライバーとして2度出場し全て完走。2015年のダカールラリーではHINO TEAM SUGAWARA1号車のナビゲーターも務めた。