Letter From Mom 夫と子どもとクルマたち Vol.12 イベントごとと夫の靴
更新日:2024.09.09
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秋から春にかけて、我が家にはイベントごとが集中している。とくに2月、3月は義母の誕生日とバレンタインデー、結婚記念日にひな祭り、ホワイトデー、そして娘の誕生日もやってくる。
text:まるも亜希子 [aheadアーカイブス vol.184 2018年3月号]
text:まるも亜希子 [aheadアーカイブス vol.184 2018年3月号]
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- Vol.12 イベントごとと夫の靴
Vol.12 イベントごとと夫の靴
夫婦そろってフリーランスなものだから、確定申告のために大量の領収書と格闘しながら、お雛様を飾ったり、ホームパーティーの献立はどうしようかと悩む日々。それは楽しいし歓びをくれるものでもあるけれど、やりたいコトの半分もできない現実に追いまくられている。
いったい、世の“働くママ”たちはどうやってこの膨大な雑事をこなしているのか、密着取材でもしたい気分だ。そう思いながら美容院にあった雑誌を手に取ると、神のお告げかのように「デキるワーキングマザーの1日」的な記事が目に飛び込んできた。
それによれば、たまった家事や雑事をこなすのは「家族が起きる前の朝2時間」がカギなんだとか。早いママは4時くらいに起きてイロイロやっているらしい。そうですか。娘と一緒になって8時過ぎまで寝ている私は、そこがすでにダメなわけだ。読み進めるにつれて、いかに私がデキないワーキングマザーであるかを思い知るばかりだったが、ひとつだけ実践しているものがあった。
それは、誕生日などのプレゼントは事前に用意せず、一緒に買いに行くことそのものをイベントにしちゃおうということ。本当は、欲しいものをそれとなく聞き出して内緒で用意し、サプライズで喜ばせたいのが理想だが、気に入ってもらえなければ単なる無駄遣いになるのが怖い、というのが正直なところ。
そこで今年のバレンタインデーにも、希望の品を一緒に買いに行くことにした。半年前から履いている「ネグローニ」のドライビングシューズが気に入って、もう一足欲しいという。せっかくなので、いろんなタイプがフィッティングできる、荒川区のファクトリー&オフィスを訪れた。
ブランドディレクターの修平さんと、社長である修平さんのお母様に久しぶりにお会いできて、私にとっても素敵な時間になったのはもちろん、いつもながらのアットホームなおもてなしに初対面の夫もすっかりリラックス。いろんな話をしながら、大満足で2足目のネグローニを選ぶことができた。
しかも履いていった1足目が相当くたびれていたらしく、修平さん自らメンテナンスをしてくれて、新品さながらに履き心地が復活したことにも夫は感動した様子。おかげでとてもいいバレンタインになった。]
ただひとつ気になったのは、なぜ夫の1足目が半年であんなにくだびれていたのか。私が愛用しているネグローニは1年履いてもそれほど劣化していないのに。そう考えていたらふと、新婚当初は毎日のように夫の靴を磨いていたことを思い出した。
運転が仕事であり、お客様を横に乗せてサーキットを走ることも多い夫の靴は、かかる負荷が大きい。せめてもの妻の務めと、「明日も無事に帰ってきますように」と願掛けのつもりで磨いていたのだが、最近はめっきり……。これには大反省だ。
イベントごとに張り切る前に、地味だけれど大切な、家族が笑顔でいるための雑事こそ忘れないようにしなければ。我が家では靴はオシャレではなく、「安全は足元から」なのだった。
いったい、世の“働くママ”たちはどうやってこの膨大な雑事をこなしているのか、密着取材でもしたい気分だ。そう思いながら美容院にあった雑誌を手に取ると、神のお告げかのように「デキるワーキングマザーの1日」的な記事が目に飛び込んできた。
それによれば、たまった家事や雑事をこなすのは「家族が起きる前の朝2時間」がカギなんだとか。早いママは4時くらいに起きてイロイロやっているらしい。そうですか。娘と一緒になって8時過ぎまで寝ている私は、そこがすでにダメなわけだ。読み進めるにつれて、いかに私がデキないワーキングマザーであるかを思い知るばかりだったが、ひとつだけ実践しているものがあった。
それは、誕生日などのプレゼントは事前に用意せず、一緒に買いに行くことそのものをイベントにしちゃおうということ。本当は、欲しいものをそれとなく聞き出して内緒で用意し、サプライズで喜ばせたいのが理想だが、気に入ってもらえなければ単なる無駄遣いになるのが怖い、というのが正直なところ。
そこで今年のバレンタインデーにも、希望の品を一緒に買いに行くことにした。半年前から履いている「ネグローニ」のドライビングシューズが気に入って、もう一足欲しいという。せっかくなので、いろんなタイプがフィッティングできる、荒川区のファクトリー&オフィスを訪れた。
ブランドディレクターの修平さんと、社長である修平さんのお母様に久しぶりにお会いできて、私にとっても素敵な時間になったのはもちろん、いつもながらのアットホームなおもてなしに初対面の夫もすっかりリラックス。いろんな話をしながら、大満足で2足目のネグローニを選ぶことができた。
しかも履いていった1足目が相当くたびれていたらしく、修平さん自らメンテナンスをしてくれて、新品さながらに履き心地が復活したことにも夫は感動した様子。おかげでとてもいいバレンタインになった。]
ただひとつ気になったのは、なぜ夫の1足目が半年であんなにくだびれていたのか。私が愛用しているネグローニは1年履いてもそれほど劣化していないのに。そう考えていたらふと、新婚当初は毎日のように夫の靴を磨いていたことを思い出した。
運転が仕事であり、お客様を横に乗せてサーキットを走ることも多い夫の靴は、かかる負荷が大きい。せめてもの妻の務めと、「明日も無事に帰ってきますように」と願掛けのつもりで磨いていたのだが、最近はめっきり……。これには大反省だ。
イベントごとに張り切る前に、地味だけれど大切な、家族が笑顔でいるための雑事こそ忘れないようにしなければ。我が家では靴はオシャレではなく、「安全は足元から」なのだった。
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text:まるも亜希子/Akiko Marumo
エンスー系自動車雑誌『Tipo』の編集者を経て、カーライフジャーナリストとして独立。ファミリーや女性に対するクルマの魅力解説には定評があり、雑誌やWeb、トークショーなど幅広い分野で活躍中。国際ラリーや国内耐久レースなどモータースポーツにも参戦している。
text:まるも亜希子/Akiko Marumo
エンスー系自動車雑誌『Tipo』の編集者を経て、カーライフジャーナリストとして独立。ファミリーや女性に対するクルマの魅力解説には定評があり、雑誌やWeb、トークショーなど幅広い分野で活躍中。国際ラリーや国内耐久レースなどモータースポーツにも参戦している。