霊柩車の前で親指を隠す理由

なぜ、霊柩車を見たら親指を隠せといわれたのか?

霊柩車

幼いころ、祖父母や親、友人から「霊柩車を見たら親指を隠しなさい」と言われ、いまだに実践している方は多いのではないでしょうか。

その理由としては、
・親の死に目に会えなくなる
・親が早死する
・親族に不幸がある
・縁起が悪い
といったことが、まことしやかに言われていましたよね。

もちろん、科学的な根拠はないでしょう。いわゆる、迷信・俗信というものに当たると思います。しかし、こうした俗信が完全に間違いであると否定しきれないというのも事実。

なぜなら、古来からの伝承は、なにかしらの根拠めいたもの(=時間をかけて検証?されてきた)もあるからです。

この霊柩車を見たら…の真偽はともかくとして、なぜ、いつごろから親指を隠すようになったのでしょうか?

親指にまつわる伝承とは…

霊柩車が日本で使用されるようになったのは、大正〜昭和以降のことです。モータリゼーションを考えれば当然といったところでしょうか。しかし、それ以前から葬儀は人々の営みとして行われていたわけです。

その時代に、墓地、あるいは火葬場までの葬列に遭遇した際に”親指を隠す”ことが言われるようになったようです。

親指を隠すのは、古来より人間の親指には魂の出入りがある、といったような伝承によるもので、葬儀の際に、死者の霊などが自分に入り込まないように隠す、あるいは親指を握ることで気を高め身を護る、こうした考えがあったとされています。

これが現代に伝わった際に、親指=親、親族に変換されてしまい「親の死に目に会えなくなる、親族に不幸がある」とった伝承に変わっていったと考えられます。

消えゆく霊柩車…

霊柩車

今回は少々、民族学というべきか、伝承について触れてみました。その話題の中心である霊柩車ですが、最近、目にする機会が減っています。

それは、豪奢な宮型よりも、西洋型の地味な霊柩車のほうが多くなってきたためです。その理由は、経済事情から葬儀にお金をかけなくなってきたということと、火葬場の周辺住民への配慮によるものなのだそう。

火葬場の存在は、近隣住民にとってはデリケートなものです。そうした事情から、自治体も配慮し、葬儀をすぐさま連想させる宮型霊柩車の出入りを禁止するといった措置が進められているのです。

霊柩車は自動車の体裁こそとっているものの、日本の葬送文化の歴史を引き継ぐ大事な遺産です。それが減少すれば、親指を隠す機会もおのずと減ってしまうわけで…なんとも複雑な気持ちになってしまいますね。

親指隠せ!金色に輝く宮型霊柩車の姿を見かけなくなった理由

関連キーワード

この記事をシェアする

関連する記事

最新記事

アヘッド Car & Motorcycle Magagine ahead archives