ダカールへの道 Vol.1 HINO TEAM SUGAWARAに参加

アヘッド ダカール

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この春、3月も終わりに近づこうとする頃、1本の電話があった。電話の主は菅原照仁さん。ダカールラリーに参戦しているHINO TEAM SUGAWARA 2号車のドライバーだ。1号車のドライバーである父・菅原義正さんとともに、日頃からお付き合いがある。電話の主旨は、次のダカールで協力してくれないかという話だった。

text:ahead編集長・若林葉子 [aheadアーカイブス vol.140 2014年7月号]
Chapter
Vol.1 HINO TEAM SUGAWARAに参加

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長らくアフリカを舞台に繰り広げられたパリ・ダカールラリーは、2009年から南米へと舞台を移した。そして近年は耐久レースであるにも関わらず、1分1秒を争うようなスピード競技の様相を呈している。それに伴いナビゲーションの難易度も高くなり、ナビゲーターの負担も年々増しているのだそうだ。

私には菅原義正さんがドライバーをつとめる1号車のナビゲーションとして加わって欲しいということだった。私が加わると、1号車はドライバーとナビ2名の3名乗車となる。

あまり知られていないことだが、実はトラック部門では3名乗車が認められており、例えば2014年度の場合、71台中、2名乗車はわずかに11台。ほとんどの車両が3名乗車でレースを闘っている。照仁さん曰く、「2人いれば4つの目。3人いれば6つの目で見ることができる」 つまり、それだけ視野が広がって、戦力にプラスになるのだ。

また、タイヤ交換するにしても、トラックのタイヤの重量を考えると、3人の方が圧倒的な時間の短縮になる。1人増えればそれだけ重量もコストも増えるわけだが、そういったデメリットを差し引いても、メリットの方が大きいということなのだろう。
本誌でずっとレポートしてきたが、私は2009年から4年間、モンゴルラリーに出場した。その間、常にチーム・スガワラの皆さんに支えられ、ナビゲーションについても随分と教えていただき、私のナビの方法は言わばスガワラ仕込み。2011年のモンゴルでは菅原義正さんのナビも経験し、その年はクラス優勝した。そのことも今回のご縁につながったのかも知れない。

「ワカバヤシが次のダカールに加われば、1号車は一気に10位くらい順位があがる目算がある」と照さんは言う。「ベテランナビ、羽村さんのこれまでの蓄積に加え、ワカバヤシには、近年のラリーに必要な〝より早くこなしていく〟というエッセンスを期待している」

私の参入はより確実に、より速く——あくまでも順位を上げるための戦略のひとつ。自分の役割を果たし、1号車の順位アップという目標に貢献できるよう、しっかりと準備していきたい。

次戦のルートはすでに発表されている。スタートは2015年1月4日、ブエノスアイレスである。

2009年

2010年

2011年

2012年

▶︎30年以上もダカールラリーに参戦を続ける菅原義正氏(左)、過去12回、菅原氏のナビをつとめる羽村勝美氏(右)。去る6月11日に、新メンバーとして若林が参入することが発表された。www.hino.co.jp/dakar/

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text:若林葉子/Yoko Wakabayashi
1971年大阪生まれ。Car&Motorcycle誌編集長。
OL、フリーランスライター・エディターを経て、2005年よりahead編集部に在籍。2017年1月より現職。2009年からモンゴルラリーに参戦、ナビとして4度、ドライバーとして2度出場し全て完走。2015年のダカールラリーではHINO TEAM SUGAWARA1号車のナビゲーターも務めた。
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